レースまでかなり時間を持て余しているので、クイズの新シリーズをオープンしたいと思います。今回のタイトルは「F1コレどれGP」と名付けました。本当はキャッチーな一言で表現できればよかったのに、あまり意味はありません(笑)タイトルって重要ですよね、タイトルを見た瞬間にある程度面白そうかつまらなそうかの印象が決まる。要は前回までサーキットにまつわるクイズをやってきたものを、今回から「各時代のマシンをクイズにした」ということ。シャシー名を当てて頂きます。まだまだ日の浅い2010年代からヒントも織り交ぜて10問出題していますので、最後まで諦めること無く、全問正解を目指してみて下さい。
Q①
ヒント:ん?疲れ目かな。ノーズコーンが2つあるように見える。大丈夫、正常です。このマシンはノーズコーンが2本あります。2010年代を代表する珍デザインですね。この時代はこの後もいくつか出てきますが、様々なノーズコーンの形状が登場し、決してカッコいいと言えないものが多くあります。それは何も好きでこういう形にしているわけではありません。レギュレーションに「ノーズ先端の高さは地上から185mmとし、先端から50mm後方までの断面積を同一に9,000m㎡以上とする」となったためです。
コンセントにも似たこの形状は片方がレギュレーションに即したノーズコーンで、もう片方がフロントウィングのステーをなすため、役割が異なり、かつ長さも異なっています。この絶妙な差がオツというか、ブサイクさを助長しています。
Q②
ヒント:これもまた滑稽な!理由はQ①と同様です。でもこちらはノーズ1本でステーも兼ねて、さらにノーズを規定ギリギリの細さの断面で単純に伸ばしたためにこうなりました。色はメタリックグリーンでなかなかシブいんですが、「ノーズコーンは黒いエリアですからね。レギュレーションに即してますからね」とわざわざ途中から四角く張り出しちゃったもんだからカッコ悪く見えてしまいます。前傾でグラベルに突っ込んだらティーのように突き刺さりそう(笑)貴重な日本人ドライバーがいたために注目されたファンも多くいたと思います。画像は前期型で、後期はもう少しノーズが滑らかに取り付くように改良されました。
Q③
ヒント:この白地にマルティニカラーといえば、アレでしょう?!まだ最近のやつなので記憶にありますよね。近年は地味な内容が続くこのチームのこのマシン、実はあるレコードホルダーでもあります。F1の本戦での最高速度記録を11年振りに更新したマシンです。F1は速度自体を競うスポーツではありませんが、F1を観る者、また乗る者、スピードに憧れを持つ方が多いと思います。その速度は予選時で378.0km/h、決勝は372.5km/hといずれも更新しています。気になる戦績は3位表彰台が一度キリ、コンストラクターランキングは5位でした。残念ながら、F1は「速さ=強さ」ではないようで。。
Q④
ヒント:攻撃的な赤と黒のカラーリングですね。こんなの見覚えないって?!一応F1マシンです。色は目立つのに戦績は確かに地味でした。このマシンの面白いところは、マシン開発の王道である風洞実験を用いず「数値流体力学(CFD)」に基づいた設計手法を採ったところ。いわゆるコンピューター上でデザインしたマシンということです。大掛かりな施設や機材も使いませんので、開発コストを抑えられる点も強みです。イマドキな感じがしますよね。成績がよければ何よりですが、オフシーズンの合同テスト中にウィングが脱落したり、予選前のフリー走行でホイールナットの締め付け不足によりタイヤが取れるなど、、な成績でした。
Q⑤
ヒント:あるマシンのピット作業です。色からして一世代前のシルバーアロー晩年仕様のようです。注目すべきはサイドポンツーンの開口部。古くは縦の楕円型や長方形、そして丸みを帯びた逆三角形に変化した開口部ですが、近年は非常に小型化されるのがトレンドとなっています。このマシンは何とも珍しいL型の開口っぽいですね。
引きの画像で見ても、タイヤとタイヤの間にまるでもう一輪のタイヤがあるかのような形状です。これで充分な冷却の吸気ができるのか心配になりそうですよね。溝をなす部分からエンジンカバー後方に向けて速い気流を流す目的、あとは側面衝突時の緩衝を目的としているようです。お陰でサイドのスポンサーロゴの歪みは小さく、はっきりと視認できます。戦績はなかなか上々でした。
Q⑥
ヒント:白地に黄緑とオレンジのアクセントはF1で少数派の色使いです。チームの母国のカラーを表しているかのよう。ドライバー頭上後方にあるエアインテークが低く、T型ピラー(ロールバー)がモロに開口を分断しています。このディテールは前年にあるワークスチームが改良型で取り入れたものに似ており、このマシンはそこのエンジンを搭載しています。ワークスの形を踏襲したのでしょうか。ノーズコーンは太めです。白がよりその存在感を前面に押し出しています。
Q⑦
ヒント:Q⑤でも登場したカーナンバー4の銀ギラなマシンです。ライバル達は個性的で目を覆いたくなるものも多い中、こちらもノーズコーンは薄く非常に滑らかに仕上げてあります。
ドライバービューからもツルピカって感じでしょう?!先程とどちらが先かはナイショですが、このチームは比較的美意識の高いチームです。ボスが厳格で綺麗好きな方でした。F1たるもの、無様な見た目ではイカン、美しくあるべきだ!なんて目が合う度に言われそう。采配も綺麗だとなおよかったのですが、そうでない年もしばしば。年々頭髪もマシンカラーと同様に円滑化していきましたなぁ。今は何してるんだろう、元気かな?!
Q⑧
ヒント:こちらは言うまでも無く、泣く子も黙る「ミスターF1」のあるマシンです。カーナンバーは5だぞ!よく見えるだろとでも言わんばかり。Q⑦と同じ年のライバルはこう。
ノーズに微妙な段差がありました。そしてノーズコーンがとても高い位置にありますね。フロントウィングのステーが紅い牙のように2本立ち上がり、今にも噛み付いてきそう。Tボーンクラッシュというマシン側面への安全対策として「ノーズ前端の高さは550mm以上、かつモノコック前端の高さは650mm以下」というレギュレーションのため、大半のチームが段差を設けざるを得ない時代でした。
Q⑨
ヒント:2台のマシンがバトル中。出題は向かって右、紅の14番です。このナンバーはコンストラクターランキングによる割り当てではなく、ドライバー個人の固定ナンバーになります。ドライバーは誰だかわかりますね。Q⑧と同じチームであることは明白ですが、極端にノーズコーンは下がりました。鼻の下をビローンと伸ばしたようでちょっぴり間抜けに見えます。これも当時はトレンドの一つでした。隣のマシンとはレギュレーションの解釈が異なります。ドライバーは贅沢にチャンピオン経験者を並べて臨んだこのマシン。名門復活に注力しましたが優勝無し、表彰台はたったの2回という近年稀にみる駄馬でした。チームもドライバーも面目丸潰れ。
Q⑩
ヒント:最終問題も先程と同じ画像から、向かって左のマシンです。同じ年でこうもマシンの顔が異なる。厳しいレギュレーションの下、このようなオリジナリティを盛り込めるのもF1マシンの醍醐味ですね。Q①にもあった「ノーズ先端の高さは地上から185mmとし、先端から50mm後方までの断面積を同一に9,000m㎡以上とする」というレギュレーションに対し、このチームはというと、
ノーズの先端を真下に垂れ下げて、ノーズコーン自体は高い位置に設定するという「拡大解釈」を採りました。確かにノーズ先端は低いですよ。間違いではありません。フロアに気流を思う存分取り込めちゃいます。巧みですね。さすが空力の鬼才と呼ばれた者のアイデア。
「さあみんな、最後まで諦めないでー」
「ビリでも頑張るぜい!」「た〜りら〜り、らっ!」
「ボス、真矢ミキにでもなったつもりスカ?!(笑)」
冗談はさておき、答え合わせしてみましょう!
A①:ロータスE22(2014)
A②:ケータハムCT05(2014)
A③:ウィリアムズFW38(2016)
A④:ヴァージンVR-01(2010)
A⑤:マクラーレンMP4-26(2011)
A⑥:フォース・インディアVJM04(2011)
A⑦:マクラーレンMP4-27(2012)
A⑧:フェラーリF2012(2012)
A⑨:フェラーリF14T(2014)
A⑩:レッドブルRB10(2014)
同じ年のマシンがいくつか固まってしまいましたね。次回はもう少しバラけた出題ができればいいなと思っています。
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Q①
ヒント:ん?疲れ目かな。ノーズコーンが2つあるように見える。大丈夫、正常です。このマシンはノーズコーンが2本あります。2010年代を代表する珍デザインですね。この時代はこの後もいくつか出てきますが、様々なノーズコーンの形状が登場し、決してカッコいいと言えないものが多くあります。それは何も好きでこういう形にしているわけではありません。レギュレーションに「ノーズ先端の高さは地上から185mmとし、先端から50mm後方までの断面積を同一に9,000m㎡以上とする」となったためです。
コンセントにも似たこの形状は片方がレギュレーションに即したノーズコーンで、もう片方がフロントウィングのステーをなすため、役割が異なり、かつ長さも異なっています。この絶妙な差がオツというか、ブサイクさを助長しています。
Q②
ヒント:これもまた滑稽な!理由はQ①と同様です。でもこちらはノーズ1本でステーも兼ねて、さらにノーズを規定ギリギリの細さの断面で単純に伸ばしたためにこうなりました。色はメタリックグリーンでなかなかシブいんですが、「ノーズコーンは黒いエリアですからね。レギュレーションに即してますからね」とわざわざ途中から四角く張り出しちゃったもんだからカッコ悪く見えてしまいます。前傾でグラベルに突っ込んだらティーのように突き刺さりそう(笑)貴重な日本人ドライバーがいたために注目されたファンも多くいたと思います。画像は前期型で、後期はもう少しノーズが滑らかに取り付くように改良されました。
Q③
ヒント:この白地にマルティニカラーといえば、アレでしょう?!まだ最近のやつなので記憶にありますよね。近年は地味な内容が続くこのチームのこのマシン、実はあるレコードホルダーでもあります。F1の本戦での最高速度記録を11年振りに更新したマシンです。F1は速度自体を競うスポーツではありませんが、F1を観る者、また乗る者、スピードに憧れを持つ方が多いと思います。その速度は予選時で378.0km/h、決勝は372.5km/hといずれも更新しています。気になる戦績は3位表彰台が一度キリ、コンストラクターランキングは5位でした。残念ながら、F1は「速さ=強さ」ではないようで。。
Q④
ヒント:攻撃的な赤と黒のカラーリングですね。こんなの見覚えないって?!一応F1マシンです。色は目立つのに戦績は確かに地味でした。このマシンの面白いところは、マシン開発の王道である風洞実験を用いず「数値流体力学(CFD)」に基づいた設計手法を採ったところ。いわゆるコンピューター上でデザインしたマシンということです。大掛かりな施設や機材も使いませんので、開発コストを抑えられる点も強みです。イマドキな感じがしますよね。成績がよければ何よりですが、オフシーズンの合同テスト中にウィングが脱落したり、予選前のフリー走行でホイールナットの締め付け不足によりタイヤが取れるなど、、な成績でした。
Q⑤
ヒント:あるマシンのピット作業です。色からして一世代前のシルバーアロー晩年仕様のようです。注目すべきはサイドポンツーンの開口部。古くは縦の楕円型や長方形、そして丸みを帯びた逆三角形に変化した開口部ですが、近年は非常に小型化されるのがトレンドとなっています。このマシンは何とも珍しいL型の開口っぽいですね。
引きの画像で見ても、タイヤとタイヤの間にまるでもう一輪のタイヤがあるかのような形状です。これで充分な冷却の吸気ができるのか心配になりそうですよね。溝をなす部分からエンジンカバー後方に向けて速い気流を流す目的、あとは側面衝突時の緩衝を目的としているようです。お陰でサイドのスポンサーロゴの歪みは小さく、はっきりと視認できます。戦績はなかなか上々でした。
Q⑥
ヒント:白地に黄緑とオレンジのアクセントはF1で少数派の色使いです。チームの母国のカラーを表しているかのよう。ドライバー頭上後方にあるエアインテークが低く、T型ピラー(ロールバー)がモロに開口を分断しています。このディテールは前年にあるワークスチームが改良型で取り入れたものに似ており、このマシンはそこのエンジンを搭載しています。ワークスの形を踏襲したのでしょうか。ノーズコーンは太めです。白がよりその存在感を前面に押し出しています。
Q⑦
ヒント:Q⑤でも登場したカーナンバー4の銀ギラなマシンです。ライバル達は個性的で目を覆いたくなるものも多い中、こちらもノーズコーンは薄く非常に滑らかに仕上げてあります。
ドライバービューからもツルピカって感じでしょう?!先程とどちらが先かはナイショですが、このチームは比較的美意識の高いチームです。ボスが厳格で綺麗好きな方でした。F1たるもの、無様な見た目ではイカン、美しくあるべきだ!なんて目が合う度に言われそう。采配も綺麗だとなおよかったのですが、そうでない年もしばしば。年々頭髪もマシンカラーと同様に円滑化していきましたなぁ。今は何してるんだろう、元気かな?!
Q⑧
ヒント:こちらは言うまでも無く、泣く子も黙る「ミスターF1」のあるマシンです。カーナンバーは5だぞ!よく見えるだろとでも言わんばかり。Q⑦と同じ年のライバルはこう。
ノーズに微妙な段差がありました。そしてノーズコーンがとても高い位置にありますね。フロントウィングのステーが紅い牙のように2本立ち上がり、今にも噛み付いてきそう。Tボーンクラッシュというマシン側面への安全対策として「ノーズ前端の高さは550mm以上、かつモノコック前端の高さは650mm以下」というレギュレーションのため、大半のチームが段差を設けざるを得ない時代でした。
Q⑨
ヒント:2台のマシンがバトル中。出題は向かって右、紅の14番です。このナンバーはコンストラクターランキングによる割り当てではなく、ドライバー個人の固定ナンバーになります。ドライバーは誰だかわかりますね。Q⑧と同じチームであることは明白ですが、極端にノーズコーンは下がりました。鼻の下をビローンと伸ばしたようでちょっぴり間抜けに見えます。これも当時はトレンドの一つでした。隣のマシンとはレギュレーションの解釈が異なります。ドライバーは贅沢にチャンピオン経験者を並べて臨んだこのマシン。名門復活に注力しましたが優勝無し、表彰台はたったの2回という近年稀にみる駄馬でした。チームもドライバーも面目丸潰れ。
Q⑩
ヒント:最終問題も先程と同じ画像から、向かって左のマシンです。同じ年でこうもマシンの顔が異なる。厳しいレギュレーションの下、このようなオリジナリティを盛り込めるのもF1マシンの醍醐味ですね。Q①にもあった「ノーズ先端の高さは地上から185mmとし、先端から50mm後方までの断面積を同一に9,000m㎡以上とする」というレギュレーションに対し、このチームはというと、
ノーズの先端を真下に垂れ下げて、ノーズコーン自体は高い位置に設定するという「拡大解釈」を採りました。確かにノーズ先端は低いですよ。間違いではありません。フロアに気流を思う存分取り込めちゃいます。巧みですね。さすが空力の鬼才と呼ばれた者のアイデア。
「さあみんな、最後まで諦めないでー」
「ビリでも頑張るぜい!」「た〜りら〜り、らっ!」
「ボス、真矢ミキにでもなったつもりスカ?!(笑)」
冗談はさておき、答え合わせしてみましょう!
A①:ロータスE22(2014)
A②:ケータハムCT05(2014)
A③:ウィリアムズFW38(2016)
A④:ヴァージンVR-01(2010)
A⑤:マクラーレンMP4-26(2011)
A⑥:フォース・インディアVJM04(2011)
A⑦:マクラーレンMP4-27(2012)
A⑧:フェラーリF2012(2012)
A⑨:フェラーリF14T(2014)
A⑩:レッドブルRB10(2014)
同じ年のマシンがいくつか固まってしまいましたね。次回はもう少しバラけた出題ができればいいなと思っています。
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コメント
コメント一覧 (2)
チーム名はわかるのですがなかなか何年のマシンかはわからない。
それでも1問目と2問目はすぐにわかりました。
あのノーズのインパクトは大きい。
9、10問目もカーナンバーをヒントに正解できました。
おはようございます。いつもありがとうございます。
(先日の燃料搭載量も先程お返事致しました)
チーム名は思い出せたりわかっても、
年やシャシー名はパッと出なかったり、
そもそもわからないというものがありますよね。
クイズの意義があってよかった(笑)
1,2問目の先っぽ、本当にインパクトがありました。
1は特に唯一無二ですよね。よくあの発想が出たと
逆に感心してしまいます。
お察しかと思いますが、以降は段々古い時代から
出題します。是非チャレンジしてみて下さいね!