日本GPを終えるとアジアを離れてアメリカ大陸に戦いの場を移すわけですが、今シーズンは例年のアメリカGPではなく、メキシコGPです。日本からみたら、このシーズン終盤のアメリカ大陸決戦3連戦、メキシコ、アメリカ、ブラジルは「時差との戦い」でもありますよね。それもメキシコとアメリカは2週連続開催ですから、miyabikunの歳でもリアルタイム観戦がキツいGPです(笑)今回は先に2002年にインディアナポリスで行われた第16戦アメリカGPを振り返ります。
今まで95戦のレースを振り返ってきましたが2002年はほとんど取り扱ってきませんでした。想像がつくと思いますが、なぜなら「つまらない」からです。前回振り返った2001年でベテランドライバーのハッキネン、アレジが引退し、世代交代とM・シューマッハの独壇場となりました。勢力図に変化があり、若手の台頭はみられるものの、アメリカGPまでの15レースで第2戦マレーシアGPのR・シューマッハ、第7戦モナコGPのクルサードを除いた残り全てはフェラーリが優勝。ドライバーズチャンピオンは第11戦フランスGP時点でM・シューマッハに、コンストラクターズチャンピオンも第12戦ドイツGPで決定してしまいました。このアメリカGPもいわゆる「消化試合」と呼ばれる期間に行われたもので、レース自体はとてつもなく退屈なものの一つですが「2002年シーズンの縮図」ともいえるレース内容と結果にみえるため選定しました。

予選はフェラーリのM・シューマッハが全く危なげなく唯一の1分10秒台のポールポジションを獲得し、2番手は0.268秒遅れのバリチェロ。3番手以降はマクラーレンのクルサードとウィリアムズのモントーヤがトップから0.62秒遅れとなり、一強+一人+一人と今シーズンにも似たような三強のパワーバランスとなっています。ジョーダン・ホンダからF1デビューの佐藤琢磨は先輩フィジケラからだいぶ遅れた予選は15番手でした。
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《予選結果》
   1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
   2 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)
   3 D・クルサード (マクラーレン・M・MI)
   ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン

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インディ500の舞台でもあるインディアナポリスはF1の場合インディ500とは逆の左回り(時計回り)で行われます。後方のお相手はバリチェロに任せ、 M・シューマッハはそんなことお構い無しにスムーズな加速を決めます。

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F1には鬼門となる最終バンクを抜け、2周目はF1参戦前に「逆走で優勝したことがある怪獣」と「レースの先頭もF1シーズンも独走する人の弟」のウィリアムズ対決が勃発します。
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弟はブレーキを粘り過ぎて接触、リヤウィングをプラモデルのように綺麗に破損。
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シンプルだけど無いとやっぱり寂しいです。大昔のF1マシンはありませんでした。P・ヘッドは呆れる。
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リヤウィングを破損すると修復不能かと思いきや、綺麗に壊せばフロントウィングのように交換は可能なのを知りました。リヤウィングを壊す時は大抵他の大切なセクションまでダメージがありますもんね。

フェラーリ2台は遠くあさっての方角に逃げてしまいました。序盤のウィリアムズ対決に続くはこの年デビューのトヨタ、サロとマクニッシュです。
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同じ戦闘力のマシン、トップが遠く離れ、シーズンも終盤の消化試合ともなると、ライバルはチームメイトということになります。サロとマクニッシュの2人はこのシーズンを最後にF1を離れています。

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F1とインディカーは同じオープンホイールの最高峰と言われつつも勝手は異なります。ただ、オーバルを走るコツは共通している部分があるのかもしれません。1995年にインディ500を制し、97年にはF1も制したBAR・ホンダのヴィルヌーブが2年目にしてマクラーレンのシートに座るライコネンを12周目のバンク出口で捉えて
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腐っても、薄くなってもチャンピオン経験者。
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ライコネンには矢継ぎ早にさらなる試練が続きます。2000年のインディ500を制して同じく01年からF1に道場破りをかけたモントーヤも16周目のバンクでロックオン
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すぐに近付く。
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インディカーにはF1と異なる良さや魅力がある。F1にはインディカーと異なる良さや魅力があります。2年生、頑張れ!

母国GPの無いモントーヤにとっては、ココが半分故郷みたいなサーキット。4位で落ち着いた31周目に突如ピットイン。慌てるピットクルー
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「な、なんなんだ、アイツ、、、」
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「おい、入ることは聞いとったのか?」
「いえ、、、あ、はい、聞いておりました」
無線やりとりの不行き届きだったとのことですが、俺のペースがチームのペースとも言わんばかりがモントーヤらしいです。順位を落としますが、フィニッシュまでにしっかり4位を取り返しています。

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スタートからぶっち切りのフェラーリ2台はピットインで順位を一度落としますが、それはあくまでチーム内での話。他のチームと干渉することなくファイナルラップへ。
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バリチェロがM・シューマッハの背後にみるみる近付いてくる。
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サイドバイサイド、とはちょっと違うか、2台が横並びに。
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「さあ来るぞ!優勝はウチのもの。どっちだ?」
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2台が並んだままチェッカーフラッグが振られました。

《決勝結果》
   1 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)
   2 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
   3 D・クルサード (マクラーレン・M・MI)

優勝は0.011秒差でバリチェロの手に渡りました。これでバリチェロがシーズン4勝目となり、チームとしては16戦を終えて14勝となりました。
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RB「いいの?本当に本当にぃー?!」
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MS「いいよーいつも世話かけて、悪いしね」

チームからの指示だったのかと詰め寄られるR・ブラウン
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シューマッハに聞いてみないと、、とはぐらかす。

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近年はメルセデスが勝ち続けていますが、ここまで極端な内容には至っていないと思いたいです(シーズン序盤はヒヤヒヤしましたね)当時はチームオーダーが禁止されており、このレース展開や勝者の操作は物議となりました。 F1として速いマシンと強いドライバーを目にすることができるのは嬉しい限りですが、1チームが独占してしまったり、このようにライバルをあざ笑うかのようなレース展開と勝者決定は望ましいものではありません。エンターテイメントでもあり、スポーツです。そこをうまく制御するのはチームやドライバーではなく、主催者側の責任でもあります。一つ突出するものを抑制すれば実力や努力は実らなくなりますし、方ややりたい放題させてしまうと、お金や政治がモノをいう格差が生まれてきます。エンターテイメントとスポーツ、両立するのは永遠の課題です。

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