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今シーズンは全17戦で争われることが決まったため、先日の第9戦トスカーナGPがシーズンのちょうど折り返しとなります。次戦第10戦ロシアGPまで一週空きますので、このタイミングで前半レースを振り返りたいと思います。今回は予選編です。

《ポールポジション獲得者》9/21追記
 第1戦 ボッタス (メルセデス・M)
 第2戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第3戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第4戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第5戦 ボッタス (メルセデス・M)
 第6戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第7戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第8戦 ハミルトン(メルセデス・M)
 第9戦 ハミルトン(メルセデス・M)

記事アップ時は記載するまでもないかなと省略していましたが、一応シーズンの振り返りには残した方がいいと思い立ち、追記しました。
前半9戦のポールポジションは全てメルセデスによるものです。予選はメルセデスだけのためにあるわけではない、と声を大にして言いたいのですが、速いので仕方がありません。第8戦イタリアGPから「予選モード禁止」(決勝も同じエンジンモードを使用しなければならない)が導入されたものの、臆することなく最速神話は覆りませんでした。惜しいのが無かったわけではないけど、メルセデスが確実に獲ってきました。内訳はハミルトンが7つ、ボッタスが2つであり、この後出てくる「チーム内対決」の結果にそのまま直結しています。ポールを獲ったモン勝ち。明瞭!

《予選最速タイムと各チームの差》
いつものまとめ回と同様に、予選後に毎回速報版の「最速タイムと各チームの差」を0.001秒単位で整理しグラフ化したものになります。各チームのカラーリングもmiyabikunの独断と偏見で選んでいます。メルセデスについてはシルバーとエメラルドグリーンで定着していたものを今シーズンは急遽ブラックに変更してきました。メルセデスが「一番ブラック」ではあるのですが、ブラックはいつものハースに譲り、今までのまま同じエメラルドグリーンを使いましたので結果的に昨年と色は変えていません。
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各GPのポールタイム(一部予選最速タイム)を基点とし、遅れ具合をプロット。それをチーム単位で結んでいます。同じサーキットを使ったGPが2箇所ありつつも、ウェットコンディションであったり、タイヤコンパウンドに違いがあったこともあり、イイ感じにデコボコした波形となりました。最速タイム=メルセデスのため、単純に「メルセデスとの差」としてみることができます。
昨年のシーズン1/3まとめ(2019/6/17掲載)と比較してみると、行われるGPに違いはあれど、絶対的テールエンダーの地位にいた水色のウィリアムズが今シーズン前半は「完全なる」テールエンダーではなくなりました。レッドブルリンクでの第2戦シュタイアーマルクGPの1.811秒遅れから第8戦イタリアGPの2.7秒遅れの0.9秒間におさまるタイムを刻めています。先日8/25に「一年でどれだけ速くなったか」と題し、同一サーキットでの割合比較をしており、そちらの方が分かりやすいのですが、昨年3.0〜4.5秒遅れが当たり前であったシーズン序盤と比べて劇的な飛躍をみせていることがわかります。特にエースのラッセルはチームメイトに一度も負けることなく、Q2に進出し続ける頑張りをみせていますよね。シーズン前半のテールエンダーはワインレッドのアルファロメオや黒のハースにバトンタッチされました。グラフ全体を眺めていくと、最速無敵のメルセデスに続く2番手は完全にレッドブル(というよりフェルスタッペン)が定着しましたね。結局前半9戦全てでメルセデスが最速を獲ったわけですが、雨の第2戦Q2はトップタイムのハミルトンまで0.113秒差まで詰め寄りました。一方で昨年の2番手チームはというと、確か紅色の、、ライバルに呑み込まれて、何番手か分からないくらい混戦のタイム差をつけられるまで離されています。特に昨年最速を誇ったベルギー、イタリアの両パワーサーキットにおけるタイム差は大きく、ベルギーGPはハース、アルファロメオ共々ライバルに大きく引き離されました。
今シーズンの大飛躍といえば、前評判通りのレーシングポイントでしょう。テクニカルなハンガリーと70周年記念GPでメルセデスから0.9秒落ちとはいえ二番時計をマークしました。ひとえに「メルセデスからの恩恵」と合わせて、ストロールの成長と代走ヒュルケンベルグの活躍を評価したいですね。他、昨シーズンに引き続きマクラーレンの安定感と速さをウリとするルノーについてもフェラーリを食う走りができています。
本来タイム差は「サーキットの全長や特性」に左右されるため、比較はナンセンスです。そこで最速タイムを100%とした割合に換算し、グラフ化してみました。image
あまり見た目上タイムグラフと変わり映え無く、順位こそ変わりませんが、こんな見栄えになります。第8戦イタリアGPから「予選モード禁止」となりました。そこで参考までにタイム差、割合共に目立たない程度に薄緑色で強調しています。エンジンメーカーで差が出るのかなと思ったのですが、これらグラフからその様子はうかがえませんでした。兎にも角にも、メルセデスはライバルから頭一つ出た最速であったということを知らしめられます。

《予選平均順位》
次はドライバー別の予選平均順位です。レーシンポイントのペレスはイギリス二連戦で欠場していますので参戦した7戦の平均を、代走のヒュルケンベルグは2戦の平均となり若干アンフェアではありますが、ペナルティ降格前の予選順位を平均化して低い順に並べるとこうなります。image
参考までにQ1落ちに相当する15位とQ2落ちに相当する10位破線を入れてみました。ハミルトンは9戦中ポールポジション7回、2番手2回(1回は5番手降格スタート)の好成績で唯一の1位台となっています。相方ボッタスはポールポジション2回を獲得して平均は2位ちょうどということで、予選は完全にメルセデスが制しました。昨年序盤はフェラーリにもポールポジションがあったため、ここまで高い水準には達していませんでしたので、今シーズンのメルセデスはまさに敵無し状態。3番手が多かったフェルスタッペンは何とかそのまま3位台を死守する形で、これも大方予想通りかと思います。
問題はそれより下。メルセデスとフェルスタッペンが上位を占めたこともあり、第2グループに位置するレーシングポイント、マクラーレン、ルノーらドライバー8人が7位台から8位台中盤までで大混戦となっています。ここまでがQ3進出常連クラスです。特にレーシングポイントとマクラーレンはいい勝負をしてくれていましたね。ペレスと大差がつくと思われたストロールも第3戦ハンガリーGPに3番手を獲得して非常に頑張りました。
その次のオコンからクビアトの4人(もしくはラッセルも含めた5人)のグループはQ2クラスです。平均8.44位のルクレールに対して、ベッテルの今シーズン前半戦はいいところを全く見せることができず、腐りに腐り切った平均11.56位に沈んでいます。マシンの不出来もさることながら、ベッテル自身の「やる気、意気込み」も感じられなかったように思います。Q2にちょこちょこ顔を覗かせたウィリアムズのラッセルは平均15.67位となりました。昨シーズン1/3期は平均18.71位だったことから考えれば、喜ばしい内容ですね。
アルファロメオのライコネンを先頭とした下位5人はQ1敗退常連でシーズン前半を終えています。新人のラティフィを除く4人は見事にフェラーリパワーユニット使用車です。フェラーリは平均にすると一つ前のグループに踏みとどまったものの、ベッテルは第8戦イタリアGPでライコネンに、第9戦トスカーナGPはライコネンとハース2台に上回れているわけですから「ワークスだから」といって安心していられる状況でもありませんね。まあベッテルについては先述の「やる気」の点で後押しとなる何かが欠けていそうですが。
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コンストラクター別の平均順位になります。いわばこれが「速さ」という点の勢力図と言っていい気がします。メルセデスが完全な一人旅、ドライバー2人のポールポジション争奪戦となっており、レッドブルもチーム単位でみればレーシングポイントやマクラーレンに詰め寄られている状況です。これはアルボンがフェルスタッペンから離されて、レーシングポイントとマクラーレンに先行されているためです。毎度ながら決勝ではアグレッシブな走りをみせるアルボンですが、予選時点で格差が付き過ぎです。予選をフェルスタッペンに近い位置で終えることができるようになれば、アルボンはもっと表彰台登壇が楽になるはずです。
フェラーリの前半戦はルノーとアルファタウリに挟まれた平均順位10位ちょうどの6番手チームに終わりました。残念だけど今シーズンは完全な不発。早期なドライバーラインナップ確定と合わせて、気持ちは来シーズン以降の飛躍に向けて準備をし始めていい気がします。
下位の3チームも実に拮抗しています。この後またチーム内対決で明らかにしていますが、テールエンダーから脱したウィリアムズはラッセルの健闘をラティフィで帳消しにする形でハースに負けてしまいました。ラティフィは新人とはいえ9戦を経験し、F1マシンや予選に慣れてきたはずですから、シーズン後半でハースやアルファロメオに上回る走りができる可能性を秘めています。アルファロメオのシーズン序盤こそジョビナッツィが先行する予選が続いたものの、高速連戦に入れば結局ライコネンに上回られ、チーム順位は最下位に転落しました。チャンピオン経験者をもってしても、大苦戦を強いられています。

《予選チーム内対決》
予選まとめの最後は「チーム内バトル」です。左手のファーストドライバー、右手のセカンドドライバーの分けはmiyabikunの独断で決めさせて頂きました。ペナルティ降格を無視、順位がはっきり表れるため、引き分けはありません。
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チーム内格差が大きかったのはレッドブルとウィリアムズが9対0、ルノーが8対1、メルセデスとフェラーリとアルファタウリが7対2となっています。まず9対0についてウィリアムズはともかくレッドブルはちょっといただけませんね。単に順位上負けているだけならばまだしも、先程みたようにフェルスタッペンとアルボンの予選に開きがあることがマズい。コンストラクターズランキングは単独の2位につけてはいますが、マクラーレンはダブルでポイントを得るポテンシャルを兼ね備えていますので、レッドブルにありがちな「一台リタイヤ」をやらかした日にはシーズン終了時に痛い思いをしかねません。メルセデスの7対2についてはポールポジションか2位かの差の勝敗ではあるものの、一昔前のF1であれば問題になるものではなく、決勝のレースペースやピット戦略でリカバーできる話。でも現代のF1は違います。ましてや前にハミルトンが立てば、ボッタスにはやり返すポテンシャルがありません。ボッタスがハミルトンを打ち負かすには「予選から常に前に立つこと」が絶対条件です。
逆にチーム内で拮抗しているのはマクラーレンやアルファロメオ、ハースの3チームが5対4となっています。面白い点として「平均順位も拮抗している」こと。マクラーレンは来シーズンにフェラーリへの移籍を決めたサインツに食らい付く若手ノリスの健闘が光ります。決勝については後日改めてみていく予定としていますが、ノリスは開幕戦で初の表彰台も獲得し、ドライバーズランキングについてはサインツをも上回る4位につけています。観ていて非常に面白いチームに成長しています。またいよいよ最年長もココまでかという印象で始まったアルファロメオのライコネンも、9戦終えてジョビナッツィに勝ち越しています。本来はこんな位置で争っていていいドライバーではないのですが、年齢は10歳以上離れています。最高峰カテゴリーの過酷な状況下で若手に屈することなく戦う姿には同世代として頭が下がります。ハースは、、何にしても「仲良し」ですね(笑)よく似た2人で予選、決勝関わらず今シーズンもネタをしっかりとぶち込んでくるあたりが憎めません。

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全てのドライバー、チームの細かな分析には至りませんが、ひとまず予選に的を絞って整理してみました。次回は決勝についてみていきたいと思います。

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