現時点で既に中止を発表しているフランスGPです。今年はオコンが復帰してまたフランス人ドライバーが増えたのに残念でした。来年の今頃はフランスでできるのかな、フランス人ドライバーがいなくなるなんてことにならないといいのですが。ポール・リカールサーキットの歴代ポールポジションタイムを比較したいと思います。

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《ポール・リカールの基本情報》
    全長     :5.810km(1971〜85)
       3.813km(1986〜90)
       5.842km(2018〜)
 コーナー数:15箇所(2018〜)
   開催回数  :16回

ポール・リカールだなんて、人の名前みたいですよね。その通り酒造メーカーの創始者の名前から来ています。フランスでも南岸近くにあるサーキットで先日のモナコやイタリアとはご近所にあたります。高台にあり海が近いがゆえ、風の影響を受けやすく、サーキットの代表区間「ミストラル」はそこから名付けられました。
サーキットレイアウトは縞々、、いやライフルの形をしており、ヘルマン・ティルケの手が加わる前と大きく変化はしていません。しかし、ターン1においてE・デ・アンジェリスがクラッシュにより死亡したため、1986年シーズンからレイアウト前半部分をカットし、ミストラルストレート途中に取り付くショートレイアウトが採用されました。5シーズンそのレイアウトでレースが行われたものの、一時期フランスGPの座をマニ・クールに奪われ、28年の時を経て、ロングコースを復活させ、フランスGPとして復活するに至りました。
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 ・1971〜85年   5.810km        (オリジナル)
 ・1986〜90年  3.813km 赤色(ショートコース)
 ・2018〜現在 5.842km 黒色(シケイン設置)

レイアウトは3種類となります。図上に表現しきれていませんが、オリジナルは現行の黒色のミストラルストレート中腹のシケインがないものと考えて頂いていいかと思います。ほか、ミストラルストレートの先の超高速右コーナー「シーニュ」のRを改良し、先述のショートカットを行った赤色の3.813kmとなります。3.8kmっていくら何でも短いですよね。この後にポールポジションタイムが出てきますが、この一周距離だと決勝は80周レースとなります。ラップダウンされる車もすぐに現れますね。小学校や幼稚園の陸上トラック同様に、目が回りそう。

《ポール・リカールの予選P.P.タイム変遷》
 71 5.810km 1分50秒710 スチュワート
 73 5.810km 1分48秒370 スチュワート
 75 5.810km 1分47秒820 ラウダ
 76 5.810km 1分47秒890 ハント
 78 5.810km 1分44秒410 ワトソン
 80 5.810km 1分38秒880 ラフィ
 82 5.810km 1分34秒406 アルヌー
 83 5.810km 1分36秒672 プロスト
 85 5.810km 1分32秒462 Kロズベルグ
 86 3.813km 1分06秒526 セナ
 87 3.813km 1分06秒454 マンセル
 88 3.813km 1分07秒589 プロスト
 89 3.813km 1分07秒203 プロスト
 90 3.813km 1分04秒402 マンセル

 18 5.842km 1分30秒029 ハミルトン
 19 5.842km 1分28秒319 ハミルトン
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約50年近く前の1971年が初開催なのに、クレルモン・フェランやディジョン・プレノワとの交互開催ということもあって、飛び石となっており、開催回数は16回に止まります。一応グラフにはしてみたものの、歯抜けで面白味はありませんね。第2グループにあたるショートカットトラックは当然ながらタイムは短くなりますから一貫した進化は読み取りにくい。まあこうなることはわかっていたんです(笑)
71年から85年の間は距離は同じで76年を境にタイム向上のペースが上がりました。時はちょうど「グラウンドエフェクトカー」が流行った頃ですね。そこから第2グループの時期を無視して33年後の2018年に目をやると、距離は32m延びてストレートにシケインが設けられたというのにタイムは2.4秒速くなっています。データが古いこともあり、今回はセクター比較はできませんが、シケインのスピードロスをセクター3のグニュグニュ区間で帳消しにして、さらに上回った、と言った感じでしょうか。根拠無き空想論ですみません。

《ポール・リカールの予選P.P.平均速度変遷》
全長の違いがあればこれで横並びにするしかない、とポールリカールも「一周平均速度」に換算してみました。

 71 5.810km 188.9km/h 100% スチュワート
 73 5.810km 193.0km/h 102.2% スチュワート
 75 5.810km 194.0km/h 102.7% ラウダ
 76 5.810km 193.9km/h 102.6% ハント
 78 5.810km 200.3km/h 106.0% ワトソン
 80 5.810km 211.5km/h 112.0% ラフィ
 82 5.810km 221.5km/h 117.3% アルヌー
 83 5.810km 216.4km/h 114.5% プロスト
 85 5.810km 226.2km/h 119.7%  Kロズベルグ
 86 3.813km 206.3km/h 109.2% セナ
 87 3.813km 206.6km/h 109.3% マンセル
 88 3.813km 203.1km/h 107.5% プロスト
 89 3.813km 204.3km/h 108.1% プロスト
 90 3.813km 213.1km/h 112.8% マンセル

 18 5.842km 233.6km/h 123.6% ハミルトン
 19 5.842km 238.1km/h 126.0% ハミルトン

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速度に変換して、パワーターボ搭載の第2グループも若干背伸びしてくれましたが、10年前の70年代後半規格まででしたね。やはりストレートが短く、速度要素が低いのが玉に瑕です。レイアウトを見てもわかるように、同じサーキットなのに全然毛色の違う変更なので、比較のし甲斐が無い。。わかっていたけど。。(笑)ちなみに、ポール・リカールの歴代最速は昨年18年のハミルトンによる238.1km/hでした。そこはあっぱれ、技術の向上が証明されました。
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今回は消化不良ですね。ご覧頂いている方も書いているmiyabikunもきっと同じ気持ち。こればかりはmiyabikunのせいというわけではないけど、すみません。
そんな時はこの前のヨーロッパGPの時にもやった「おまけ」やりましょうか。こうなると思って用意しています。ポール・リカールに挟まれた先代フランスGP、マニ・クールをみてみましょう。

《マニ・クールの基本情報》
    全長   :4.271km(1991)
       4.250km(1992〜00)
       4.251km(2001,02)
       4.411km(2003〜08)
 コーナー数:17箇所(2003〜)
   開催回数  :18回

ポール・リカールは人名でした。マニ・クールも人名っぽいですよね。いそうですよね。でもこちらは違います。地名から来ています。強いて人名を挙げるならば、F1誘致に関わった元F1ドライバーであり、のちのチーム代表のギ・リジェになるでしょうか。長らく続いたポール・リカールでのF1をフランス中央部の片田舎に引っ張ってきた方です。miyabikunの中ではフランスGPと聞くとポール・リカールよりマニ・クールって世代です。
マニ・クールもレイアウト変更はあれど、基本形は保ち軽微なものとなっています。
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 ・1991年のみ 4.271km 赤色(オリジナル)
 ・1992〜00年 4.250km 青色(右左コーナー廃止)
 ・2001〜02年 4.251km
 ・2003〜08年 4.411km 黒色(リセ後退)

1991年は中間部のアデレイドヘヤピン先に小さな右左コーナーを配置した4.271kmでスタートしています。翌年92年にその小さなコーナーを廃止して直線的にした4.250kmが9年ほど続きます。そして2003年から後半にある右コーナー「シャトー・ドー」を鋭角化し、さらに最終セクターを左に振り「リセ」を後退させた4.411kmが最終形として08年シーズンまで使用されました。実は01年に1mだけ延長した長さが採用されているのですが、どこの変更か思い出せませんでした。あのレイアウトのポンチ絵では表現できないほどの誤差範囲としてお許し下さい。
マニ・クールもポール・リカールと同様に決勝レース中の順位変動が少なく、抜きどころも少ないと言われていたサーキットです。個人的には以前にも書いたように、ジル・ヴィルヌーブに似た最終シケインからひょっこり横スライドして現れてくるアングルや、序盤の大きな右コーナー「エストリル」からカメラがパンして追いかけて、アデレイドに突っ込んでいく姿は好きでした。アデレイドでインをついて抜いたかと思いきや、クロスラインでやり返されてプラマイゼロ、みたいな。ポール・リカールはミストラルストレートの途中のシケインが出来てようやくパッシングがみられるようになりましたが、あれが無いとマジでチカチカのダラダラになる可能性は高かったんじゃないかと思っています。

《マニ・クールの予選P.P.タイム変遷》
 91 4.271km 1分14秒559 パトレーゼ
 92 4.250km 1分13秒864 マンセル
 93 4.250km 1分14秒382 Dヒル
 94 4.250km 1分16秒282 Dヒル
 95 4.250km 1分17秒225 Dヒル
 96 4.250km 1分15秒989 Mシューマッハ
 97 4.250km 1分14秒548 Mシューマッハ
 98 4.250km 1分14秒929 ハッキネン
 99 4.250km 1分38秒441 バリチェロ
 00 4.250km 1分15秒632 Mシューマッハ
 01 4.251km 1分12秒989 Rシューマッハ
 02 4.251km 1分11秒985 モントーヤ
 03 4.411km 1分15秒019 Rシューマッハ
 04 4.411km 1分13秒698 アロンソ
 05 4.411km 1分14秒412 アロンソ
 06 4.411km 1分15秒493 Mシューマッハ
 07 4.411km 1分15秒034 マッサ
 08 4.411km 1分16秒449 ライコネン

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マニ・クールでのフランスGPは91年から08年まで空白期間は無くびっしり18回行われ、現時点では最多開催となっています。そのあとしばらくの「沈黙期間」に入るわけですが。今シーズン現役ドライバーでマニ・クールの走行歴があるのは、ライコネン、ハミルトン、ベッテル3人のチャンピオン経験者まで。ポールポジションを経験しているのはライコネンのみとなっています。下手すると来シーズンはマニ・クールのレコードホルダーがいなくなる、そんな世代に突入することになります。01,02年はこの後の計算に影響が出ないよう、律儀にグラフの色も分けています。でもグラフ黄緑色の第2グループ4.250kmとはたった1mの差でしかありませんので、同じグループとしてみなしてもいいと思います。
グラフをみると意外とギザギザのデコボコしていて、統一感がないようにみえます。中でも99年は一つ1分38秒441と突き抜けてしまっています。こちらは言うまでもなくウェット路面。フェラーリのM・シューマッハは6番手、マクラーレンのハッキネンが何と14位に沈む中、早めにタイムを残した当時スチュワートから参戦したバリチェロがポールポジションを獲得しています。一応バリチェロの名誉のためにフォローしておくと、予選直前に行われたフリー走行も1分17秒232のトップタイムを記録しています。ほか、タイム的に目立つのは黄色い帯の01,02年の二つでしょうか。時代はマクラーレンが陰りをみせ、フェラーリの天下になりつつある時代、ポールポジションを獲得したのはウィリアムズ・BMWを駆る2人です。先日のジル・ヴィルヌーブでも話題にしたことですが、この頃のウィリアムズはなかなか速かったと思います。ちょうどマクラーレンと入れ替わる形で台頭し、フェラーリに食らいつかんばかりの走りをしていましたよね。ドライバーもマクラーレンに比べるとなかなかパンチのきいた2人でした。

《マニ・クールの予選P.P.平均速度変遷》
 91 4.271km 206.2km/h 100% パトレーゼ
 92 4.250km 207.1km/h 100.4% マンセル
 93 4.250km 205.7km/h 99.7% Dヒル
 94 4.250km 200.6km/h 97.3% Dヒル
 95 4.250km 198.1km/h 96.1% Dヒル
 96 4.250km 201.3km/h 97.6% Mシューマッハ
 97 4.250km 205.2km/h 99.5% Mシューマッハ
 98 4.250km 204.2km/h 99.0% ハッキネン
 99 4.250km 155.4km/h 75.4% バリチェロ
 00 4.250km 202.3km/h 98.1% Mシューマッハ
 01 4.251km 209.7km/h 101.7% Rシューマッハ
 02 4.251km 212.6km/h 103.1% モントーヤ
 03 4.411km 211.7km/h 102.6% Rシューマッハ
 04 4.411km 215.5km/h 104.5% アロンソ
 05 4.411km 213.4km/h 103.5% アロンソ
 06 4.411km 210.3km/h 102.0% Mシューマッハ
 07 4.411km 211.6km/h 102.6% マッサ
 08 4.411km 207.7km/h 100.7% ライコネン

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最後はお決まりの平均速度比較です。この計算をするがために「1mの差」を大事にしておきました。グラフの尺度の問題があるにせよ、速度に変換するとグラフ上はなかなかなだらかにみえますね。バリチェロには申し訳ないのですが、ウェットの99年を除くともう少し緩急がつきそうです。
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こちらが99年を除いた「ドライ路面バージョン」です。最も低いのがヒルによる95年のウィリアムズで198.1km/h、最も速度が高くなったのは04年の地元「青いルノー」アロンソの215.5km/hとなりました。アロンソはこの予選は3回目のポールポジション獲得で決勝は惜しくも2位に終わったレースでした。レースで勝ったのは4回ピットを敢行したフェラーリのM・シューマッハ。IMG_3634
チャンピオンもシューマッハが前人未到の7回目を獲得した年、まさか翌年この若造に奪取されるとは、当時微塵も感じなかったでしょう。IMG_3635

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