昨年のアブダビGP開催前からちょうど2ヶ月ご無沙汰だった「過去のレース」シリーズです。今回のチョイスは1996年の第15戦ポルトガルGPにしました。エストリルサーキットで行われた今は無きGPの一つですね。

IMG_1700
96年はベネトンで2年連続チャンピオンを獲得したM・シューマッハのフェラーリ移籍、さらにアメリカで極めたJ・ヴィルヌーブがウィリアムズに加入し、二世ドライバーで固めてチャンピオンを争い合う体制で進行しています。ポイント上は先輩二世ヒルが先行して有利立場でポルトガル入りしていますが、前戦イタリアGPでウィリアムズを離れることが決まり、チャンピオン争いに加えて来シーズンの移籍先の話題で取材陣に追い立てられています。
IMG_1701
IMG_1699
一方でポイントは劣勢でも参戦1年目にして早くもチャンピオン争い絡むヴィルヌーブは「失うものはない」と余裕です。ただ単なる新人ではありませんからね、髪は少なくとも実績と貫禄はたっぷり。

IMG_1703
予選はヒルが制して有終の美といきたいところ。ヴィルヌーブはレコードライン外の偶数2番手に。次戦日本GPを前に、ティレル・ヤマハの片山は相方サロに少し及ばず、全20台中14番手発進となります。

《予選結果》
 1 D・ヒル    (ウィリアムズ・R)
 2 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・R)
 3 J・アレジ   (ベネトン・R)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

IMG_1704
IMG_1705
スタートで2番手ヴィルヌーブは大失敗!テールをスライドさせて3番手アレジと真後ろ4番手スタートのシューマッハに先行を許してしまいます。トラック幅は狭く抜き難いエストリルでヒルとの間に厄介な2人を挟んでしまいました。
IMG_1706
気持ちよく逃げるヒル。
IMG_1709
予想通り2位隊列に阻まれるヴィルヌーブ。やはり1年目チャンピオンはそう易々と獲らせてもらえないか?!
IMG_1710
アクションを起こしてシューマッハにプレッシャーを与えますが、なかなか隙を与えてもらえません。
IMG_1711
俺を抜くなど5年は早いわとツボを押さえるシューマッハ。15周目のラスト、大きな右180°の最終コーナー「パラボリカ・アイルトン・セナ」の外側から何かが並んでくる。
IMG_1712
MS「えっマジかよ、外側からだぞ?!」
IMG_1713
オンボードでもその姿が徐々に大きくなり、メインストレートで並んでかわす。
IMG_1716
コーナー外側は当然走行距離も長くなりますし、前車(シューマッハ)の乱流を伴います。それをもろともせず、1年目の大物二世は2回王者を簡単にあしらっていく。さすがですね、インディカーでオーバルを制してきた「F1新人」
IMG_1718
IMG_1720
ヴィルヌーブは22周目にアレジもかわして、いよいよターゲットとのタイマン勝負に挑んでいきます。
IMG_1721
1周で0.9秒早いラップ。みるみるうちにテールトゥノーズですよ!でも無理はしない。接触してリタイヤしてイタい立場になるのはヴィルヌーブの方。
IMG_1723
IMG_1725
ヒルからピットイン、8.8秒停止。この間にヴィルヌーブは最後の力を振り絞り飛ばす!同じマシンのチャンピオン争いはチームも緊張が走りますね。爪が無くなるまで噛んでしまいそうだ。
IMG_1726
IMG_1727
48周目のヴィルヌーブは8.0秒ピット。さあヒルとの位置関係は?!
IMG_1728
IMG_1729
僅差でヴィルヌーブが前に。ヒルも当然無理はしません。2位フィニッシュならばまだ最終戦日本GPで無理なく決着できます。

IMG_1732
《決勝結果》
 1 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・R)
 2 D・ヒル    (ウィリアムズ・R)
 3 M・シューマッハ(フェラーリ・F)

IMG_1733
ヴィルヌーブ屈指の名パッシングがみられたGPでした。
IMG_1735
IMG_1736
そしてチャンピオン争いは最終戦の日本GPに持ち越されることとなります。ヒルがチャンピオンになれば史上初の「F1親子チャンピオン誕生」となりますし、ヴィルヌーブがなれば「参戦1年目チャンピオン」さらに「父ジルの敵討ち」を果たします。どちらがなっても話題性の高いシーズンでしたね。今までもF1には二世ドライバーや兄弟ドライバーが何組かいましたが、当時はこの2人ほど好成績を残した息子は現れませんでした。そしてこの頃はウィリアムズも輝いていましたよね。これはもう四半世紀近く前の話です。
IMG_1737

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村