
先日の第13戦エミリア・ロマーニャGPで無事にメルセデスによる7年連続コンストラクターズチャンピオンが確定しました。F1史に残る快挙です。後に残されるのはドライバーズチャンピオンの方ですね。毎年この時期に恒例となっている「チャンピオン獲得のゆくえ」大方の予想はついていると思いますが、第13戦時点のドライバーズチャンピオンランキングトップ3を確認しておきましょう。
《第13戦終了時点のポイントランキング》
1 282pts ハミルトン (メルセデス・M)
2 197pts ボッタス (メルセデス・M)
3 162pts フェルスタッペン(レッドブル・H)
ハミルトンがシーズン9勝と6回のファステストラップポイントを獲得して一人200ポイント台後半となる282ポイントでトップ。ハミルトンの相方ボッタスは2勝と2回のファステストラップポイントにより197ポイント。3位は優勝1回ファステスト2回を獲得したフェルスタッペンが162ポイントとなっています。完全にハミルトンが突出していますね。グラフに印してみるとより歴然とします。

ボッタスやフェルスタッペンは数回のノーポイントレースがあったことでグラフが何回か真横にシフトしてしまっていますが、ハミルトンについては表彰台を2回取り損ねながらもノーポイントに終わるレースはなく、着実にポイントを獲得しつづけて今に至ります。これがハミルトン、チャンピオンを獲得する者の一番の強みです。
今後のドライバーズチャンピオンの行方ですが、残り4レースが予定されており、1レースで獲得可能ポイントは優勝の25ポイント、さらにファステストラップポイント1ポイントも獲得した26ポイント。4レース最大で104ポイントが可能です。ということは、数字上チャンピオンの権利を有している者はハミルトンとボッタスの2人に絞られます。22歳のフェルスタッペンの「最年少チャンピオン獲得」はリタイヤに終わった第13戦終了時点で完全に潰えることとなりました。ノーポイントに終わったレースが寿命を早めてしまいました。残されたハミルトンとボッタスのチャンピオン獲得について、今後どんなケースが想定されているか、どんなケースが必要とされているのかをこれからみていきます。
《上位3人の獲得ポイント可能性》

こちらは残る4戦で獲得可能なポイントの範囲をグラフ化しています。最終戦アブダビGPまではあと4戦、個人最大で104ポイントを獲得できる可能性があります。ハミルトンは赤、ボッタスを青、フェルスタッペンをオレンジでその領域を示しました。ハミルトンは今後最大で386ポイントに達する可能性があり、ボッタスは最大で301ポイント、フェルスタッペンが266ポイントとなります。
先程書いたようにハミルトンが獲得できる赤い範囲とフェルスタッペンのオレンジの範囲が重なりません。そのことからハミルトンが以降4戦について、仮に全ノーポイントで終わり、フェルスタッペンが全て最大ポイントを獲得したとしても、第13戦終了時点の確定ポイントにすら到達しないため、フェルスタッペンが候補から完全に外れたことが分かります。

最大301ポイント獲得が可能なボッタスは領域こそ狭くなりますが、まだ微かにハミルトンを上回れる余地が残っています。ただボッタスからみて苦しいのは「自力(ハミルトンの結果によらない)チャンピオン獲得」の可能性を既に有していないということです。例えボッタスが満点の104ポイントを獲得し、301ポイントに達しても、グラフにあるようにハミルトンが2位以下のポイントを獲得する可能性が残されているためです。ボッタスが大々逆転チャンピオンを獲得するためにはどんなシチュエーションが残されているのでしょうか。
《チャンピオン確定までのシチュエーション》
繰り返しになりますが、第13戦終了時点のハミルトンとボッタスの差は85ポイントであり、ボッタスが残り最大で獲得できるのは104ポイントとなるので、最大で獲得した場合の差は19です。ハミルトンが残り4戦で19ポイントを加算すると301ポイントで並びますが、同ポイントの場合は「優勝した数の多い者」が優先されますから、たった2勝のボッタスが9勝のハミルトンには敵いません。よって、ボッタスがチャンピオンになれる可能性は「4戦全てで優勝とファステストラップポイントを獲得し、かつハミルトンが18ポイント以下に止まった場合」に絞られます。4戦でたったの18ポイントって、、それもハミルトンですからね、、。まあこうなってしまったのはハミルトンのすごさだけでなく、ボッタス自身の腕や運が導いてしまったわけで、、。自業自得ちゃ自業自得。ボッタスがチャンピオンを獲得する可能性については、勝つ以外に選択肢の無いボッタスがどうこうするよりかは「ハミルトンがどうなった場合」をみた方が単純明快。第14戦トルコGPを例として以下にそのケースを挙げます。
・ハミルトンが第14戦で優勝
→307ポイントに到達。ハミルトンに決定
・ハミルトンが第14戦で2位+ファステスト
→301ポイントに到達。ハミルトンに決定
・ハミルトンが第14戦で3位以下
→第15戦以降に持ち越しもボッタスの結果次第
要はハミルトンが19ポイント獲得するまではボッタスに微かなチャンスがあるわけですが、1レースで19ポイントに達する上記二例をやられた瞬間にハミルトンの7回目のチャンピオンが決まります。特に最近のハミルトンは「優勝+ファステストラップ獲得」という完膚無きまでのレースを行います。グラフの例にある通り、第13戦のような勝ち方をすれば最多得点の26ポイントを加算し、308ポイントを獲得してしまう勢いと強さを持っていますから、ボッタスは非常に苦しい立場となりました。

今回はボッタス目線で話を進めてきました。十中八九、今シーズンもハミルトンで決まりでしょうし、結果からみても異論の無い内容となっています。今年に入って間もない時期に書きましたが、最多勝も最多表彰台も最多入賞も無事に更新して、チャンピオン獲得数もM・シューマッハの7回に並ぶ日はそう遠くないでしょう。
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コメント
コメント一覧 (4)
優勝+FL1 8位+FL1
(26×4+197) (5×4+282)
計算してみたけどボッタスが4選全て優勝しても
ハミルトンが8位とFLポイントを 取ったらチャンピオンになる
こんばんは。コメントありがとうございます。
そうなんですよね。ハミルトンはあと19ポイント
獲れば301ポイントに達しますから、
ボッタスが死ぬ気で改心して会心の結果を残しても
ハミルトンは8位4回とファステスト3回で
チャンピオンです。
断言はしちゃいけないけど、ほぼほぼ、、でしょう。
たらればですがイギリスGPとアイフェルGPを2位で終えていたとしても49ポイント差。
その場合ハミルトンは55ポイント取ればいいわけですから必要なのは3位2回、4位2回+ファステストか、3位3回、5位1回。
上記の2レースはボッタスがトラブルに見舞われなくても、勝てる展開ではなかったので2位と仮定しましたが、結局今年もハミルトンですね。
こんばんは。ボッタスは本当に、、、ですね(笑)
速さは、ある。速さ「だけ」はあるのですが、
速さだけ。勝負強さが無い。人がいいんでしょうね。
せっかくチャンピオンを獲得できる車に乗るのに、
「それ以上の何か」を持つか持たないかも、
チャンピオンに必要な資質です。
まだ気が早いですが、来シーズンに期待しましょう。
(毎年同じ言葉で締め括っている気がします)