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前回はフェラーリの駄馬を立て続けに2頭みてきました。フェラーリばかりディスっては可哀想ということで、今回はマクラーレンの「名車」を取り扱うことにしました。2006年型MP4-21です。以前取り扱った2005年のMP4-20や2007年のMP4-22はよく知っているけど、MP4-21なんてマシンあったっけ?!そのくらい地味ですね。地味には地味なりの理由がある。

《設計》
 マイク・コフラン
 ニコラス・トンバジズ
(エイドリアン・ニューウェイ)

マシンの基本はニューウェイによるものですが、2005年を最後にチームを離れているため、一応カッコ書きとしました。

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《外見》
地味どころでない、マシンディテール以上に目を引くのが、このカラーリングです。以前MP4-22の時にも書いたようなギンギラなメッキのシルバーを施したのはこのマシンからでした。初めて目にした時は今までの常識を覆したというか、これなら遅いわけはない、度肝を抜かれましたよね。10年近くメインスポンサーを続いたWestが完全に外れたことにより一新しています。とはいってもシルバー基調なのは変わりませんが。
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サイドポンツーンはメインスポンサーとなったジョニー・ウォーカーの黒が鎮座し、フロント、リヤ共に主翼はエミレーツ航空の赤の主張が強くなりました。白味が一切無くなり、銀をベースに黒と赤の3色で構成されて、一見冷たい印象を受けます。
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マクラーレンはしばらく先細りの鋭利なノーズコーンにチャレンジし続けますが、イマイチ成果が表れず、前作MP4-20では思い切って太めのものを採用しました。しかしやはり未練があったのか、このマシンはまたまた細いものに戻しています。何だか嫌な予感がしますね(笑)理論上は先端が細い方が有利なのは想像できても、F1の場合は単に細けれりゃイイってもんでもありません。
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ほか、チムニーダクトやホーンウィングを搭載するといった基本はMP4-20からの発展で作られたこのマシンも、色味のせいか似て非なるものにも見えます。エンジンが小型化されたため、ラジエーターやサイドポンツーンも小型にしてきました。

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《シャシー》
 全長:4,580mm
 全幅:    -    mm
 全高:    -    mm
 最低車体重量: - kg
 燃料タンク容量: - kg
 ブレーキキャリパー:
 ブレーキディスク・パッド:
 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ    プッシュロッド
 ホイール:エンケイ
 タイヤ:ミシュラン

《エンジン》
 メルセデス・ベンツFO108S
  V型8気筒・バンク角90度
 排気量:2,400cc
 エンジン最高回転数: - rpm(非公開)
 最大馬力: - 馬力(非公開)
 燃料・潤滑油:モービル

エンジンは変わらずのメルセデス製。パワーには定評があるものの、この2006年からは2.4ℓV10という今までにないコンパクトなNAエンジンを搭載して、パワー低下が噂されています。規制無きエンジン回転数で思い切りぶん回して補完してやるしかありません。ただ、2レースで1基というエンジンの使用制限もありますので、あまりぶん回すと、簡単に壊れちゃいます。

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《ドライバー》
 No.3 キミ・ライコネン     (全戦)
 No.4 ファン・パブロ・モントーヤ(第1〜10戦)
        ペドロ・デ・ラ・ロサ   (第11〜18戦)

名前だけみるといかにも強くて速そうな、そして唯一無二のクセが特徴的な2人による2年目です。ライコネンはともかく、前年のモントーヤは2戦サボるなど精彩を欠いたシーズンでした。チャンピオンを狙えるタマなんですから、2人揃って青いルノーをギャフンと言わせたいですね。

《戦績》
 110ポイント コンストラクター3位
 (1位0回、2位4回、3位5回、4位2回ほか)
 ポールポジション3回

予選ワンアタック方式から、現在に通ずるノックアウト方式を初導入した開幕戦バーレーンGP予選はライコネンがクラッシュしてノータイムの22番手最後尾、モントーヤが5番手と2005年の飛躍を帳消しにするような内容で入りました。それでも何とかライコネンは1周目に13位まで一気に浮上し3位表彰台を獲得するものの、モントーヤは順位が入れ替わりつつ結局スタートのままの5位入賞とマシンの見た目に及ばない結果でした。
その後、ライコネン、モントーヤともコンスタントに表彰台には登壇しつつも、それ以外はリタイヤが多く、なかなか「表彰台のテッペン」に上がれずにシーズンは進行していきます。お決まりの信頼性の無さがチラホラ見え隠れし、そこの改善もなかなかみられません。
そしてここから2つの「出来事」がありました。一つ目は幼少期からマクラーレンが育て上げた若手、L・ハミルトンがF1のガレージを訪れ、翌2007年からレギュラーシートを得る可能性が現実的になったこと。まだシーズンを終えていない最中にこのようなプロモーションはドライバーにとっていいものではありません。
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もう一つはライコネンが9番手、モントーヤが11番手で予選を終えた第10戦アメリカGPの決勝、スタート直後のターン2進入でモントーヤがライコネンに追突IMG_3547
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多重クラッシュを招いてレースを混乱させてしまいました。IMG_3549
この後ろ姿を最後にマクラーレンはモントーヤとの契約を突如解除し、デ・ラ・ロサにシートを譲る形となります。シーズン後半戦にライコネンによるポールポジションは3回記録するも、ドライバーの戦闘力を失ったマクラーレンは結局優勝を挙げることは一度も無く、コンストラクターランキングも3位に落とす不作の年に終わりました。

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前年は最多勝を挙げるも時すでに遅しのランキング2位。翌年は2回チャンピオンと大型新人が揉めてポイント剥奪と、その間に挟まれたこのマシン。ライコネンもモントーヤも当時のマクラーレンの体質には結果的に合わなかったという、地味でもインパクトだけは例年に負けない一台でした。

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