今シーズンは開催絶望かと思われてきたF1ですが、先日オーストリアGPで開幕戦を行う方針が出されました。朗報ですね!今のところオーストリアとイギリスで連続開催するとのことで、異例の一国二開催となります。どんな呼び名になるんでしょうね。第二オーストリアGPとか?!また改めて開幕までに2020年シーズンカレンダーを見直しておかなければなりませんね。

今回実は一年越しである企画を予定していました。勘のいい方ならmiyabikunがやろうとしていたものが薄々お分かりかもしれません。しかし、先週その準備に入ろうとした時、その企画が簡単にできないことが判明してしまい、急遽今シーズンのルーティンとしているコレをやることとしました。今回は対象が少ないから結果はつまらないだろうと避けたかったのにな(笑)かといってまだ開幕もしていないし、一応miyabikunせっせと資料を整理しましたので、いつも通りお付き合い頂ければと思います。
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《バクー市街地の基本情報》
    国名   :アゼルバイジャン
    全長   :6.003km(2016〜)
 コーナー数:20箇所(2016〜)
   開催回数  :4回(2016〜)

F1カレンダーに組み込まれること4回のアゼルバイジャンですね。もう国の位置は覚えましたよね。ロシアと中東と東欧に挟まれたジャンクションです。バクーに面する水辺は名前に「海」と付いていても超デカい湖、カスピ海です。近代的な高層建築と古く味のあるヨーロピアンな建物が融合する都市をハイスピードで巡る市街地サーキットです。開催初年の2016年には「まだ少なからず取り柄があった」頃のウィリアムズが378.0km/hというF1予選最高速度をマークしたこともありました。近年はマシンは進化しつつもレギュレーション変更もあって、そこまで高速度にはなりませんが、依然としてF1カレンダーの中で上位に来る速さを誇ります。では最高速によらない1周の予選ラップはどう変化しているでしょうか。みていきましょう。

《バクー市街地の予選P.P.タイム変遷》
 16 6.003km 1分42秒758 100%    Nロズベルグ
 17 6.003km 1分40秒593   97.9% ハミルトン
 18 6.003km 1分41秒498   98.8% ベッテル
 19 6.003km 1分40秒495   97.8% ボッタス

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グラフ上では一応アゼルバイジャンGPの帯を黒縁にしておきました。しかし単なる識別用に過ぎず、同じレイアウトのバクー市街地には違いないので、全く気にする必要はありません。最高速を叩き出した2016年のボッタスは結局1分45秒246の8番手に終わり、初代ポールポジションは勢い増すメルセデスのロズベルグが獲得しました。一周全長は変わりませんので、16年をベンチマークと定めて残り3シーズンと比較していきます。バクーの天気はいずれも晴れですが、タイムに多少の波がみられつつ、最速は前年の悔しさを払拭すべくメルセデスのボッタスが叩き出しました。17年と19年は近しいタイムなのに、その間の18年が少し遅れました。多少のマシンレギュレーション変更はあったものの、どうしてでしょうか。ハロ分の重量増、空力負荷分?!チームが黒い、いや紅いから?!それともドライバーが横当たりしてくるヤンチャ坊主だから?!(笑)冗談はさておき17年から19年のセクタータイムで比較検証してみます。

・カクカク直角続きのセクター1
 17ハミルトン 18ベッテル  19ボッタス
   35秒437           35秒305          35秒359
・ようこそ世界遺産エリアのセクター2
 17ハミルトン 18ベッテル  19ボッタス
   40秒746           40秒905          40秒400
・とにかく踏め踏めストレートのセクター3
 17ハミルトン 18ベッテル  19ボッタス
   24秒410           25秒288           24秒736
 ●1周ポールポジションタイム
 17ハミルトン 18ベッテル  19ボッタス
   1分40秒593     1分41秒498     1分40秒495

単調なセクター1は三者大きな差はなくも、最新最速のボッタスはセクター2が速いですね。パワーがモノをいうセクター3は18年のベッテルが置いていかれています。19年からは0秒552差で、17年は0秒878の差です。これがつまりメルセデスとフェラーリの出力差なのかな。パワー一辺倒に思われるバクー市街地の攻略方法はボッタスのラップのような「セクター2の処理」がカギを握っているとmiyabikun個人として思います。もちろんパワーがあった方がいいに越したことはないですが。

以上、終わってしまいました。やっぱりバクーの4回では盛り上がりに欠ける?!ですよね、では今回はバクー市街地の1つ前のヨーロッパGPの舞台であるヴァレンシア市街地で同じような検証比較をしましょう。

《ヴァレンシア市街地の基本情報》
    国名   :スペイン
    全長   :5.419km(2008〜12)
 コーナー数:25箇所(2008〜)
   開催回数  :5回(2008〜12)

温暖な気候にオレンジなどでも有名なスペインのヴァレンシア市での一国二開催GPです。時期的にみると08年から12年と決して多くはありませんでしたが、先日のネタで書いたように地元を代表するアロンソによるチャンピオン獲得とF1人気に追従する形で誘致、開催に繋がりました。サーキットレイアウトはトレンドのヘルマン・ティルケ氏が監修し、貨物港をうまく使いリゾート化させるかの如く設置されました。トラック幅は広く確保しつつ市街地特有のウォール際を走る区間など、近代サーキットに準ずる規格ではあったものの、パッシングポイントが少なく、スタートからフィニッシュまで「淡々と平和に」行われることが多かったサーキットでした。

《ヴァレンシア市街地の予選P.P.タイム変遷》
 08 5.419km 1分38秒989 100%    マッサ
 09 5.419km 1分39秒498 100.5% ハミルトン
 10 5.419km 1分37秒585   98.6% ベッテル
 11 5.419km 1分36秒975   98.0% ベッテル
 12 5.419km 1分38秒086   99.1% ベッテル

ヴァレンシア市街地の5回は全て晴天で1周距離は変わりませんでしたので比較は単純です。パワーユニットは2.4ℓV8のみとなります。
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初年08年より翌09年にタイムの落ち込みがみられます。08年まで空力付加物を存分に搭載したマシンは09年からレギュレーションによりダウンフォースを大幅にカット。その代わりに運動エネルギー回生システム「KERS」を試験的に導入するという、F1に改革を迎えた時期でした。序盤はホンダに替わったブラウンGPがKERS非搭載で躍進するも、このヴァレンシア市街地でのヨーロッパGPを迎えたあたりではそのアドバンテージは薄まり、徐々にライバルと接戦になりつつある時期でした。序盤からKERSを搭載し、成熟しつつあるマクラーレンがポールポジションを獲得しています。
一方でヴァレンシア市街地最速を記録したのがその2年後、11年のレッドブルでした。2.4ℓV8時代にメキメキと戦績を上げてきたレッドブルは10年にベッテルと共に初のダブルチャンピオンを獲得、その後ろ盾を演じたのが空力のニューウェイデザインです。先日の上海国際編と同様にRB7は突き詰められたリヤエンドの工夫を武器に成長し続けるベッテルとマッチし、各サーキットにおいて頭一つ飛び出たラップをみせてくれました。パワーこそ一番でなくとも、シャシー側でいくらでも安定したコーナリング性能を維持するという強みがこのレコードタイムに込められています。

ヴァレンシア市街地の予選ラップ比較でした。終わり。やっぱり足りない?!今回はmiyabikunの手抜き回だって?何てことを!ちゃんとグラフまで作って比較したじゃないですか!(笑)、、わかりました。今回はもう一箇所だけやります。これが最後ですよ?!ヴァレンシア市街地のもう一つ前のヨーロッパGPの舞台として活用されたニュルブルクリンク(GPコース)をオマケでやります!

《ニュルブルクリンク(GPコース)の基本情報》
    国名   :ドイツ
    全長   :4.542km(1984,85)
          4.556km(1995〜01)
          5.148km(2002〜13)
 コーナー数:16箇所(2002〜)
   開催回数  :18回(GPコースとして1984〜13)

ニュルブルクリンクといえば、F1ファンのみならずスポーツカーファンやカーゲームファンでもお馴染みのノルトシュライフェ(北コース)が有名だと思います。miyabikunもゲームでは嫌々走った記憶があります。嫌々です。だって狭いしとにかく長いしグニャグニャなんだもん。祖母の家に帰省した山道を思い出させてくれます。名手ラウダが75年にF1での予選ラップレコードを持っていますが、翌年76年に有名な大事故に遭い、安全性の問題もあってF1開催地から外れました。その後、短絡させたGPコースを用いた84年のヨーロッパGPとして復活した時代以降を今回対象としています。また対象をヨーロッパGPに限らず、ドイツGPのものも含めました。こうすれば、もう少し検証のボリュームが増しますね。
レイアウト変更はざっと3回です(細かなものもあったかと思いますが割愛します)まず95年レイアウトで終盤セクターのヴィードルシケインを深めにし、02年に序盤セクターのカストロールSを鋭角化してメルセデスアリーナを新たに設けたことで全長が延びています。参考に以前作図したレイアウトを掲載します。
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 ・1984〜85年 4.542km 緑色(オリジナル)
 ・1995〜01年 4.566km 青色(シケイン改良)
 ・2002〜13年 5.148km 赤色(アリーナ設置)

《ニュルブルクリンクの予選P.P.タイム変遷》
 84 4.542km 1分18秒871 ピケ
 85 4.542km 1分17秒429 Tファビ

 95 4.556km 1分18秒738 クルサード
 96 4.556km 1分18秒941 Dヒル
 97 4.556km 1分16秒602 ハッキネン
 98 4.556km 1分18秒561 Mシューマッハ
 99 4.556km 1分19秒910 フレンツェン
 00 4.556km 1分17秒529 クルサード
 01 4.556km 1分14秒960 Mシューマッハ
 02 5.148km 1分29秒906 モントーヤ
 03 5.148km 1分31秒523 ライコネン
 04 5.148km 1分28秒351 Mシューマッハ
 05 5.148km 1分30秒081 ハイドフェルド
 06 5.148km 1分29秒819 アロンソ
 07 5.148km 1分31秒450 ライコネン
 09 5.148km 1分32秒230 ウェバー
 11 5.148km 1分30秒079 ウェバー
 13 5.148km 1分29秒398 ハミルトン

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第1グループとなる84,85年と10年の時を経た95〜01年までの第2グループは01年以外はタイム上でさほど大きな差も無く1分17〜18秒あたりをさまよっています。01年はフェラーリが最大のライバルであったマクラーレンの低迷によりほぼ「一強時代」に入った頃でしたね。
全長が600m延長された第3グループにあたる02〜13年はタイムも1分29〜30秒台まで増加しています。それも先日のモンテカルロ市街地と似ていて、最速の04年をはじめ、多少の凸凹はありつつも時系列に見合った減少がみられません。マシンの向上とレギュレーション縛りがちょうど良くバランスしていたのでしょうか。

《ニュルブルクリンクの予選P.P.平均速度変遷》
続いて先日のカタロニアやモンテカルロでも行った「全長から割り出した平均速度」の観点からみてみます。

 84 4.542km 207.3km/h 100%   ピケ
 85 4.542km 211.2km/h 101.9% Tファビ

 95 4.556km 208.3km/h 100.5% クルサード
 96 4.556km 207.8km/h 100.2% Dヒル
 97 4.556km 214.1km/h 103.3% ハッキネン
 98 4.556km 208.8km/h 100.7% Mシューマッハ
 99 4.556km 205.3km/h   99.0% フレンツェン
 00 4.556km 211.6km/h 102.0% クルサード
 01 4.556km 218.8km/h 105.5% Mシューマッハ
 02 5.148km 206.1km/h   99.4% モントーヤ
 03 5.148km 202.5km/h   97.7% ライコネン
 04 5.148km 209.8km/h 101.2% Mシューマッハ
 05 5.148km 205.7km/h   99.2% ハイドフェルド
 06 5.148km 206.3km/h   99.5% アロンソ
 07 5.148km 202.7km/h   97.8% ライコネン
 09 5.148km 200.9km/h   96.9% ウェバー
 11 5.148km 205.7km/h   99.2% ウェバー
 13 5.148km 207.3km/h 100.0% ハミルトン

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最も速いのは01年の218.8km/h、続いてルクセンブルクGPとして行われた97年の214.1km/hとなっており、他は速度に変換すると似たような速度域に並ぶ形となりました。ニュルブルクリンクGPコースはスピードやパワーというよりかはテクニカル要素の強いレイアウトであるため、マシンサイズがダウンした98年、ダウンフォースが削られただけでなく気温が低く雨がちだった09年には不利な結果となりました。

オマケにまたオマケで結局長くなってしまいました。F1の無いもどかしい時期の暇潰しに少しは役立てたらいいなと思います。ヨーロッパラウンドの仮スケジュールは整いつつありますが、延期としてもう過ぎ去ってしまったGPの復活はあるのでしょうか。日程的に差し込むのは厳しいかな。

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