先日の「擬似オーストラリアGP」はいかがでしたでしょうか。miyabikunの環境ではあれが出来る最大限でした。皆さん退屈なレースウィークを様々な形でお過ごしになったことと思います。開幕戦を終えると通常は「そのシーズンの出来栄えや勢力図」を考え、比較されることでしょう。しかし今シーズンはそれすら許されない状況となりました。近年はアルバートパークのオーストラリアGPとなり、サーキット特性上「真の実力や勢力図はわからない」という声がチーム関係者や有識者などが話されますよね。miyabikunもそう考えてきました。しかしそれは本当なのかという疑問を持ちました。本当に開幕戦、特にオーストラリアGPではわからないのか、それを今回データ上ではありますが、比較検証したいと思います。
《F1開幕戦の舞台とその回数》
22回 オーストラリアGP(アルバートパーク)
15回 アルゼンチンGP(オスカル・ガルベス)
10回 ブラジルGP(インテルラゴス、ジャカレパグア)
9回 南アフリカGP(イーストロンドン、キャラミ)
5回 モナコGP(モンテカルロ市街地)
2回 スイスGP(ブレムガルテン)
2回 アメリカGP(フェニックス市街地)
2回 バーレーンGP(バーレーン国際)
1回 イギリスGP(シルバーストン)
1回 オランダGP(ザントフォールト)
1回 アメリカ西GP(ロングビーチ)
※インテルラゴスは現在「ホセ・カルロス・パーチェ」に改称されていますが、それ以前から開幕戦として使用されているため、インテルラゴス表記としています。また同様の理由で「ネルソン・ピケ」は旧称のジャカレパグアとしました。
まずF1で積み上げられた過去70回の開幕戦を整理していきます。ご存知の通り記念すべきF1制定初回は1950年のシルバーストンでのイギリスGPに端を発します。以降様々な舞台で開幕戦が行われ、現在はオーストラリアのアルバートパークで定着しています。開幕戦最多開催はそのアルバートパークの22回となります。だいぶF1の開幕戦として定着してきました。miyabikunがF1を観始めた1990年代初頭はアメリカのフェニックス市街地やブラジルのインテルラゴスで開幕戦が行われていました。例外もありますが、多くはアルゼンチンやブラジル、南アフリカなど南半球エリアの開幕戦が多くなっています。我々からみたF1の開幕戦は3月や4月など春先の印象が強いですが、南半球での開幕となると、秋にあたります。
まずは以下で「開幕戦の結果とそのシーズンのチャンピオン」を比較していきます。
《F1開幕戦全結果とチャンピオンの関係性》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
31回 / 70回 =44.3%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
33回 / 70回 =47.1%
開幕戦最速を示すポールポジションと給油やタイヤ交換など戦略を加味した決勝優勝のドライバーとそのシーズンにチャンピオン獲得した確率を割り出しました。ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は44.3%、優勝者のチャンピオン獲得率は47.1%となっています。半数は割っているものの、なかなか高確率でチャンピオンを獲得している印象を受けました。
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
36回 / 62回 =58.1%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
37回 / 62回 =59.7%
こちらはドライバー単位でなく、チームとして優勢であるかどうかをみてみます。チャンピオンチームのエース、セカンド、サードドライバーがポールポジションや優勝した場合の試算です(ただし「ドライバーズチャンピオンを獲得したチーム」ではなく「コンストラクターズチャンピオンを獲得したチーム」としている点に注意して下さい)ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は58.1%、優勝者のチャンピオン獲得率は59.7%に当然ながら引き上がりました。こうしてみると、開幕戦を制したドライバーやチームは半分近い確率でチャンピオンを獲得する、つまり「シーズンを制している」ことがわかります。これを高いとみるか低いとみるかは各々に差が出る点だと思います。こちらはF1の全シーズンからの算出でしたので、様々なGPやサーキットの成績を含んでいます。ここからは本題である「アルバートパークではどうか」という点です。
《F1開幕戦がアルバートパークの場合》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
16回 / 22回 =72.7%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
12回 / 22回 =54.5%
アルバートパークでのF1は昨年までに24回行われており、開幕戦となったのは22回ありました。今年無事に行われていたら23回目となりました。この22回のみを抽出すると、ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は72.7%、優勝者のチャンピオン獲得率は54.5%でした。他のサーキットでの開幕戦と比べると、確率が下がるどころかむしろどちらも上がっているじゃん!「アルバートパークでの結果はシーズンの行方を占わない」はデマだったのか?!念のためコンストラクター単位でもみてみます。
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
18回 / 22回 =81.8%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
15回 / 22回 =68.2%
こちらも他の開幕戦戦績より高い確率となりました。こんな高い確率になれば、アルバートパークでも充分シーズンを占えているではありませんか。では開幕戦に続く第2戦ではどうなのかもみておきます。
《1996年以降のF1第2戦の舞台とその回数》
14回 マレーシアGP(セパン国際)
5回 ブラジルGP(インテルラゴス)
3回 バーレーンGP(バーレーン国際)
1回 オーストラリアGP(アルバートパーク)
1回 中国GP(上海国際)
アルバートパークで開幕戦が始まったのは以前に「過去のGP」でも振り返ったことのある1996年からでした。その年以降の第2戦の開催歴は今は無きセパンでのマレーシアGPが14回で最多、次いで開幕戦を明け渡した南米のブラジルGPの5回、そして今週末に第2戦として行われる予定であったバーレーンGPの3回となります。こちらの方がアルバートパークより高ければ、巷のジンクスの正誤が明らかになります。
《アルバートパークを除く第2戦結果とチャンピオンの関係性》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
14回 / 23回 =60.9%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
15回 / 23回 =65.2%
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
17回 / 23回 =73.9%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
16回 / 23回 =69.6%
単純比較すると、実のところ大きな差ではありません。最速を示すポールポジション獲得についてはアルバートパークの方が高い確率となっていますね。そういうことから考えても「アルバートパークでの開幕戦も充分勢力図を示せている」といえます。誰なんでしょうね、こういう先入観を植え付けたのは(笑)
開幕戦ではまだ各チーム、各ドライバーが馴染んでいない、手探りの状態にあるという点では「真の勢力図」は見えにくい、また常設サーキットでなくレースする環境で劣る、という言い方もできますが、シーズンを制するドライバー、チームはどこであっても速いし強いということがわかりました。あと、アルバートパークで開幕戦が行われる近年は特に「勢力図が開幕時から歴然と表れ、サーキット特性云々は関係無くなってきている」ということもあるかもしれません。今年は残念ながら気持ちよく開幕戦を迎えられることができず、さらには「一体どこで開幕できるのか不透明」なシーズンとなっています。果たしてどこで2020年シーズンを迎えられるのでしょうか。以上、くだらないけど「F1における気になる検証」でした。
にほんブログ村
《F1開幕戦の舞台とその回数》
22回 オーストラリアGP(アルバートパーク)
15回 アルゼンチンGP(オスカル・ガルベス)
10回 ブラジルGP(インテルラゴス、ジャカレパグア)
9回 南アフリカGP(イーストロンドン、キャラミ)
5回 モナコGP(モンテカルロ市街地)
2回 スイスGP(ブレムガルテン)
2回 アメリカGP(フェニックス市街地)
2回 バーレーンGP(バーレーン国際)
1回 イギリスGP(シルバーストン)
1回 オランダGP(ザントフォールト)
1回 アメリカ西GP(ロングビーチ)
※インテルラゴスは現在「ホセ・カルロス・パーチェ」に改称されていますが、それ以前から開幕戦として使用されているため、インテルラゴス表記としています。また同様の理由で「ネルソン・ピケ」は旧称のジャカレパグアとしました。
まずF1で積み上げられた過去70回の開幕戦を整理していきます。ご存知の通り記念すべきF1制定初回は1950年のシルバーストンでのイギリスGPに端を発します。以降様々な舞台で開幕戦が行われ、現在はオーストラリアのアルバートパークで定着しています。開幕戦最多開催はそのアルバートパークの22回となります。だいぶF1の開幕戦として定着してきました。miyabikunがF1を観始めた1990年代初頭はアメリカのフェニックス市街地やブラジルのインテルラゴスで開幕戦が行われていました。例外もありますが、多くはアルゼンチンやブラジル、南アフリカなど南半球エリアの開幕戦が多くなっています。我々からみたF1の開幕戦は3月や4月など春先の印象が強いですが、南半球での開幕となると、秋にあたります。
まずは以下で「開幕戦の結果とそのシーズンのチャンピオン」を比較していきます。
《F1開幕戦全結果とチャンピオンの関係性》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
31回 / 70回 =44.3%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
33回 / 70回 =47.1%
開幕戦最速を示すポールポジションと給油やタイヤ交換など戦略を加味した決勝優勝のドライバーとそのシーズンにチャンピオン獲得した確率を割り出しました。ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は44.3%、優勝者のチャンピオン獲得率は47.1%となっています。半数は割っているものの、なかなか高確率でチャンピオンを獲得している印象を受けました。
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
36回 / 62回 =58.1%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
37回 / 62回 =59.7%
こちらはドライバー単位でなく、チームとして優勢であるかどうかをみてみます。チャンピオンチームのエース、セカンド、サードドライバーがポールポジションや優勝した場合の試算です(ただし「ドライバーズチャンピオンを獲得したチーム」ではなく「コンストラクターズチャンピオンを獲得したチーム」としている点に注意して下さい)ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は58.1%、優勝者のチャンピオン獲得率は59.7%に当然ながら引き上がりました。こうしてみると、開幕戦を制したドライバーやチームは半分近い確率でチャンピオンを獲得する、つまり「シーズンを制している」ことがわかります。これを高いとみるか低いとみるかは各々に差が出る点だと思います。こちらはF1の全シーズンからの算出でしたので、様々なGPやサーキットの成績を含んでいます。ここからは本題である「アルバートパークではどうか」という点です。
《F1開幕戦がアルバートパークの場合》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
16回 / 22回 =72.7%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
12回 / 22回 =54.5%
アルバートパークでのF1は昨年までに24回行われており、開幕戦となったのは22回ありました。今年無事に行われていたら23回目となりました。この22回のみを抽出すると、ポールポジション獲得者のチャンピオン獲得率は72.7%、優勝者のチャンピオン獲得率は54.5%でした。他のサーキットでの開幕戦と比べると、確率が下がるどころかむしろどちらも上がっているじゃん!「アルバートパークでの結果はシーズンの行方を占わない」はデマだったのか?!念のためコンストラクター単位でもみてみます。
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
18回 / 22回 =81.8%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
15回 / 22回 =68.2%
こちらも他の開幕戦戦績より高い確率となりました。こんな高い確率になれば、アルバートパークでも充分シーズンを占えているではありませんか。では開幕戦に続く第2戦ではどうなのかもみておきます。
《1996年以降のF1第2戦の舞台とその回数》
14回 マレーシアGP(セパン国際)
5回 ブラジルGP(インテルラゴス)
3回 バーレーンGP(バーレーン国際)
1回 オーストラリアGP(アルバートパーク)
1回 中国GP(上海国際)
アルバートパークで開幕戦が始まったのは以前に「過去のGP」でも振り返ったことのある1996年からでした。その年以降の第2戦の開催歴は今は無きセパンでのマレーシアGPが14回で最多、次いで開幕戦を明け渡した南米のブラジルGPの5回、そして今週末に第2戦として行われる予定であったバーレーンGPの3回となります。こちらの方がアルバートパークより高ければ、巷のジンクスの正誤が明らかになります。
《アルバートパークを除く第2戦結果とチャンピオンの関係性》
ポールポジションとドライバーズチャンピオンが一致した回数
14回 / 23回 =60.9%
開幕戦優勝とドライバーズチャンピオンが一致した回数
15回 / 23回 =65.2%
ポールポジションとコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
17回 / 23回 =73.9%
開幕戦優勝とコンストラクターズチャンピオンが一致した回数
16回 / 23回 =69.6%
単純比較すると、実のところ大きな差ではありません。最速を示すポールポジション獲得についてはアルバートパークの方が高い確率となっていますね。そういうことから考えても「アルバートパークでの開幕戦も充分勢力図を示せている」といえます。誰なんでしょうね、こういう先入観を植え付けたのは(笑)
開幕戦ではまだ各チーム、各ドライバーが馴染んでいない、手探りの状態にあるという点では「真の勢力図」は見えにくい、また常設サーキットでなくレースする環境で劣る、という言い方もできますが、シーズンを制するドライバー、チームはどこであっても速いし強いということがわかりました。あと、アルバートパークで開幕戦が行われる近年は特に「勢力図が開幕時から歴然と表れ、サーキット特性云々は関係無くなってきている」ということもあるかもしれません。今年は残念ながら気持ちよく開幕戦を迎えられることができず、さらには「一体どこで開幕できるのか不透明」なシーズンとなっています。果たしてどこで2020年シーズンを迎えられるのでしょうか。以上、くだらないけど「F1における気になる検証」でした。
にほんブログ村
コメント