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真っ赤に染まるモンツァのスタンドの声援に応えるベルガー。それには深い意味がありました。ベルガーはこのシーズンをもってフェラーリから二度目の離脱を発表しており、この年が最後のフェラーリドライブになるからです。翌年からは水色ベネトンへ移籍します。
フェラーリ最後のモンツァはベルガーだけではありません。プロストの跡を継ぎ、若くしてフェラーリのエースを仰せつかったアレジもフェラーリを去ります。
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不満タラタラ。伸び盛りの若き才能の障害となった名門は、チーム再建に出て日の浅いドイツの怪物を選択しています。この時期になると来期のシートで騒つき始める1995年の第12戦イタリアGPです。

その怒りや不満を走りにぶつけてもらいたいところですが、残念ながらフェラーリの予選はベルガー3番手、アレジ5番手とイマイチ奮いませんでした。ポールポジションは第2戦アルゼンチンGPで初ポールを獲得したばかりのウィリアムズのクルサードが2回目。2番手は渦中のM・シューマッハと世代交代の気配は否めません。
日本人ドライバーは2人出走し、ティレルの片山右京が17番手、フットワークの井上隆智穂は20番手でした。

《予選結果》
   1 D・クルサード     (ウィリアムズ・R)
   2 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   3 G・ベルガー        (フェラーリ・F)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

フォーメーションラップを行う各車。
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これは第1シケインの空撮です。今とはレイアウトが違うでしょう。さあさあ皆さん、タイヤを温めてレースに備えて下さい。とココで2番手シューマッハのオンボードカメラで珍しい光景を捉えています。砂煙が上がる。前を走っているのって
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そう、クルサード。アスカリシケインでコースオフしています。前座レースのオイルに足を取られたとのこと。あーあ。
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クルサードは自力で隊列に戻りますが、ポールポジションスタートの権利はありません。先頭がガラ空きって、何だか締まりませんね。
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スタート!シューマッハが余裕で加速をしていくと、両側から赤のフェラーリに挟まれていく。ベルガーもアレジも完璧なダッシュを決めてきました。
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さっきのアスカリシケイン出口もクルサードがまき散らかした「余韻」を感じつつ、ベルガーがピッタリとシューマッハから離れません。トップがパラボリカに滑り込む頃、アスカリシケインが騒がしい。ワイドに色々散らばっている?!
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ほら!やっぱり。
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リジェのパニスとフットワークのパピス(名前が似ている)がクルサードの引っかかったオイルトラップ、いやクルサードのばら撒いたサンドトラップに引っかかったか、スピンを喫し、トラックを横切れば、あとはぐちゃぐちゃです。
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そんな暴動もつゆ知らずのベルガーは無心にシューマッハを攻め続け、第1シケインで前に出る。ティフォシの前だと、力がメラメラ湧いてくるものなんでしょうか。
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しかし気持ちよくトップでグランデを通過すると、ロッジアで赤い旗を持ったマーシャルに止められる。赤旗再スタートです。理由はこの先のアスカリがぐちゃぐちゃだから。

再スタートということは、今のは無かったことにしてもう一度スタート位置に就くということ。予定した位置、ポールポジションは?!
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「そう、僕なのでーす!」
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「あはは、でかしたぞデビッド!」
四角いクルサードが丸く収まりました。でかしたのは土曜日であって、むしろさっきはしくじった側なのですが、これでフランクの開いた口が塞がります(笑)
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またグリッドが2つ歯抜けだけど、改めてスタート。
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またまた3番手ベルガーの蹴り出しがよく、シューマッハをかわし、トップのクルサードについていきます。

12周目のロッジア入口
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クルサードがまた単独スピンを喫してグラベルに飲まれています。マシンの挙動がおかしい。
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また口が開き出す。ピットに戻ると、右フロントのホイールベアリング不調で走行不能と判断されて、今度はリタイヤ。レース中に故障したのか、はたまたフォーメーションラップのコースアウトで傷めたのか、お騒がせクルサードはここまで。

トップは余裕のベルガー、少しギャップをおいてシューマッハ、ヒル、アレジと続きます。
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23周目に周回遅れの対応もあってシューマッハとヒルが近付きます。モンツァはスリップストリームを使ってパッシングするのが王道です。シューマッハがグランデ出口で井上をかわして、次はヒルの番。
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今日何回もお目見えしているメルセデスの看板が見えてきました。ロッジアですね。ヒルはイン側から井上をかわすラインを採りました。
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するとブレーキングを開始したシューマッハのリヤが急接近してきます。
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押し出して、2台は反時計回りに仲良く同調したままスピン、グラベルへ。
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ヒルはシューマッハと井上の背後にいましたから空気も薄く、またロッジアのブレーキングも控えていたためリスキーでした。パッシングの判断と動作開始が遅かったように思えます。砂煙の立ち上る中、シューマッハは足早にヒルに駆け寄り文句を言いにいく。
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こういう接触は近年も度々見られますね。この件はヒルに非があります。殴り合いにならなくてよかった。

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トップのベルガーがピットを終えて本線復帰すると、暫定で先頭アレジ、2位ベルガーが続いていく(アレジのリヤウィング右側の黒いカメラに注目しておいてください)
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モンツァでティフォシはこれを待っていた!ボルテージが上がります。
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しかし32周目のまたまたロッジア進入でベルガーが突如タイヤスモークを上げて、左フロントタイヤを変な方向に曲げています。実は前を走るチームメイトのアレジのリヤウィングに搭載されたカメラがグランデで脱落、直後のベルガーの左フロントサスペンションに衝突してしまうというあわや大事故になりかねないものでした。

ベルガー申し訳ない!アクシデントとはいえ、ちょっと心配なアレジ(さっきまであったリヤウィングのカメラがなくなっています)そんなアレジも他人事ではなかった。
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右リヤのホイール内から火が出ています。ブレーキング時にブレーキディスクが赤く焼けて光ることがありますが、これはそれと違う。
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「アレジだけでもどうにかなりませんかねぇ」
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どうにもなりませんでした。アレジはリヤのホイールベアリング不調。一瞬ワンツーを予感させた地元の名門は一瞬で姿を消して店じまい。
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「ジャン同士、あっちで慰労会やろう、なっ!」

荒れに荒れたモンツァは出走24台中完走10台。53周を走り切ったのはわずか4台。優勝はふて腐れるこの方。
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第8戦イギリスGPに続く2勝目。日本人はトップドライバー2人もろともあしらった井上が8位完走、片山は10位完走となっています。

《決勝結果》
   1 J・ハーバート           (ベネトン・R)
   2 M・ハッキネン         (マクラーレン・M)
   3 H・H・フレンツェン(ザウバー・Fo)
   ※Foはフォードエンジン

ハーバートってぱっと見がシューマッハに似ているんですよね。どの辺がって、あの辺やこの辺がです(笑)あんなヤツと一緒にするなって、ハーバートに怒られちゃう?!
メルセデスエンジンを得て伸び盛りのハッキネンは当時最上段となる2位表彰台、フレンツェンはこれが初表彰台でした。

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地元で残念な結果に終わったフェラーリ。期待通りにいかないのは近年も変わらずですね。今シーズンは先日のベルギーGPでようやく優勝を挙げて、このイタリアGPも優勝が可能なマシンを持ち合わせています。今のフェラーリの問題はマシンやドライバーというより、脆弱で優柔不断な戦略面カナ。

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