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うん、何となく読めなくは、ない。日本以外の漢字を使う国といえば中国です。漢字はもちろん中国が大先輩なわけですが、日本にはひらがな、カタカナという便利な文字があるため、是が非でも漢字で当てがう必要はありませんね。2021年シーズンのカレンダーから早くも中国GPの延期が発表され、それが果たしてどのタイミングで差し込まれるのか。個人的には上海国際のレイアウトは大好きなんですが、この過密カレンダーにおいて差し込むのは困難と想像しています。よってシーズン開幕前のこのタイミングで一発、今から11年も前になってしまう2010年第4戦中国GPを振り返ってしまおうと思います。2010年シリーズは今回で6戦目、中国GPは7回目となります。

前年2009年は風と共に現れ、風のように去ったブラウンGPとバトンがチャンピオンを獲得。バトンは同じメルセデスエンジンを搭載するマクラーレンに移籍するも、チームはメルセデスワークスになり消滅したため、チャンピオンチームは不在のシーズンとなります。ここまでの3戦は開幕戦バーレーンGPはフェラーリのアロンソ、第2戦オーストラリアGPはマクラーレンに移籍したチャンピオンのバトン、そして第3戦マレーシアGPはレッドブルのベッテルが優勝を挙げて横並びとなっていますが、ポイントランキングは未勝利ながら2表彰台を獲得したフェラーリのマッサがトップ。全19戦のシーズンにおいて4戦目ですから、まだまだ行く末はわかりません。

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金曜フリー走行でヒヤリとするシーンがありました。トロ・ロッソから参戦するブエミのストレートエンドでの出来事。
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えっ、フロントタイヤが消えた!別角度から
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ブレーキングを始め、前荷重になった瞬間に
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ドーーン!まるでこの後トランスフォームでもするかのような見栄えですね。お兄さんレッドブルからのお下がりでなく、このレースから自社開発したサスペンションを導入した途端にこれ。車の基本である「止まる」という行為でこんな風になってしまったら、普通の車でも怖くてとても乗れません。

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予選は红牛の维特尔がシーズン3回目となるポールポジションを獲得。2番手にはチームメイトの韦伯が並んでフロントロウを独占し、3番手は法拉利の阿隆索が続いています。梅赛德斯から復帰参戦4戦目の舒马赫は後輩の罗斯伯格から大きく遅れた9番手。そして唯一の日本人、索伯の小林可梦は15番手で終えました。読み辛いし、ブログがバグったら困るのでふざけるのはこの辺で止めます(笑)
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F1で勝利のコツを覚え始めたポールのベッテルちゃんは当時22歳。キャップから髪が有り余ってはみ出ちゃう。そして、あどけない。

《予選結果》
 1 S・ベッテル(レッドブル・R)
 2 M・ウェバー(レッドブル・R)
 3 F・アロンソ(フェラーリ・F)
 ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

決勝直前に雨が降り、路面が湿りつつありますが、ほとんどのマシンがドライタイヤでスタンバイしています。マシンの性能差が縮まり、ドライバーの腕により重圧がのしかかります。
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3番手スタートのアロンソがアウト側にマシンを振り、あたかもフロントロウ2台が止まって見えるかのような絶好のダッシュを決め、ターン1までにトップに。
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後方ではバランスを崩したフォース・インディアのリウッツィを起点にブエミ、小林、ヴァージンのグロックの3台を巻き込むクラッシュが発生し、2周目からセーフティカーの出番です。好スタートのアロンソは路面の如く水の泡。

5番手スタートのバトンからアロンソに水を差す無線が飛びます。
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えーさっきのアロンソはフライング?!
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あらら、スターターのチャーリー・ホワイティングも即座にチェック。あの切れ味抜群の蹴り出しはそういうことだったか。残念ですがアロンソにはこの後ピットレーンドライブスルーのペナルティが下ります。
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セーフティカーランの間に暫定トップのアロンソはじめ、モタつくベッテルをかわして2位に浮上したウェバーなど多数がドライタイヤを捨てて浅溝インターミディエイトタイヤに履き替えています。
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4位のロズベルグ、5位のバトンはドライタイヤのままステイ。6位のハミルトンもステイと思いきや
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ん、思い直した?!思い切りコースをはみ出して
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強引にピットレーンへ。これについて特に罰則は無し。ずっちーな。マクラーレンはバトンとハミルトンでタイヤチョイスを変えています。

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ステイしたロズベルグやバトンのペースが思いの外よく、それをみたベッテルが5周目にたった3周しか履いていないインターミディエイトからドライへ替えに戻ろうとした瞬間に
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ピットレーンでまたインからハミルトン。ピットレーンで追い抜いてタイミングを合わせ込んできます。
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ピットアウトも同時。今回は若干ベッテルが前か?!若いうちから頭角を示す2人が拮抗しています。10年後の今もこのような対等な位置でのバトルが続くと思っていたのですが、今ではだいぶ差ができてしまいましたね。

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ハミルトンはその後、ベッテルとフォース・インディアのスーティルをかわして7位に浮上。17周目の次なる相手は皆が憧れるシューマッハ。同じメルセデスエンジンを積む前者がワークス、後者がいわゆるプライベーター。真の「銀色」決定戦!
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この壁を超えたら、一人前!
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7回チャンピオンを自力で抜いて6位へ。着実に順位を上げていきます。トップ争いを行うロズベルグとバトンもバトンが前に出て両マクラーレンは両メルセデスをかわしたことになります。この当時はまだマクラーレンの方が格上でしたね。

今回のフェラーリはフライングに始まり、全くいいところ無し。18周を終えて、マッサが入賞圏外11位、5周目にペナルティを消化し後退したアロンソは続く12位で同時にタイヤ交換に向かいます。
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作業に入ったのはアロンソからで、マッサはアロンソの後ろで待機中。いつの間に順位が入れ替わったの?
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ピットレーンを走行するマッサに対し、アロンソは先程のハミルトンと同様にインからマッサを強引に弾き出す。ピットレーン内って追い抜きしていいんでしたっけ?!アロンソもずっちい。

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レースの後半戦になる36周目にハミルトンはいよいよ2位走行のロズベルグを捉えます。これがなかなかしぶとい。昔からライバルとして切磋琢磨した同世代ですからね。
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そこで考えたハミルトンは38周目にロズベルグより先にタイヤ交換を済ませ、アンダーカットする戦略を採ります。
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翌39周目にロズベルグはアンダーカットを阻止すべくトップのバトンと合わせ込む。
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ハミルトンが一歩前でアンダーカット成功。予選4番手、5番手に沈んだマクラーレンがタイヤチョイスに手を焼いたレースで見事なワンツーフィニッシュとなりました。
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《決勝結果》
 1 J・バトン  (マクラーレン・M)
 2 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
 3 N・ロズベルグ(メルセデス・M)

フロントロウスタートのレッドブルはベッテルが6位、ウェバーは8位にまで後退し影は無し。またスタートでフライングをかましてペナルティを食らったアロンソは4位まで盛り返しますが、表彰台には2.4秒足りませんでした。
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スタート直後のタイヤ交換を選ばず、空と睨めっこしながら耐え抜いたバトンの戦略はどハマりし、バトンらしい勝ち方となった中国GPです。バトンはこういう勝ち方が実に多いです。チャンピオンとなった前年よりも巧みさが現れたいい勝利だと思います。我慢のバトン、雨のバトン。

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