またもや予定していたネタのアップを飛ばし、miyabikunは各報道にある「不要不急」の指示に従っておとなしくしてしまいました。なーんて(笑)不要不急なんて言葉、どこか「不眠不休」みたいな響きで今年の流行語とに選ばれそうですね。それは冗談ですが、ベースである「予選決勝観戦」がリズミカルに行われないことで思考も意義も停止気味になってしまっていました。ごめんなさい。やろうとしていたネタの下書きをちゃんと後回しにして、今回は「過去のレース」を先にやろうと考えました。
今回選んだのはmiyabikunが5歳の頃となる1985年となるキャラミでの第15戦南アフリカGPとしました。何故こんな時期に南アフリカかというと、本来3/29に南アフリカのヨハネスブルグでF1のイベントが行われる予定だったんですよね。しかし昨今の新型コロナウィルスの騒動により、イベントは中止となってしまいました。そこで現代のF1には疎遠となった南アフリカGPをクローズアップする次第です。一応現時点の「過去のレース」シリーズ最古参にあたります。リアルタイムでは当然未観戦、総集編ビデオと書籍による情報からのネタとなりますので誤りがあるかもしれません。ご了承下さい。

1985年といえば、前年復帰チャンピオンに輝いたラウダとプロストによるマクラーレンの復調、ホンダエンジン3年目の挑戦となるウィリアムズ、そして若手のセナのロータスでの成長など、見どころの多いシーズンでもありました。
たまたまかもしれませんが、この時代のウィリアムズはキャラミを比較的得意としている気がします。ポールポジションはマンセルが獲得して2番手のピケ、3番手のK・ロズベルグとチャンピオン経験者を引っ提げる形となりました。ちなみに若手の成長株、ロータスのセナは先輩にピタリと食らいつく4番手で上位を狙える位置に。またフェラーリはというと、エースのアルボレートが15番手、ヨハンソンが16番手とまさしく「暗黒期」が始まる真っ只中にあることを象徴するかの位置にいます。

《予選結果》
 1 N・マンセル(ウィリアムズ・GY)
 2 N・ピケ(ブラバム・B・PI)
 3 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・H・GY)
 ※GYはグッドイヤー、PIはピレリ
   BはBMWエンジン

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決勝のスタートはマンセルが綺麗な加速をみせる中、3番手のロズベルグが出遅れてロータス2台に先行される6位にまで後退しています。
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ただこの日のロズベルグはズルズル遅れるロズベルグと違う。尻に火がついたような勢いでロータスのセナを捕まえにいく。
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スタートでやられたセナ、デ・アンジェリスをかわして即座に後れを回復。次なるターゲットはブラバムのピケです。
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ストレートでインから並びかけていく。
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BMWパワー VS ホンダ、勝つのはどっち?!
多くの事故を起こして危険とされたキャラミの旧レイアウト。このストレートの起伏もすごいですよね。下ってからまた上りに転じます。
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ロズベルグの勝ち。キレキレです。これでまだ終わりませんよ。残るターゲットはあと1人。チームメイトの「レッド5」もちろんいきます。
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たった1勝でも俺はチャンピオン経験者。まだまだ若造のお前には負けんぞ!(ロズベルグはマンセルの5歳上)
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かわす。スタートで失敗したけどこの日は完全にロズベルグの日か!と思った矢先にターン1で
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タイヤスモークを上げて
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止まり切れずコースオフ。土煙の先を知らぬ顔したマンセルがトップを取り戻す。せっかく6位からごぼう抜きをみせてくれたのに、これで水の泡です。

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レース中盤に近付くと、地味にマクラーレンも隊列を組みつつ追い上げてきていました。デ・アンジェリスをかわしています。前のNo.2がプロスト、後ろのNo.1がラウダ。まるで教習を受けているかのよう。
ラウダはターボの不調によりリタイヤし、プロストが独りぼっちになると、また後ろから轟音を立てて騒がしいのが近付いてきました。な、何とコースオフしたはずの「ホワイト6」だ。いつの間に?!
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ロズベルグはコースオフしたもののエンジンはかかっておりレース復帰できました。そして今日の勢いをそのままにレースを諦めるどころか俄然やる気満々です。
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プロストも簡単にかわします。優勝こそ逃しましたが、予選順位から一つ上げるのにおおわらわなロズベルグがドライバー・オブ・ザ・デイで間違い無しでしょう。

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《決勝結果》
 1 N・マンセル(ウィリアムズ・GY)
 2 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・H・GY)
 3 A・プロスト(マクラーレン・TP・GY)
   ※TPはタグポルシェ(ポルシェエンジン)

出走21台中、完走は7台かつ同一周回フィニッシュはわずか3台とサバイバルなレースとなりました。リタイヤはターボ不調をはじめとしたエンジントラブルが大半を占めています。キャラミは標高が1,500mを超える高地にあり、エンジンへの負担も多くなります。
ウィリアムズで3年目となるホンダは確実にポールポジションと優勝、そしてレースの追い上げが可能なエンジンであることを証明しつつあります。チャンピオン獲得もそう遠くない話です(実際にコンストラクターズチャンピオンとなるのは1986年)

勢いよく抜きまくってきてからのコースオフというギャグみたいなレース内容をみせたロズベルグですが、ロズベルグに限らず昔々はこのようなレース展開は非常に多く、抜いた勢いでクラッシュしたり、抜く時にトップもろともクラッシュしたりなどは日常茶飯事でした。それからみると今のF1は非常にクリーンでお行儀のよいレースがほとんどです。今よりもマシン差、信頼性だけでなくドライビングテクニックでも差が出やすかったこの頃の油臭さや泥臭さ、男らしさが表れるレースもなかなか面白いです。ロズベルグはこの後息子のニコもチャンピオンとなり史上2組目のF1親子チャンピオンとなるわけですが、前にも書いたように同じ血を受け継いでいても「力とノリでドライブする父」と「理論と慎重さでドライブする息子」の対比をみるのも非常に興味深い。

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