先週のバーレーンGPが終わった直後、様々な出来事が慌ただしく行われましたね。決勝に大クラッシュをしたグロージャンの欠場。それに伴う代走はリザーブのフィッティパルディが勤めることとなり、優勝者のハミルトンはまさかのCOVID-19の陽性反応により欠場。代役としてウィリアムズをドライブするラッセルが起用され、その空くシートにはJ・エイトケンが座ることとなりました。
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メルセデスの限定黒を身にまとうラッセル。どことなく貫禄と自信に満ちあふれるようにみえます。ラッセルは確かにメルセデスの育成選手ではありますが、リザーブドライバーは別途いました。
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形無し。。リザーブって何のためにあるんだろ。ラッセルは今シーズンに入り、Q2進出も増え、ようやく真価を発揮すると期待された若手の一人です。これまで入賞は一度もありませんが、予選は特に「チームメイトに負けない」一発の速さが実証されています。このスポット昇格とはいえ「チームメイトに負けない」をいきなりやってのける飛躍のレースになるかもしれませんね。キング不在でも、キング不在だからこそ、このレースは各ドライバーが盛り上げ、チャンスを掴まなければなりません。
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《バーレーンGPの基本情報》
 バーレーン国際サーキット(アウタートラック)
  全長           :3.543m×87周=計308.241km
  開催回数 :17回目
  コーナー数:11箇所
  高低差       :19.2m
  DRS区間数:2箇所
  母国レース :無し

《アウタートラックの個人的印象》
 ・アウターのターン6はバンピー
 ・予選Q1は大渋滞か?!
 ・87周レースは目が回りそう
 ・パッシングポイントは限られている?!

初開催となるアウタートラックを使用したレースです。レイアウト自体は先日のバーレーンGPで使用した「GPトラック」と2010年シーズンに限って使用された「耐久トラック」でほぼ構成されており、これを短絡的に結んでいるのが今回の「アウター(外側)トラック」となるわけです。2010年のレースはまだ記憶に新しく、また先日のこのブログでもこの3月に「過去のレース」で取り扱いましたので、覚えている方も多いと思います。「一周で1分を切る」だとか「超高速レイアウト」「F1で久々のオーバルレイアウト」などという事前報道を多くみかけますが、それよりも「ターン6」にあたるアウター区間は非常にバンピーであると不評をかってF1で廃止された過去があることも忘れてはなりません。また一周が1分を切るというところで「速い(早い)」だけでなく、予選Q1は最大20台がタイムアタックを行うことを考えると、トラックは混み合いクリアラップを獲得するのに困難を極めることの方が重要かつ不安要素に感じます。余談ですが、今回のサクヒールGPはバーレーンGPの時よりも3時間遅れて行われますので、完全なナイトレース、日本からの観戦はちょっと辛い時間帯になるのも我々日本のファンとして覚悟しておかなればならない点ですね。一周距離が短い=規定距離をこなすには相当クルクル周回しなければならない。ドライバーも我々視聴者も目が回らなくなり、催眠効果が出ないレースになればいいなと思っています。
アウタートラックは短絡化されたことでコーナー数は11まで減ることになります。バーレーン国際サーキットは右回り(時計回り)で行われ、そのうち右ターンが8つ、左ターンはターン2,5,7の3つにまで減ります。またGPトラックでは4本有していたストレートは3つに減り、必然的にDRS区間も3つから2つに減ります。近年はDRSがあって追い抜きを可能としてきましたが、急減速を必要とするコーナーも減りますから、追い抜きについてはGPトラックと少し勝手が変わってくると思います。

《過去5年のポールポジション》(タイムは参考)
 2020年-1 ハミルトン(メルセデス)
     1分27秒264
 2019年    ルクレール(フェラーリ)
     1分27秒866
 2018年    ベッテル (フェラーリ)
     1分27秒958
 2017年    ボッタス (メルセデス)
     1分28秒769
 2016年    ハミルトン(メルセデス)
     1分29秒493
 2015年    ハミルトン(メルセデス)
     1分32秒571

《ポールポジションレコードタイム》(参考)
 2020年-1 ハミルトン(メルセデス)
     1分27秒264(全長5.412km)

《現役ポールポジション獲得者と回数》
 3回 ベッテル (2010★,12★,18)
   ハミルトン(2015★,16,20-1★)
 1回 ボッタス (2017)
   ルクレール(2019)

《過去5年の優勝者》
 2020年-1 ハミルトン(メルセデス)
 2019年    ハミルトン(メルセデス)
 2018年    ベッテル (フェラーリ)
 2017年    ベッテル (フェラーリ)
 2016年    ロズベルグ(メルセデス)
 2015年    ハミルトン(メルセデス)

《現役歴代優勝者と回数》
 4回 ベッテル (2012★,13★,17,18)
   ハミルトン(2014★,15★,19★,20-1★)

《過去5年のファステストラップ獲得者》 
 2020年-1 フェルスタッペン(レッドブル)
 2019年 ルクレール   (フェラーリ)
 2018年 ボッタス    (メルセデス)
 2017年 ハミルトン   (メルセデス)
 2016年 ロズベルグ   (メルセデス)
 2015年 ライコネン   (フェラーリ)

《現役ファステストラップ獲得者と回数》
 2回 ベッテル    (2012★,13★)
 1回 ライコネン   (2015)
   ハミルトン   (2017★)
   ボッタス    (2018)
   ルクレール   (2019)
   フェルスタッペン(2020-1)

戦績については先日の第15戦バーレーンGPのデータを足して「参考」として掲載しておきます。データはあまり参考になりません。今回キングはいないし、そもそもこのトラックで予選決勝を行ったことがありませんから、得意不得意もほぼ役に立つ情報にはなりません。まだシーズンが終わっていないのに2020年レースに★が付いているのはかなりのレア表記ですね。本来は同じ年で同じサーキットを二度行う事自体が異例ですもんね。

《使用されるタイヤコンパウンド》
 赤:ソフト  (C4)
 黄:ミディアム(C3)
 白:ハード  (C2)

今回のタイヤコンパウンドは前戦バーレーンGPと全く同じ3種が使用されます。インナーエリアが無い替わりに右コーナーの割合が増え、バンピーな高速コーナーが加わったことでバーレーンGP時と異なる状況を生むことになりそうですね。新しいレイアウトにドライバー変更を伴うサクヒールGP。いつも以上に未知数要素が多く予想は困難を極めますが、限られた情報と拙い知識、そして淡い期待を込めつつ、以下のような予想を立てました。

《サクヒールGPの個人的予選予想》
〜Q1〜
 20.エイトケン    (ウィリアムズ)
 19.フィッティパルディ(ハース)
 18.ラティフィ    (ウィリアムズ)
 17.マグヌッセン   (ハース)
 16.ジョビナッツィ  (アルファロメオ)
〜Q2〜
 15.ライコネン    (アルファロメオ)
 14.ルクレール    (フェラーリ)
 13.ベッテル     (フェラーリ)
 12.ノリス      (マクラーレン)
 11.サインツ     (マクラーレン)
〜Q3〜
 10.ガスリー     (アルファタウリ)
   9.クビアト     (アルファタウリ)
   8.ストロール    (レーシングポイント)
   7.リカルド     (ルノー)
   6.アルボン     (レッドブル)
   5.オコン      (ルノー)
   4.ペレス      (レーシングポイント)
   3.ボッタス     (メルセデス)
   2.フェルスタッペン (レッドブル)
  P.P.ラッセル     (メルセデス)

トップ10を少しかき回してみました。絶好のチャンスを得た我慢の期待ラッセルが今までの鬱憤を晴らすかの如くポールポジションを涼しげな顔してかっさらう。見てみたくないですか?!期待したくなりますよね!それでは立場無いボッタスは安定のフェルスタッペンとの僅差バトルに敗れて3番手に散る。残酷な評価かもしれないけど、最近のボッタスに期待しにくい。そんな三強に続くのは堅調のペレス、さらにひょんな時に速さをみせるオコンを引き上げてみました。この予選もホンダ系4台は何とかQ3に全ノミネートされると思います。ある方が渋滞に巻き込まれたりしてしくじらなければ、ですが(笑)
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バーレーンGPや次戦最終戦のアブダビGPと比べて、将来はなかなか活用し難いデータと内容の予選決勝になってしまうでしょうが、今シーズンは「異例」の多い年。今シーズン最後の異例でどう記憶に残るか、深夜まで待ち遠しいです。

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