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地元での予選終了間近にクラッシュをかましたルクレール。決勝へどう対応してくるか注目されましたが、チームの初期診断ではギヤボックスなどのパーツ交換の必要はないと判断してレコノサンスラップに向かっていきます。
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しかしその後ガレージに戻り、リヤを眺めて何やらザワザワやっています。間もなくピットレーンが閉鎖されるのですが、、
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閉鎖されました。それはつまりこういうことを示します。
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ルクレール、決勝不出走。ガードレールにヒットした反対側の左リヤのドライブシャフトに異常が見つかったためとされています。レコノサンスラップで明らかになったのかもしれませんし、クラッシュが原因かもわかりませんが、何故ペナルティ覚悟で安全側の判断に振って、パーツ交換に踏み切らなかったのか疑問しかありません。

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ポールポジションがいない、それも地元のスターがグリッドのどこにもいない。シラけたスタートですね。スタート前に波乱がありつつ、レース自体は実にお行儀よく、派手なクラッシュやセーフティカーの出動も無く進行していきます。
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この順位はルクレールの離脱を反映していませんので、-1のドライバーは順位変動無し。0のラッセルはポジションを一つ失ったことを示します。最多のジャンプアップは14位のアロンソの2人抜き、角田くんは逆に順位を2つ落とす形に。

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30周目にこのモナコGPでは存在感の無いキングが抜きあぐんでアンダーカット狙いか、ソフトタイヤからハードタイヤへの乗り換えを迎え、ライバル達も堰を切ったように動きをみせ始めます。
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翌31周目にボッタス。同じようにソフトからハードへ、、
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ボッタスの右フロントが外れない!その間に後方のノリスとガスリーもタイヤ交換し、1周前にタイヤ交換を終えたハミルトンの前で復帰してアンダーカット阻止。
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ボッタスはラップダウンされてもホイールナットが外れず、そのままリタイヤ。近代には珍しく、70年代や80年代、いやそれ以前の時代のようなリタイヤですね。ハミルトンが中団に埋もれつつもいつも通りの予選3番手を獲得したボッタスとしては、怒りの矛先はナットかガンか。ドライバー起因でないつまらぬアクシデントにより、上位2台がレースを後にしています。
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予選では相方を上回りQ3に進出、8番手スタートとなったベッテルはハミルトンから2周、ガスリーからは1周遅れでピットイン。ピットアウトレーンに乗ると、先にタイヤ交換を済ませた2人が本線を走行中で微妙なタイミング。
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ボー・リバージュで並ぶ!どうか?!
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ベッテルが前で2台のオーバーカット成功。往年のレッドブル時代を彷彿とさせるぞ!
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2番手を獲得したフェルスタッペンに対して、9番手に沈んだペレスは36周目にピットインし、遠くサン・デボーテに見えるベッテルをオーバーカット、3台抜きの4位まで浮上しています。

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レース終盤は3位表彰台をかけて、ノリスとペレスの追いかけっこが続きました。ペレスからすればメルセデスがいない今、レッドブルとしては大量ポイントを獲得したいし、ノリスとしてもリカルドが入賞圏外に沈み、フェラーリに対抗するためにはココを是が非でも踏ん張りたいところ。IMG_9767
ココは抜けないモンテカルロ。このレースはオーバーカット戦略が最もクリーンなパッシングとなりました。

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「おーい、ボクはココ。忘れないでよー!」

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《決勝結果》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・H)
 2 サインツ    (フェラーリ・F)
 3 ノリス     (マクラーレン・M)

結果、リタイヤは2人。トラック上でのド派手なクラッシュや目立ったアクションも無く、先日の表彰台予想はそのまま「プランA」の形で進行、フェルスタッペンは楽々と(ポールトゥ)ウィンし、ポイントランキングもトップに立ちました。ルクレールの分まで頑張ったサインツとペレスの猛攻を耐え抜いたノリスは仲良く健闘を讃え合います。そういえばサインツからすればどちらも元チームメイトですね。この顔ぶれをみると、次世代のトップ争いを予感させます。ここにルクレールが混ざれていないのが何とも悔やまれますね。
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《ファステストラップ》
 ハミルトン(メルセデス・M)1分12秒909
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ベッテル (アストンマーティン・M)

《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ベッテル (アストンマーティン・M)

順位のゲイン具合はペレスに分があっても、そもそもペレスはチームメイトと比較して、マシンポテンシャルからみれば予選順位が物足りなく、今シーズンはまだドライバー・オブ・ザ・デイを獲得できそうなチャンスはあるはずですから、今回は本家と同様にベッテルの浮上を誉めてあげたいと思います。毎度ながらベッテルは誉めれば伸びる子、誉めなければ伸びない子です。チャンピオン経験者ではありますがディスってばかりでは可哀想。予選からよかったと思います。心配されていた対ストロールにも勝つようになってきましたし、何より決勝で見事オーバーカットを決めて、トラック復帰した際はガスリーの猛攻から耐え抜きました。レース中盤、3位に「VET」の表記をみた際は懐かしく、ちょっぴり拳に力が入りました。モナコGPは予選重視、他のGPとは一線を画すレースではありますが、上位フィニッシュしたことでベッテルのモチベーションも上がり、今後のレースへの活力になったのではないでしょうか。あなたの居場所はそんな位置ではないはず、まだまだやれることをアピールしていきましょう。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 フェラーリ・F

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GR「先輩、大丈夫、、すか?」
CL「私も君のように、、いや私には言えないよ」

言うまでもなく、100%チームがレースを台無しにしました。確かに土曜予選の終了間際にマシンを壊したのはルクレールの操作ミス。マシンはパルクフェルメに預けるため、損傷の大小を判断する時間も限られてはいます。最後までポールスタートの可能性を無駄にしたくない気持ちもわかりますが、変に我慢、意地を張ったのが完全に裏目に出て、ルクレール本人はもちろんのこと、観に来た観客、そして世界中のフェラーリファンを落胆させたのはチームの判断ミスです。安全が確認できず、不安要素があるならば、予めペナルティ覚悟でパーツ交換すべきでした。そうすれば6番手スタートからこのレースは4位ないし5位あたりでフィニッシュできたはずです。ドライバーがいくら奮起し、スタッフが懸命に働いても、これを繰り返しているようでは昨年までと全く変わっていません。飛躍するマクラーレンを捕まえたければ、チーム自身が飛躍するしか方法は残されていません。改めるべきです。FullSizeRender

あとこのモナコGPは全般的にメルセデスも精彩を欠きましたね。ハミルトンの予選はともかく、ボッタスのピットリタイヤは本当に悔やまれます。トラブルは何故ボッタスばかりが受け付けてしまうのか。人のよさか気は緩んでもナットは緩まず。代償として両ポイントランキングにおいて首位を明け渡す形となりましたが、シーズン全体でみれば面白い展開を演出してくれました。

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《第5戦モナコGPのポイント》
・ポールを獲っても「勝てないケース」はある
・変に虚勢を張るのはよそう。悲しむ人がいる
・抜けないモナコはオーバーカットが吉
・レース全般で将来の表彰台常連メンバーを予感

メルセデス不作の助けもあり、ランキングトップに浮上したフェルスタッペンとレッドブルですが、この先はバクー市街地、ポール・リカールとパワーサーキットが続きます。気温も高くなりますから、まだまだ予断は許さない状況です。このままハミルトン&メルセデスに対して「HONDA」のテールを見せ続けてほしいですね。

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