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7月から始まった2020年シーズン、ドライバーをはじめチーム関係者や運営の方々、そして我々ファンも転戦連戦お疲れ様でした。このタイミングを使い、2回に分けて2020年シーズンを振り返っています。今回は「決勝編」と題して各データをまとめましたのでご覧下さい。

《優勝者》
 第1戦 ボッタス    (メルセデス・M)
 第2戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 第3戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 第4戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 第5戦 フェルスタッペン(レッドブル・H)
 第6戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 第7戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 第8戦 ガスリー    (アルファタウリ・H)
 第9戦 ハミルトン   (メルセデス・M)

前半9戦の優勝者一覧です。予選は見事なまでの「メルセデス祭り」ですので決勝もそうなっちゃうのかなと思いきや「全戦優勝」は避けられた形となりました。優勝の内訳はハミルトンが6勝で勝率は66.7%。ほか第1戦オーストリアGPのボッタス、第5戦の70周年記念GPはフェルスタッペン、そして大波乱で運の要素が強い第8戦イタリアGPで初優勝を挙げたアルファタウリのガスリーが1勝と、勝率はそれぞれ11.1%。3人を束ねてもハミルトン1人に敵いません。メルセデスの速さは予想できたけど、まさかここまでハミルトンに偏るとは。スポーツにあまり運やタラレバを言ってはいけないけど、ハミルトンは第4戦イギリスGPのタイヤバーストを逃げ切るという強運も持ち合わせていました。何かと記録更新の可能性を秘める今シーズンも相変わらず手強いし、堅実ですね。ちなみにパワーユニット別に優勝をみるとメルセデス系が7勝の77.8%、ホンダ系が2勝の22.2%となり、ルノー系とフェラーリ系2社の優勝はありません。

《決勝平均順位》
予選と同様の色遣いで決勝順位を平均化してグラフにしています。毎年毎回恒例のヤツですので、算定方法はご承知頂いているかと思いますが、決勝リタイヤは自爆やもらい事故関係無く「20位扱い」としていますので、印象よりも低めの値を示す場合もあります。たださすがに2戦欠場を強いられたレーシングポイントのペレスを「2戦リタイヤ」とするのは可哀想なので7戦の平均値としましたが、代走ヒュルケンベルグの第4戦イギリスGPの「スタートできず」は申し訳ないのですがリタイヤとしました。恨むならmiyabikunではなくチームを恨んで下さい(笑)まずはドライバー単位です。image
予選で平均1.22位を叩き出したハミルトンは2.11位に順位を落としています。ポールポジションからは1位を保たない以外は順位が下がる、こればかりはキングとはいえ仕方が無い。7位に沈んだ第8戦イタリアGPが荒れなければ、もう少し高い位置をいっていた可能性はありました。ところがこれよりも2位につけるボッタスの方はそうも言っていられません。予選は平均2位ちょうどだったものが、決勝で3.56位に下がる。これはすなわち「決勝で順位を落とす=ライバルよりポイントを稼げない」ことを意味します。もちろんココでの最大のライバルといえば、ほかでも無いチームメイトのハミルトンです。つまりこんな内容でレースを続けていても、永久にチャンピオンにはなれません。ボッタスも充分に速いドライバーですし、自身は頑張っているのでしょうが、もっと頑張らないとなれない。同じ時代、同じチームにハミルトンがいたのは運が悪かったとしか言えませんね。
平均順位3位は優勝や表彰台を重ねるフェルスタッペンでも、フェラーリに移籍を決めたサインツ先輩でもなく、後輩の最年少ノリスくんでした。早くも念願の表彰台を獲得し、予選の速さもさることながら、決勝も果敢に上位を獲ってきます。前半9戦でリタイヤは無く、第3戦ハンガリーGPの13位完走以外は全て入賞圏内に入れてきます。ちょっと不思議な結果になったのは平均8.11位に終わったフェルスタッペンでしょうか。あれだけ安定した予選3番手と全ての順位の表彰台に登壇しているのに、アルボンに負けています。これは9戦中3レースでリタイヤをかましてしまい「miyabikun式算出法」のイタズラによるものです。表彰台かリタイヤかの白黒はっきりした内容だと不利に働きます。リタイヤはフェルスタッペン起因というよりかはアクシデントがほとんどなため、本人としてもやり切れない気持ちになるでしょう。
平均順位結果全体を眺めると、ボッタスまでが表彰台確実範囲。9.11位で8番目につけるストロールまでが入賞確実圏内。他それ以下という分類ができます。10.78位のサインツから12位ちょうどのベッテルあたりが混戦で、残り2枠の入賞を取り合う感じとなっています。フェラーリ2人は揃いも揃ってこの集団に呑み込まれてしまいました。ルノーのオコンやアルファタウリ2人はいつでも入賞を狙ってきますので、今シーズンのフェラーリはそのあたりがガチのライバルと言えます。image
続いてチーム単位の平均順位になります。予選編と同様にシーズンのパワーバランス、コンストラクターズ順位に直結してくる指標となります。予選編以上にメルセデスが鉄壁の表彰台確実圏内に鎮座し、2番手チームのレッドブルと大きな差を築いています。本来であればこの間にフェラーリが入り込むのが近年の流れであったのですが、今シーズンはそれがなく、レーシングポイントやマクラーレン、ルノーといった中団チームにシェアする形となりました。レッドブルも実のところそれらライバルに迫られていますので、安泰とは言い難い位置です。マクラーレンの堅調は昨シーズンからも感じ取れていましたので大した驚きではありません。しかし「メルセデスのコピー」と揶揄されたレーシングポイントは「周囲の予想を裏切らない」速さで予選のみならず決勝でも切れ味と粘りのある走りをみせてくれています。中でもストロールが非常に成長し「下手クソなお坊ちゃま」から脱却して第8戦イタリアGPで二度目の表彰台に登壇しています。
どうしても目がいく「フェラーリの行方」は上から7番目、下から4番目で一応「ワークスチームの意地」はみせています。ただフェラーリにとって最重要GPとされるイタリアGPとムジェロでのトスカーナGPではリタイヤもあってハースやアルファロメオの後塵を拝するレースをしてしまっています。予選ではセットアップが決まらず速さが無いため中団に沈み、決勝は中団スタートが仇となってアクシデントに巻き込まれたり追い抜きが困難と、近年稀にみる不作のシーズンであることが早い段階から露呈されました。

《決勝走行周回数》
予選は「一発の速さ」があればいいし、決勝に向けていいスタート位置を得ることが目的。決勝は速さはさることながら、いかにライバルとの位置関係や戦略を駆使して規定された周回数をこなす「賢さと安定感」が求められます。スポンサーからの支援を受けてF1は成り立っているので、例え遅くてもパワーが無くても走ってナンボ。こちらもドライバー別からみていきましょう。
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この前半9戦は全てを完走すると538周となります。メルセデス2台だけが優勝しようが表彰台圏外になろうが全完走を果たしています。周回遅れもありません。急遽銀のカラーリングが黒になってもメルセデスはメルセデスですね。メルセデスに次いだのは決勝最終盤まで攻めの走りをして一つでも前で入賞を目指すノリスが2周足らずの536周でした。第3戦ハンガリーGPの13位、第6戦スペインGPの10位入賞がそれぞれ1周遅れとなっています。この後みるドライバーズランキングでも先輩サインツの上をいっていますし、この若手、将来が本当に楽しみです。
ほか、上位には予選でチームメイトとの開きがあるだとかパッシングがアグレッシブ過ぎだとかもう一度降格させるぞ、なんて叩かれがちなレッドブルのアルボンが消化率99.1%の533周。戦闘力はまるで無いクソ遅マシンと自らの老体にムチを打ちつつ健闘するアルファロメオのライコネンが消化率95.7%の515周。あといつもどこを走っているのかよくわからないけど、デカいネタは相方に比べたら控えめ、ポイントもお決まりの控えめハースのグロージャンも何気に511周走破しています。
近年はマシントラブルによるリタイヤはだいぶ少なくなりました。しかし今シーズンはタイヤバーストにスタートや再スタート直後の接触が多く、セーフティカーの出番も多い印象です。セーフティカーが出れば、長いレース中に拡がる隊列やタイム差もリセットされるため、入賞は逃しても周回遅れは免れるケースが出てきます。よって、その状況下でも周回をこなせないドライバーは「そのセーフティカーを呼ぶきっかけやそれに巻き込まれた者」や「スタート直後やレース序盤で大クラッシュした者」になります。繰り返しになりますが、中団スタートになれば、スタート直後の混乱に巻き込まれがちですし、無理なパッシングを仕掛ければ、自らの位置や寿命を早めてしまうこともありますから、予選でいかに前でスタートできるか、また抜き辛いマシンで抜き辛いサーキットやコーナーで抜けるタイミングを見計らうことができるかが現代F1の必須要求です。image
チーム別の周回数になります。各チーム2人でエントリーしていますから、周回数は倍です。メルセデスは当然チーム単位でも満点で2位のマクラーレンに対して100周引き離しています。こんなこと言っちゃいけないんだけど、速さも強さも距離も全てにおいてメルセデスが他との次元が違い過ぎて逆に目立ちます。メルセデスが仮にいなければ、もう少し見応えや盛り上がりのあるカテゴリーになると思うのですが、、これがスポーツだしメルセデスが頑張っている賜物ですから、間違えたことは全くしていませんね。それにしても、一時期は最大のライバルと言われたフェラーリが消化率77.2%の831周のビリですからね。レースの3/4程度しか走れないし、その上遅いでは後半戦もお先真っ暗です。ただフェラーリ様はF1における最重要チームですから、こんな順位や仕事量であっても、これらライバル達よりも分配金はたんまり貰えます。これがミスターF1ことフェラーリなのです。

《ファステストラップ獲得者》
 第1戦 ノリス     (マクラーレン・R)71/71周
 第2戦 サインツ    (マクラーレン・R)68/71周
 第3戦 ハミルトン   (メルセデス・M)70/70周
 第4戦 フェルスタッペン(レッドブル・H)52/52周
 第5戦 ハミルトン   (メルセデス・M)43/52周
 第6戦 ボッタス    (メルセデス・M)66/66周
 第7戦 リカルド    (ルノー・R)  44/44周
 第8戦 ハミルトン   (メルセデス・M)34/53周
 第9戦 ハミルトン   (メルセデス・M)58/59周

パソコンやタブレットでご覧頂いている方は違和感が無いかもしれませんが、スマートフォンからご覧になる方は変に改行されて見辛いかもしれません。ごめんなさい。こうなる理由は今回に限らず「フェルスタッペンの名が長いから」(笑)ファーストネームの「マックス」にすれば解決するのですが、ファーストネームはmiyabikunこのブログで基本的に使いません。 文中ではキングだクソガキだおっちゃんだのと変なあだ名をつけたり、一時期変則的に「フェルスタ」と略したこともありましたが、ダサいので止めました。miyabikunの変なこだわり。
入賞圏内フィニッシュで1ポイント得られるシステムとなる2年目。今までもこの制度には異論と不満を述べてきたわけですが、今シーズンも取り組み方としては変わりませんね。特にメルセデスあたりがレースに余裕が出ると、遊び半分で狙い出すところが何とも気に食わない(笑)タイミングもガソリンが軽く、レースに決着がつきつつある最終盤で記録されるのがセオリーになっています。
メルセデス以外の獲得者をみると、序盤のレッドブルリンクでの二連戦ではマクラーレンの2人、第4戦イギリスGPではフェルスタッペン、第7戦ベルギーGPはルノーのリカルドが最終周でマークしました。ルノーはストレートが長いパワーサーキットにおいて速さをみせてきました。リカルドはチームに「来シーズンの復調」なる餞別を渡していけるのか。

《決勝チーム内対決》
予選と同じく、決勝も「チーム内対決」させてみましょう。決勝は予選には無い「リタイヤ」が存在するため、チームの両ドライバーがリタイヤした場合は「イーブン」の判定でグラフ中央にその数を示すようにしました。
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チーム内格差が出たのはメルセデス、ルノー、アルファロメオが7対2。レッドブル、マクラーレン、レーシングポイント、ウィリアムズが6対3となりました。メルセデスはさっき散々ディスったし、ルノーの勝者リカルドは来シーズン移籍してしまうのでいいとして、アルファロメオは一言言っておきましょう。観戦記でも口癖の如く繰り返し書いてきましたが、ジョビナッツィはとにかく「下手クソ」です。マシンが遅いとかまだ経験が浅いとか、相方がライコネンでは厳しいとかではなく、単に下手クソ。以上!(笑)ルノーのオコンも久々の本戦走行となりましたが、前回はもう少し攻めと粘りのある走りができていました。来シーズンは後輩としてアロンソが加入します。かなり手強いチームメイトですので、今のうちにリカルドのいいところを沢山盗んでおきましょう。
特筆すべきはレーシングポイントのストロールの9戦6勝が光ります。途中ペレスが離脱してベテランの代走ヒュルケンベルグとの対決をものともせず、チームの飛躍にしっかり貢献していますね。速いマシンは乗っていて楽しいと思います。来シーズンはオコン同様に手強い後輩の加入が決まりました。チーム内に味方も多いし、活躍する同世代の中に混ざってより成長しましょう。

《ポイントランキング》
最後はF1最大の目的であるポイントランキングです。まだ前半9戦しか終えていないのに、早くもある程度チャンピオン候補者が絞られてきています。今回のドライバーズランキンググラフはトップ3人と4位以下の2段階に分けて作成しました。トップ3人はメルセデスの2人とフェルスタッペンです。ハミルトンが9戦で獲得したポイントは190であり、仮に後半戦であと倍獲得するとするとしたら380ポイントになります。優勝とファステストラップポイントを加算した26ポイントを残り8戦で稼げるのは208ポイント、ということは、チャンピオン争いはこの3人しか挑戦権が残されていないと考えていいと思います。
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第1戦で優勝したボッタスがランキングトップに座ったのは第2戦終了までで、第3戦以降はハンガリーGPで優勝したハミルトンがトップに立ち、さらに優勝を重ねています。ボッタスは第4戦イギリスGPで入賞圏外の11位で終えた以降はフェルスタッペンに抜かれ、前半戦終盤のイタリア二連戦で単独の2位に落ち着きました。フェルスタッペンは第1戦のリタイヤでダッシュにつまずき、2位3位に甘んじたレースが続いた時点でハミルトンとの差が付いてしまい、さらにはイタリア二連戦のリタイヤがかなりの痛手となりました。やる気充分のフェルスタッペンとは裏腹にマシンがついてこないというもどかしさのまま、後半戦の巻き返しに期待が寄せられます。かなり苦しい状態ではあるものの、微かにチャンピオン獲得のチャンスはまだ残っています。image
こちらのグラフは色遣いが複雑で見難いと思います。ごめんなさい。4位以下は「メルセデス以外の残り一枠の表彰台」をかけて熾烈なランキング争いを繰り広げていますね。こちらのグラフは煩雑なため「優勝」「ファステストラップ」の記載は止めました。このグループのトップを走るのはマクラーレンのノリスで65ポイント。ただし第9戦トスカーナGPでようやく初表彰台を獲得したレッドブルのアルボンがハイペースで追い上げてきました。さらには同じく表彰台登壇のストロールがペレス先輩を上回る戦績で侮れません。ライコネンはトスカーナGPでようやく今シーズンようやく初ポイントを獲得したことで、現時点のノーポイントはウィリアムズの2人とハースのグロージャンの3人となっています。グロージャンは走行距離は上位でも、未だ「エンジンがかからず」ですね。image
コンストラクターズポイントグラフは一枚にまとめました。メルセデスはグラフの傾きを変えることなく、ライバル達とは別の次元でひた走っています。レッドブルの行く末はマシンの信頼性と「アルボンの頑張り」にかかっています。今の調子のままが続くとピンクやオレンジに食われてしまう、なんて可能性もゼロではありません。

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予選編に比べて決勝編はボリュームも多く、最後の方は尻すぼみな感じになってしまいましたが、2回に分けて何とか第10戦ロシアGPが始まる前にシーズン前半9戦を振り返ってみました。今後もヨーロッパを主体にロシア、ドイツ、三たびのイタリア、そして中東エリアへと転戦していきます。大筋の勢力図に変化は無いでしょうが、もう何回か番狂わせのGPがあるかもしれませんね。

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