まだスペインには行きません!引き続きメキシコの話題です。これを読んだら急いで大西洋を渡ってスペインに向かいましょうね。
今回は1986年の第15戦に行われたメキシコGPを振り返ります。1970年から16年振りにメキシコGPが復活しました。86年シーズンは先日のハンガリーGPに続く2回目となります。今年の目標としてきた80年代の振り返りも徐々に増えてきましたね。この調子で最新のレースに併せ、少しずつ過去も遡れたらいいなと思っています。全16戦のうちの第15戦ともなると、チャンピオン争いも佳境を迎えます。マンセルが5勝、ピケが4勝を挙げ、合わせてウィリアムズ9勝。前年85年のチャンピオンであるマクラーレンのプロストが3勝、そしてロータスのセナが2勝で迎えています。シーズン前半はプロストが防衛に向けて着実に上位フィニッシュを重ねるものの、後半に入るとマンセルやピケが連勝を含む3勝を挙げて巻き返しを図っています。
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予選はセナ、ピケ、マンセルに続いて、トールマンを買収して誕生したベネトンの若手ベルガーが4番手を獲得。四天王の一角を崩すことに成功しています。一方チャンピオンのプロストはブラバムのパトレーゼを挟んだ6番手に沈みました。IMG_4658

《予選結果》
 1 A・セナ  (ロータス・R・GY)
 2 N・ピケ  (ウィリアムズ・H・GY)
 3 N・マンセル(ウィリアムズ・H・GY)
 ※GYはグッドイヤー

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画像中段左、イン側スタート3番手のマンセルに注目下さい。IMG_4660
皆が一斉にスタートする中、ほとんど動いていませんね。1速ギヤに入れ損なって、スタート大失敗!まだチャンピオン争いの最中ですから、これは手痛い出遅れです。マンセルは大事な時にこういうポカがままありました。
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ポールから逃げを図るセナをピケが捉え、その後ろではプロストがベルガーをかわして順位が入れ替わります。

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3位に浮上したプロストをはじめ
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トップのピケ
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2位セナとタイヤ交換を行いにピットに向かいます。これら上位を走行するのは皆グッドイヤータイヤを履くドライバーです。そんな中、ピレリタイヤを履き予選で健闘したベルガーは
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ピットイン無し。このレースはタイヤ交換無しで挑む所存です。トップに浮上します。

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猛追するセナは2度目のピットインでまたベルガーが遠退いていく。ベルガーはステイアウト。逃げろベルガー!
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スタートでチョンボしたマンセルはどうにか4位に甘んじるピケの背後まで盛り返してきました。スタートでしくじらなければ、きっとピケの前も夢ではなかったろうに、もったいない。この日のウィリアムズはちょっぴり不甲斐無い。

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ベルガーは本当にタイヤ交換無しで走り切り、2位プロストに25秒もの差をつけて記念すべき初優勝!

《決勝結果》
 1 G・ベルガー(ベネトン・B・PI)
 2 A・プロスト(マクラーレン・TP・GY)
 3 A・セナ  (ロータス・R・GY)
 ※BはBMW、TPはタグポルシェ、PIはピレリ

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まずはプロストにかけかけ
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続いてセナにかけかけ。嬉しそう。今ではあり得ませんが、マシンの左側はハード、右側にソフトタイヤを履きタイヤ無交換戦略を成功させたベルガー。ピレリタイヤが右回り(時計回り)のメキシコのダスティな路面にマッチしていました。ピレリタイヤ様々です。IMG_4677
F1参戦3年目、35戦目の27歳。自身としてもチームとしても初優勝を挙げ、今後期待のドライバーの堂々仲間入りです。

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