まとめばかりでなく、間に別の何かを挟みたかったですよね。用意はしていたのですが、それでは間に合わないと思い、続けてしまいました。2020年シーズンのまとめ「予選編」です。つい先日も似たようなネタだったので、あまり代わり映えしないかもしれませんがお許し下さい。それもこれも全てはCOVID-19のせいですから(順調に段取りできていないmiyabikunが一番悪い)

《トップタイムと各チーム最速タイムとの差》
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予選後に速報版として記載するトップタイムと各チーム最速タイムとの差の詳細版かつグラフ化したものになります。要は前半まとめと後半まとめをガチャンと合体させただけ(笑)X軸上がトップタイムでY方向に離れれば離れる程、トップタイムとの差が大きいというやつですね。
昨シーズンのトップタイムはメルセデスを筆頭に特に夏休み明けに連続的に獲ったフェラーリ、パラパラとメルセデスの隙をついたレッドブルの三強で繰り広げられていました。今シーズンは乗っけからフェラーリが脱落し、レッドブルについても雨の第2戦シュタイアーマルクGP(レッドブルリンク)を除いてポールには程遠く、第14戦トルコGPまで完全にメルセデスが予選を制してきました。あの壁はいつも以上に高く厚かったですね。ところが待望の復活開催となった新舗装かつ濡れ路面のトルコGPをきっかけにメルセデスの壁が崩壊すると、レッドブルが急接近し、見事最終戦にフェルスタッペンがポールポジションを獲得するに至りました。ただあれだけ前半戦を完璧に掌握し、いくらレッドブルがシーズン初ポールを手にしたところで時すでに遅し。両チャンピオンも決定しており、シーズン全体的には近年変わらずメルセデスイヤーであったことに間違いありません。
それで終わっちゃ面白くも何とも無いため、他のチームをチラッとみてみると、もみ合った中団は上下動はありつつも通期で安定したタイム差で推移していたように読み取れます。その中でルノーは序盤でそのライバルからの遅れがみられましたが、シーズンが進むにつれて速さを増し、終盤は中団の前の位置に浮上してきたのも印象的でした。また中団はエースドライバーが牽引しているチームが多かった中でマクラーレンだけが2人のドライバーでしっかり戦えてきたのも強みだったと思います。そのあたりについてはこの後に別のグラフを使ってみていきたいと思います。
各チームの色分けは昨年と全く同じなので対比しやすいと思いますが、グラフの上部をご覧下さい!最下位は水色ラインのウィリアムズではありません、真っ黒ハースと赤ワイン色のアルファロメオが入れ替わり立ち代わりしています。これはいうまでもなくてラッセルの頑張りですね。こちらもこの後触れていきますが、ラッセルはQ1突破が当たり前かのように、少しずつ実力、真価が明るみとなりましたね。
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一応割合で評価したグラフも作りましたので載せておきます。いずれにしてもトルコGPが規格外で目線が全てそちらに向いてしまいますね。

《ポールポジション回数》全17回
 1 ハミルトン   10回(58.8%)
 2 ボッタス      5回(29.4%)
 3 ストロール     1回  (5.9%)
    フェルスタッペン  1回  (5.9%)

今シーズンのポールシッターは4人と昨シーズンの5人から1人減りました。昨シーズンはフェラーリの2人が獲得していたところ、ご存知の通り獲れる状態に無く、代わって大荒れトルコを初ポールという形で制したストロールが仲間入りしています。ハミルトンのポールポジション獲得は10回でシーズンの約6割に達します。チャンピオンを獲得した途端に腑抜けになるのが今までのハミルトンでしたが、今シーズンはチャンピオン決定後もしっかり取り組み、第15戦バーレーンGPでダメ押ししてきました。続くのは当然メルセデスのボッタスが5回だったわけですが、これがまた「意味無しポール」だったのも忘れてはいけませんね。その辺は「決勝編」で改めてダメ出ししていきましょうか(笑)ボッタスよ、覚悟しておけよ!
先日の「後半まとめ」でも書きましたが、全17戦中、16戦がメルセデスパワーユニットからの獲得で、メルセデス以外は最終戦のホンダパワーユニットによるフェルスタッペンの1回に止まりました。何とか完全制覇だけは免れました。ありがとうフェルスタッペン、ありがとうホンダ。

《個人予選平均順位》各種ペナルティは含まず
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 1 ハミルトン                 1.69 Q1通過16  Q2通過16
 2 ボッタス                     2.29 Q1通過17  Q2通過17
 3 フェルスタッペン       3.12 Q1通過17  Q2通過17
 4 ペレス                         7.07 Q1通過14  Q2通過12
 5 アルボン                     7.18 Q1通過17  Q2通過14
 6 リカルド                     7.71 Q1通過17  Q2通過14
 7 ノリス                        8.24 Q1通過17  Q2通過14
 8 サインツ                     8.29 Q1通過17  Q2通過14
  ルクレール                 8.29 Q1通過17  Q2通過11
  10 ストロール                 8.63 Q1通過16  Q2通過11
  11 オコン                        9.94 Q1通過17  Q2通過8
  12 ガスリー                   10.12 Q1通過16  Q2通過11
    -  ヒュルケンベルグ    12.00
  13 クビアト                   12.12 Q1通過14  Q2通過4
  14 ベッテル                   12.24 Q1通過16  Q2通過3
  15 ラッセル                   14.76 Q1通過10  Q2通過1
  16 ライコネン                16.65 Q1通過4   Q2通過1
  17 ジョビナッツィ         16.88 Q1通過4   Q2通過1
  マグヌッセン            16.88 Q1通過3   Q2通過0
  19 グロージャン            17.00 Q1通過3   Q2通過0
    -  エイトケン               18.00
  20 ラティフィ               18.88 Q1通過1   Q2通過0
    -  フィッティパルディ 19.50

平均順位と併せてレギュラードライバーのみ「Q1,Q2突破回数」も記載しました。欠場を考慮し、パーセンテージにした方がよかったかもしれませんが下記グラフに合わせるため、回数表記としました。
三強がはっきりと。ハミルトンが1.69、ボッタスが2.29、フェルスタッペンが3.12となれば、フロントロウはガチガチに決まっています。そうなればセカンドロウ4番手以降の争いが熾烈になるのも当然な話。4番目のペレスから12番目のガスリーあたりまでの9人が如何に前でスタートを切れるかの椅子を狙っています。サーキットや環境によってそれら順位が変わるため、平均値はフェルスタッペンからは少し離れた7位台から9位台にひしめき合っています。フェルスタッペンとの差で話題に度々出たアルボンは順位だけでみれば上から5番目に位置する平均7.18位でした。問題なのはその「平均値の差」です。フェルスタッペンは3.12位ですので、フェルスタッペンとアルボンとの間には平均3〜4人が挟まってくるということ。チーム毎にグラフを色分けしているので、視覚的にも伝わり易いと思いますが、本来であればメルセデスやマクラーレン、アルファロメオのように「同じチームが固まっている」ならば、マシン性能をうまく引き出し、1ラップに注げていることがイメージできます。ところがレッドブルやルノー、フェラーリなどはチームメイトが予選時点で差がつき、明暗が分かれてしまっています。これではチーム内で異なるタイヤ戦略は採れても「チーム一丸となってライバルを上回る、錯乱させる」ような戦略が採り辛くなります。F1は個人プレイだけでなく、チームプレイも求められるため、例えキャリア差や年齢差があっても、同等の速さや安定感が無いとチームからは必要とされなくなってしまいますね。
下位はベッテル安定のQ2の真ん中あたりに位置し、Q2に度々顔を出すラッセルはメルセデス代走2番手の力も得てしっかりQ1突破ラインの15位以下に入ってきました。アルファロメオとハースは4人仲良くドングリの背比べ状態に。順位の上下は「日による」(笑)今シーズン唯一の完全新人であったウィリアムズのラティフィは残念ながらレギュラードライバーでぶっちぎりのビリに。ウィリアムズでなければ、違った?!

もう少し掘り下げてみられるよう、ドライバー毎GP毎の順位を3つのグループに分けて表現しています。分け方にとても迷いましたが、第1グループはこちら
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昨年と同様の「元 三強」メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チーム6人でくくりました。おいおい、こんくくりちゃうやろ、というお声も多いかと思いますが、パワーバランスだけで決めたら第1グループはメルセデス2人とフェルスタッペンの合計3人になってしまいますし、ほら、一応「2020年シーズンの並び」はこの順番ですし、、グラフをみればうまくバラけてくれたじゃないですか(笑)
「三強」ですから、昨年も行った「6番手」までに埋め尽くされていいはずです。が、上位3人は合格でも他3人がダメでしたね。特に「紅のベテラン」は完全にアウト。第3戦ハンガリーGPを除いて、ほぼQ2エリアにどっぷり浸かっています。こうみると「紅の期待」はそこそこ頑張っていたことがわかります。また、先程少し書いたアルボンはそのルクレールと近しい位置を行ったり来たりして「紺の期待」に寄り添うことができていません。ココですね、問題は。アルボンの走りは予選より「アグレッシブな決勝での追い抜き」が持ち味。予選はどうであれ決勝で結果を出せれば、文句は半減できるのですが、予選でチームメイトに離されてしまうということは、ただでさえ厚いメルセデスの屈強な壁を破る手立てが減ることを意味します。まあ、アルボンヌには浪人中にそのノウハウを身に付けてもらい、再起することを祈りましょう!あまり時間もないため、次に行きます。
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こちらがある意味シーズンを盛り上げてくれた中団4チーム、マクラーレン、ルノー、アルファタウリ、レーシングポイントの8人のグループです。本来は突破に手を焼くはずの6番手以内進出もちらほら見かけます。Q2突破はマクラーレンの2人とリカルドが最多の17戦中14回、2戦欠場しているペレスが12回、ガスリーとストロールが11回、オコンが8回、クビアトが4回となりました。コンストラクターズランキングは結果的にマクラーレンが3位に浮上したわけですが、先程も書いたようにマクラーレンの強みは予選からの安定した速さにあると思います。決勝レースペースや戦略差によって多少の上下はあれど、近代のF1は予選から戦いが始まっています。サインツ、ノリスのラインナップは当初「若過ぎる」「立て直しにはキャリアが浅い」などの声も多くありましたが、この2年で見事に復調に成功しましたよね。
見辛いかもしれませんが、薄い水色のクビアトのグラフを追ってみて下さい。シーズン中盤の高速連戦などはQ2突破まであと一歩のところに迫っていますが、全般的に相方の濃い水色ガスリーと比べると低調です。しかし終盤3連戦をみると、10番手、6番手、7番手と好位置につけています。ちょうど「クビアト、そろそろヤバいんじゃないの?!」と騒ぎ出した頃ですね。遅いよクビアト、それをシーズン序盤から、それもガスリーと並ぶか上回る位置にいないと、そうなっちゃいますよ。
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3グループ目は残る下位3チームです。表彰台の経験もあるF1のベテラン数人がちらほら混ざるこのグループも、あのマシンではこんな順位で送らざるを得ません。荒れトルコでひょんなチャンスを掴んだアルファロメオの2人。そして緊急アルバイトで本来のポテンシャルを大いに発揮したラッセルの2番手が光ります。ラッセルは非常にいい経験ができたと思います。だっていってみれば「一番速いマシンと一番遅いマシン」をわずか1週間で味わえたわけですから。ラッセルに会ったら聞いてみたいですね。「2台はどこらへんがどれだけ違うの?」と。守秘義務があるから、素人miyabikunにも教えてもらえないかな。話したらココで描かれちゃうしね(笑)

《コンストラクター(チーム)別予選平均順位》IMG_7799
 1 メルセデス・M                2.00
 2 レッドブル・H                 5.15
 3 レーシングポイント・M  8.24
 4 マクラーレン・R             8.26
 5 ルノー・R                        8.82
 6 フェラーリ・F               10.26
 7 アルファタウリ・H        11.12
 8 アルファロメオ・F        16.76
 9 ハース・F                       17.09
  10 ウィリアムズ・M           17.29

こちらはコンストラクター(チーム)単位の予選平均順位になります。ぱっと見今シーズンのコンストラクターズランキングにみえますが、 1箇所順位が異なります。3位と4位が逆ですね。ペレスが初優勝を挙げた第16戦サクヒールGP終了時点まではよかったのに、最終戦アブダビGPでマクラーレンが5位6位の18ポイントを獲得したのに対し、レーシングポイントはまさかの1ポイントに終わり逆転されました。
メルセデスがチーム平均でピッタリ2番手となりました。フロントロウは確定しているということ。フェラーリはQ2突破するかどうかのギリギリライン。下位3チームはドングリの背比べ状態で順位の上下は「日による」(2回目)

《予選チームメイト対決》全17回 ※代走を含む
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 メルセデス・M
  ◯ハミルトン11対6ボッタス ※
 フェラーリ・F
   ベッテル4対13ルクレール◯
 レッドブル・H
  ◯フェルスタッペン17対0アルボン
 マクラーレン・R
   サインツ8対9ノリス◯
 ルノー・R
  ◯リカルド15対2オコン
 アルファタウリ・H
   クビアト4対13ガスリー◯
 レーシングポイント・M
  ◯ペレス12対5ストロール ※
 アルファロメオ・F
   ライコネン8対9ジョビナッツィ◯
 ハース・F
   グロージャン7対10マグヌッセン◯ ※
 ウィリアムズ・M
  ◯ラッセル16対1ラティフィ ※

予選編の最終戦はチームメイト対決です。予選には同点がなく、今シーズンは全17戦と奇数ということで白黒が必ず着くたたかいとなります。なお、※の付くチームはレギュラードライバー以外の代走者が多少あるものの、細分化はせずそれは本来のレギュラードライバーで換算しています。
こちらも先日の後半戦で先にネタを書いてしまっていますが、見事なまでの100-0が一つあります。ホーナーさんとこのアルボンヌが全敗してしまいました。相手がフェルスタッペンだからこうなった。で済めばまだいいのですが、まさか来シーズンは塾生出身ではない他塾のベテランのペレスにまでやられてしまうとは想像もしていないオチでしょう。レッドブルはこれまで翼を授けてきたアストンマーチンが来シーズンいなくなります。アルボンを「解雇ではなくリザーブへ」異動させるあたりもあざといと思いますが、アルボンはリスキーながら気合充分の追い抜きをみせる面白いドライバーの一人だと思っています。リザーブならば、いざという時にまたF1のシートに座れる最有力候補なわけですから、先程も書いたように諦めずに食らい付いていてほしいなと思っています。あと偏りの大きいところではウィリアムズのラティフィが1勝となっていますが、これはラッセルがメルセデスにアルバイトに出た際の代役エイトケンに勝った時のものであるため、実質ラッセルには1勝もできなかったという辛い事実もあります。ラティフィは来シーズンもチャンスはありますから、ラッセルから一つでも多く速さで上回れるように頑張ってほしいですね。

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何とか予選編をまとめました。予選があるということは、決勝編もやります!間に合わせます!

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