今年もシーズンオフにフジテレビNEXTでは「F1 LEGENDS 20XX」やっていましたね。懐かしかったですよね、ご覧になりましたか?!名レースがたくさんありました。9レース全てがこのブログで振り返っていましたが、やっぱり動画には敵いません。また思い出したくなったらブログのバックナンバーも是非ご参照下さい。
近年で(といっても10年ほど前にはなりますが)話題性充分の鮮烈デビューといえばハミルトンが思い付きます。デビュー前から大事に育てられ、優勝経験ドライバーを差し置いての起用と前評判以上の初戦とチャンピオン争いを繰り広げてくれました。彼はデビューから素晴らしいスタートを切りました。その一つ前の時代の大型新人といえばさらに10年以上前のJ・ヴィルヌーブがいましたよね。ハミルトンも下位カテゴリーで充分な実績をもっていましたが、ヴィルヌーブはそれをも上回る世界三大レース「インディ500」の前年覇者でした。父は人気あるフェラーリドライバーのG・ヴィルヌーブ、親の七光りだけではない実績も兼ね備えたその注目のデビュー戦、1996年の開幕戦オーストラリアGPを振り返ります。定着したアルバートパークでのオーストラリアGPはこの年が初開催です。なかなか数も増えてきた「振り返るシリーズ」でも実はこのシーズンは初になります。好きなシーズン、印象に残るレースに偏りがありましたね。今後もさらに視野を広げてピックアップしていきたいと思います。
惜しまれつつ若くして事故死したG・ヴィルヌーブは過去のビデオと雑誌の写真でしか知りません。なかなか可愛らしい顔してますよね。息子のJ・ヴィルヌーブはどうしてもハゲ散らかってメガネをかけているため印象がそちらに向いてしまいがちですが、メガネの奥の目は父親に似ていると思います。ベネトンのM・シューマッハになかなか歯が立たない二世、D・ヒルと「二世コンビ」でウィリアムズはシーズンに入りました。
一方で倒したい相手M・シューマッハはベネトンから不振の続くフェラーリへ移籍。マシンや戦略を兼ね備えたチームを離れたことで、ウィリアムズ以下からしたら絶好のチャンスといえます。記念写真は偉そうに座るチャンピオンの隣に新人が。大抵はライバルのエースドライバーが座ることが多いのですが、、このあたりから「エースの座」を早くも奪われていませんか?フリー走行もヴィルヌーブがトップを連ねる結果からも早くも心配してしまいます。
注目の予選は敵がいないウィリアムズのヒルがまずシューマッハを上回ってトップタイムを更新します。が、やっぱり流れは変わらずデビュー戦にして初ポールを易々と獲得してしまう形に。ヒルはいつもの「あーー!」頭を抱える。
前の人は祝福され、後ろの人は言い訳カナ?!ヒルって見かけによらず背が高いので、隠れたくても写ってしまいます。
ちなみに初出走初ポールはこれを含めて歴代で5人おり、このヴィルヌーブが現時点で最後となっています。さすがのハミルトンも6戦目でした。
1 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・R)
2 D・ヒル (ウィリアムズ・R)
3 E・アーバイン (フェラーリ・F)
※タイヤはグッドイヤーのワンメイク
この年からシグナルは赤から青点灯でなく、今に続く赤消灯のスタートに変更になっています。F1はスタート位置が勝敗ではない(今では少しその気が無くもないが)ならば新人のスタンディングスタートはどうか。
危なげないです。逆に危なげなのはヒルの方。
2コーナーの切り返しでハーフスピンし、赤の歩兵に切り込まれています。早くも挙動不審。
問題は中団で3コーナーの進入でジョーダンのブランドルが浮いて
側転からのクルクルがっしゃん!少し前にマクラーレンのアロンソもやったやつです。ブランドルは無事でしたが、今シーズンから採用されるハロはこんな時にも役に立ちそうですね。ココはラインがタイトなので位置取りに失敗すると詰まって接触してしまいます。今年にも言えることです。赤旗で仕切り直し。
再スタートはヒルもしっかり腰を据えてウィリアムズのワンツーで進行していきます。
その次に位置するフェラーリはシューマッハがピットで調整に手間取り20秒以上出発できず大きなタイムロスとなります。開幕までに完熟できなかったシューマッハは32周でリタイヤ。
ウィリアムズが3位アーバインに30秒近いマージンを築き余裕。優勝争いが2人に絞られるとトップのヴィルヌーブに異変
コースアウト。オイル系に不調が出始めてヒルとの差が接近します。ヒルのマシンはヴィルヌーブのオイルを被って黄ばんでいます。
初出走初ポールからの初優勝を狙ったヴィルヌーブでしたが、この状況にチームはヴィルヌーブにスローダウンの指示が与えられて順位を入れ替え。マシンを汚したヒルが開幕戦を制しました。
《決勝結果》
1 D・ヒル (ウィリアムズ・R)
2 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・R)
3 E・アーバイン (フェラーリ・F)
ウィリアムズの圧勝でした。一度ベネトン×シューマッハに奪われていたトップランカーを取り戻すべく名門復活の兆しです。いいレースができたと語るヒル。確かに宿敵シューマッハがフェラーリに移籍してくれたチャンスと確信できるレースにはなりましたが、最も身近にいるライバルにも手を焼くことになることも明らかになった開幕でした。開幕戦は本来この様な番狂わせや勢力図が明らかになることが醍醐味でした。近年は「決まり切ったシナリオ」となって久しいです。
コメント
コメント一覧 (2)
そして前年の最終戦のオーストラリアと翌年の開幕戦のオーストラリアを連続で制するという珍記録も生まれましたww
この年のヒルはシューマッハがフェラーリ再建のためにチャンピオン争いには加われない状況という(それでも3勝上げるあたりはさすがというか・・・)中でチームメイトとの対決を制して初代親子チャンピオンに輝きましたね。
こんばんは。
面白いですよね。オーストラリアGPの後にまた
オーストラリアGPだったんですから。
それもサーキットが違うという。
ヒルは苦労していましたよね。いいマシンで期待は
されつつもライバルもチームにも強烈なのに挟まれて。
今もたまに姿を見せてくれていますが、ダンディで
カッコいいです。
息子もF1で走れていたらよかったのに。