レースウィークには少し早いですが、今回は先日の南アフリカGP同様に非リアルタイム時代、miyabikun大いに背伸びした1982年の第9戦オランダGPを振り返ります。ちなみに今シーズンに復帰が予定されているザントフォールトサーキットのレイアウトと若干異なります。
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オランダGP自体が85年までの開催でリアルタイムで観られる余地はないわけですが、歴代のオランダGPは何かと番狂わせや逆転のあるGPで正直どれを選ぶか迷いました。他の年はまた別の機会に。
82年は実に荒れたシーズンでした。第8戦カナダGPまでにマクラーレンのワトソンがベルギーとアメリカ東で2勝を挙げてランキングトップとなる30ポイント。サンマリノGPで1勝を挙げたフェラーリのピローニがランキング2位20ポイント。南アフリカ、ブラジルと開幕2連勝のルノーのプロストがランキング3位18ポイントで続きます。このオランダGP以降も全16戦で11人の優勝を生み出しています。まさかこの後アノ方がチャンピオンを獲得するとは想像もつきませんね。また、ベルギーGP予選中のG・ヴィルヌーブ、カナダGPスタート直後のパレッティの痛ましい事故死があったことも忘れてはならない出来事です。

予選は以前に「名車」でも振り返ったことのある速さが自慢のルノーが健闘しています。V6ターボ搭載のアルヌーが相方プロストに0.4秒の差をつけてシーズン4回目のポールポジションを獲得。3番手はルノーと異なる直列4気筒ターボを搭載するブラバムのピケが獲得しました。

《予選結果》
 1 R・アルヌー(ルノー・R・MI)
 2 A・プロスト(ルノー・R・MI)
 3 N・ピケ  (ブラバム・B・GY)
    ※MIはミシュラン、GYはグッドイヤー
    BはBMWエンジン

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スタートは2番手のプロストが前に出てルノー対決を制しています。プロストが逃げを打つかと思いきや、早々とアルヌーをかわしたピローニが背後に詰め寄っています。
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ストレートでピッタリとプロストのスリップストリームに入り、
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インから並んでターン1のターザンへ。
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この日のピローニはキレキレです。

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ウィリアムズのカーナンバー6といえば、そうパパベルグことK・ロズベルグですね。ノンターボがV6ターボを搭載するフェラーリのタンベイを狙っています。
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こちらもストレートで背後について
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インへ大きく間合いをとって
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ターザンに飛び込む。幅員が狭くパッシングポイントの少ないザントフォールトの代表的な戦術です。

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こちらはターボ車同士の対決。まだ単なる「通せんぼジジイ」ではない、予選だけは速いルノーの青いくちばしアルヌーを戦績上手のピケが追いかけてきました。
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またもストレート勝負に。
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でもピケはアウト側に出る。2気筒少なくてもルノーに勝るBMWパワーか?!
先程のピローニとピケに共通していたのはグッドイヤータイヤを装着している点です。ルノーの履くミシュランよりもよくグリップし、このザントフォールトの路面にマッチしていたと思われます。このシーズンは他にも今お馴染みのピレリやクーパー(エイボン)など4社のタイヤが使用されていました。

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抜かれたアルヌーはターザンで左のステアリングロッドを折損し、右に曲がることなくタイヤバリヤに乗り上げています。昔は今ではあり得ない観客との近さにも驚かされます。
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忘れかけていた2位走行の赤いくちばしプロストもエンジン不調によりガレージへ。この時代のルノーって抜群な速さがあるのに脆い。

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というわけでレースは序盤にルノーを攻略したピローニが逃げ切りのフィニッシュとなりました。

《決勝結果》
 1 D・ピローニ (フェラーリ・F・GY)
 2 N・ピケ   (ブラバム・B・GY)
 3 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・Fo・GY)

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ピローニは2勝目となって、ノーポイントに終わったポイントリーダーのワトソンに1ポイント差まで迫ります。ロズベルグもリタイヤしたプロストに代わってランキング3位に浮上。勝利は未だ無くとも、残り7戦も腐らずポイント獲得にまい進していきます。

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