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今回は合同テストのラップタイムとタイヤについてです。ただし、このタイムはご存知の通り「記録され公表されたその日そのドライバーの最速タイム」のみを扱って整理していますので、ガソリンの搭載量や次点のタイム、タイヤを履き替えた際に上回られたもの、さらには各チームのテストプログラムカウントなどは考慮していません。

《個人ファステストラップ(全タイヤより)》
 1 ボッタス(メルセデス) 1分15秒732 C5 1-3
 2 フェルスタ(レッドブル)1分16秒269 C4 2-3
 3 リカルド(ルノー)   1分16秒276 C5 2-3
 4 ルクレール(フェラーリ)1分16秒360 C5 2-3
 5 ハミルトン(メルセデス)1分16秒410 C5 2-3
 6 オコン(ルノー)    1分16秒433 C5 2-3
 7 ペレス(レーシングP)   1分16秒634 C5 2-3
 8 サインツ(マクラーレン)1分16秒820 C4 2-3
 9 ベッテル(フェラーリ) 1分16秒841 C5 2-2
  10 ラッセル(ウィリアムズ)1分16秒871 C5 2-3

初めは純粋なラップタイムのベスト10です。速いラップは2回目の方が多く塗り替えられています。そんな中、最速は1回目3日目のメルセデスのボッタスがC5タイヤで記録した1分15秒732でした。昨年ベッテルが同じC5で記録した最速を0.5秒上回っていますので、マシンレギュレーションに変更がみられない今シーズンも確実なタイム向上が期待できます。何といってもウィリアムズのラッセルが好ラップで走れているのも嬉しい情報ですね。硬めのタイヤのタイム差をカバーできれば、本戦は昨年のようなグズグスにならずに済みます。上位はC5ばかりではなくレッドブルのフェルスタッペンがしっかりC4タイヤで好タイムをマークしており、完成度の高さを示せています。

《タイヤ別チーム別ファステストラップ》
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続いてタイヤ別チーム別のラップタイム位置付けをみてみます。全てのタイヤ、タイムをいっぺんに並べるとうなります。参考までに昨年のテストでの各タイヤ最速タイムと第5戦スペインGP予選のハミルトンによるポールタイム1分1 5秒406を破線で落としています。色分けは昨年までの色を使って表現したものの、案の定よくわかりませんね。いつものように以下でタイヤ別でチーム別のグラフを示して見やすくしていきます。

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 C5                     平均:1分16秒554
  メルセデス               1分15秒732 (最速)
  フェラーリ               1分16秒360
  レッドブル                       ー
  マクラーレン                   ー
  ルノー                      1分16秒276
  アルファタウリ        1分17秒066
  レーシングポイント 1分16秒634
  アルファロメオ        1分16秒942
  ハース                              ー
  ウィリアムズ            1分16秒871
  (参考2019最速) 1分16秒221

フェラーリ
最も柔らかいC5タイヤはレッドブル、マクラーレン、ハースの3チーム以外の記録となります。各チーム最速を平均すると1分16秒554と昨年の1分16秒221にも迫るタイムとなっています。テストは速いルノーの記録がほぼニアリーな感じ。

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 C4                    平均:1分17秒242
  メルセデス                       ー
  フェラーリ               1分18秒154
  レッドブル               1分16秒269 (最速)
  マクラーレン           1分16秒820
  ルノー                      1分17秒102
  アルファタウリ        1分16秒914
  レーシングポイント 1分17秒338
  アルファロメオ                ー
  ハース                      1分17秒037
  ウィリアムズ            1分18秒300
  (参考2019最速) 1分17秒114マクラーレン

こちらもおそらくスペインGPでは選択されないであろうC4はメルセデスとアルファロメオ以外の8チームの記録です。最速は先程のフェルスタッペンの1分16秒269で昨年のマクラーレンの最速より0.9秒速い。フェラーリはともかくウィリアムズの1分18秒300が離されてしまっています。C5のタイムを考えれば、そう心配するほどでもなさそうか。

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 C3                    平均:1分17秒745
  メルセデス               1分17秒313
  フェラーリ               1分18秒113
  レッドブル               1分17秒347
  マクラーレン           1分17秒573
  ルノー                      1分17秒749
  アルファタウリ        1分17秒456
  レーシングポイント 1分17秒118 (最速)
  アルファロメオ        1分18秒386
  ハース                      1分18秒225
  ウィリアムズ            1分18秒168
  (参考2019最速)   1分17秒709 レッドブル
  (参考2019P.P.)    1分15秒406

メルセデス
昨年のスペインGPで使用された「ソフト」C3は10チーム全てが記録を残しています。最速は何とレーシングポイントのストロールが2回目2日目に記録した1分17秒118です。やはりあのシャシーは速かったか。速いといってもタイム的には昨年の自身の予選にも及びません。それが「テスト」なんですよね。テストとはいっても、今までテスト最速を誇ってきたフェラーリの1分18秒113は心配してしまいますね。

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 C2                    平均:1分18秒112
  メルセデス               1分16秒976(最速)
  フェラーリ                        ー
  レッドブル               1分17秒550
  マクラーレン           1分18秒274
  ルノー                      1分17秒873
  アルファタウリ        1分18秒121
  レーシングポイント 1分18秒282
  アルファロメオ                 ー
  ハース                      1分19秒709
  ウィリアムズ                     ー
  (参考2019最速) 1分18秒097 メルセデス

C2はフェラーリ、アルファロメオ、ウィリアムズの3チームを除いた7チームによる記録です。ハースを除く5チームが昨年の最速付近のラップし、最速はメルセデスがしっかり獲っています。C2はスペインGPのみならず他のGPでも使用頻度が高いタイヤですから、マシンとのマッチングは重要ですね。

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 C1                      平均:1分18秒387
  メルセデス                1分18秒387
  フェラーリ                        ー
  レッドブル                        ー
  マクラーレン                    ー
  ルノー                               ー
  アルファタウリ                 ー
  レーシングポイント         ー
  アルファロメオ                 ー
  ハース                               ー
  ウィリアムズ                    ー
  (参考2019最速) 1分19秒367 ルノー

最も硬いC1はメルセデスのみの記録です。他のタイヤに比べるとGPでの登場頻度は高くありませんが、硬いタイヤが使いこなせるとレースの戦略の幅が広がりますよね。メルセデスだけは準備万端ということで。

昨年のテストでの最速タイムと今年の最速タイムを比較すると
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 C5:-0.489秒
 C4:-0.875秒
 C3:-0.591秒
 C2:-1.121秒
 C1:-0.980秒

となりました。ちゃんと今シーズンのマシン向上がみられますね。これならば、各GPでさらなるタイム更新がきたいできそうです。また、1段階硬いタイヤとのタイム比較は

 C5-C4:最速 -0.537秒 平均 -0.687秒
 C4-C3:最速 -0.849秒 平均 -0.503秒
 C3-C2:最速 +0.142秒 平均 -0.367秒
 C2-C1:最速 -1.411秒   平均 -0.275秒

でした。最速タイム比較だとC3とC2が逆転していますが、テストはさじ加減でいくらでも差が見られてしまうし、ガソリン搭載量やテストプログラムの差があるので、平均の方が信憑性があります。ちゃんとコンパウンド差が表れていますね。

《第5戦スペインGPの予選タイム予想?!》
今回も懲りずテストの内容から第5戦スペインGPの予選タイムがどのあたりになるのか予想立てします。まだスペインGPのタイヤコンパウンドは発表されていませんが、昨年と同様にC3が予選タイヤになるとしてそこから割り出すこととしました。ちなみに昨年は

 テスト後予想  C3     :1分15秒555
 実際予選P.P. C3 ボッタス:1分15秒406

根拠弱きヤマカンの割にはまあまあ近似値となりましたね。この要領で今回もいってみましょう。昨年のスペインGPでポールポジションを獲得したメルセデスの合同テストC3最速タイムをおさらいしてみます。

 2019テスト    メルセデスC3:1分18秒941
 2019予選        メルセデスC3:1分15秒406(P.P.)
                                                    差は3秒535

タイムの差は3.535秒でした。今回のテストで叩き出したメルセデスのC3最速タイム1分17秒313から、難しいことを考えず単純に秒を差っ引くと

 2020テスト    メルセデスC3:1分17秒313
                                                       差3秒535なら
 →2020予選予想ポールタイム :1分13秒778?!

トンでもないタイムが出ました。今の今の雰囲気であれば、トンが獲るんじゃないかと思われますが、このタイムはいくら何でも「マンガ」かな。ただドライであれば間違いなくボッタスのポールレコードは上回ってくるでしょうね。

以上、シーズン前テスト「タイムとタイヤ編」でした。どうなることかまだ定かではありませんが、F1開幕まで1週間を切りました。
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