今シーズンのまとめはしつこく3回目です。今回が最後なのでmiyabikunの備忘録、ワガママにお付き合い下さい。今回はサーキットとタイム、速度、エンジン絡みです。

《サーキット別完走数/完走率と同一周回順位》
第1戦  オーストラリアGP    完走13台 / 65.0%
   1位ベッテルに対し6位までが同一周回
第2戦  中国GP                      完走15台 / 75.0%
   1位ハミルトンに対し7位までが同一周回
第3戦  バーレーンGP           完走14台 / 70.0%
   1位ベッテルに対し10位までが同一周回
第4戦  ロシアGP                  完走16台 / 80.0%
   1位ボッタスに対し8位までが同一周回
第5戦  スペインGP               完走16台 / 80.0%
   1位ハミルトンに対し3位までが同一周回
第6戦  モナコGP                   完走15台 / 75.0%
   1位ベッテルに対し13位までが同一周回
第7戦  カナダGP                   完走16台 / 80.0%
   1位ハミルトンに対し8位までが同一周回
第8戦  アゼルバイジャンGP 完走14台 / 70.0%
   1位リカルドに対し12位までが同一周回
第9戦  オーストリアGP        完走16台 / 70.0%
   1位ボッタスに対し12位までが同一周回
第10戦 イギリスGP              完走17台 / 85.0%
   1位ハミルトンに対し7位までが同一周回
第11戦 ハンガリーGP           完走17台 / 85.0%
   1位ベッテルに対し6位までが同一周回
第12戦 ベルギーGP              完走17台 / 85.0%
   1位ハミルトンに対し16位までが同一周回
第13戦 イタリアGP              完走18台 / 90.0%
   1位ハミルトンに対し9位までが同一周回
第14戦 シンガポールGP       完走12台 / 60.0%
   1位ハミルトンに対し11位までが同一周回
第15戦 マレーシアGP           完走18台 / 90.0%
   1位フェルスタに対し6位までが同一周回
第16戦 日本GP                      完走15台 / 75.0%
   1位ハミルトンに対し9位までが同一周回
第17戦 アメリカGP               完走16台 / 70.0%
   1位ハミルトンに対し7台までが同一周回
第18戦 メキシコGP               完走15台 / 75.0%
   1位フェルスタに対し4位までが同一周回
第19戦 ブラジルGP               完走16台 / 70.0%
   1位ベッテルに対し9位までが同一周回
第20戦 アブダビGP               完走18台 / 90.0%
   1位ボッタスに対し8位までが同一周回

平均完走台数 15.7台/78.5%

昨シーズンは2箇所あった全車完走はありませんでした。完走率も4%ほど下がり、必ずどこかのサーキットでリタイヤがあります。リタイヤが少ないサーキットはいずれも後半のイタリア、マレーシア、アブダビの3箇所で18台完走。逆に最も多かったのはスタート直後で上位3台が一瞬で消えたシンガポールの12台、続いて開幕戦オーストラリアの13台となっています。
またトップと同一周回についてはスペインの3台、メキシコが4台までとなっており、逆にベルギーが16台でした。必ずしもはっきりとした断言はできませんが、コンディションのよくなかったイタリアを除くと「パワー要素が高い」サーキットについてはトップとの差が大きく出て、一周の距離が長い、また追い抜きの要素が少な目なサーキットについては同一周回フィニッシュできる(トップとそう離されない)可能性が昨シーズンと比較しても高く出る傾向があるようにみえます。当然と言えば当然な結果ですね。

《予選トップタイムと各チームの差》
先日からみてきた予選結果のトップタイムと他車の差をシーズン全体でグラフ化しました。
後半戦でのまとめでも書いたように、レッドブルがメルセデス、フェラーリと4位以下のチームとを0.5〜1.0秒隔てる壁をなしています。昨シーズンにはみられなかった傾向です。出足の遅かった序盤はフェラーリとも離れた位置にいましたが、大器晩成型で後半戦にはうまくトップ2に絡めてきています。本来はこのようにレースを重ねて進化してくるのが理想的ですね。ほか、昨シーズンと異なる点はグラフの地を這うようにトップを貫いてきたメルセデスにフェラーリが僅差で食らいつき、上回るラップができた点です。チーム内チャンピオン争いから、他チームの争いにしてくれたはありがたい演出でした。結果的にはメルセデスがダブルタイトルを獲得するも、大幅マシンレギュレーション変更がいい形で利きました。昨シーズンは酷過ぎた戦略も今シーズンは早い段階から徹底していました。2年連続で4番手チームを確立したフォース・インディアの課題はエンジンパワーとドライバーの堅実さに依らない、予選一発の速さが欲しかったと思います。決勝も常にチームメイトが敵であり、後ろは寄せ付けなくとも三強にもついていけませんでした。

第1戦  オーストラリアGP     -1.649秒 / 98.0%
第2戦  中国GP                       -3.724秒 / 96.1%
第3戦  バーレーンGP            -0.724秒 / 99.2%
第4戦  ロシアGP                   -2.223秒 / 97.7%
第5戦  スペインGP               -2.851秒 / 96.5%
第6戦  モナコGP                   -1.444秒 / 98.0%
第7戦  カナダGP                   -1.353秒 / 98.1%
第8戦  アゼルバイジャンGP -2.165秒 / 97.9%
第9戦  オーストリアGP        -3.671秒 / 94.6%
第10戦 イギリスGP              -2.687秒 / 97.0%
第11戦 ハンガリーGP           -3.689秒 / 95.4%
第12戦 ベルギーGP              -4.191秒 / 96.1%
第13戦 イタリアGP              13.525秒 / 116.7%
第14戦 シンガポールGP       -3.093秒 / 97.0%
第15戦 マレーシアGP           -2.774秒 / 97.0%
第16戦 日本GP                      -3.328秒 / 96.3%
第17戦 アメリカGP               -1.891秒 / 98.0%
第18戦 メキシコGP               -2.216秒 / 97.2%
第19戦 ブラジルGP               -2.414秒 / 96.6%
第20戦 アブダビGP              -2.524秒 / 97.4%

イタリアを除く平均タイム   -2.558秒 / 97.1%
続いて2016年とのトップタイム差比較の全戦版です。元データがラップタイムとなっているため、デコボコで見辛い点はご了承下さい。雨となったイタリアを除く19サーキットにおいてタイム更新があり、サーキットレコードをも上回ってきました。高速コーナーが多めのサーキットで大幅短縮がみられ、短縮率トップは最長で最大の高低差を有するベルギーのスパ・フランコルシャンの4.2秒でした。ただし、割合からいくと全長の短いオーストリアのレッドブルリンクが最大で、短縮率は94.6%となります。
ちなみにもしイタリアが晴れて、本気モードで走れていたら?!今年のフリー走行2回目の最速タイムがボッタスの1分21秒406であり、歴代最速は2004年バリチェロによる1分20秒089、2016年のポールタイムはハミルトンの1分21秒135でした。フリー走行は最速から1.3秒落ち、2016年から0.3秒下回るものになります。大抵フリー走行2回目から予選までに0.5〜0.7秒ほどタイム向上してくるとしても、もしかしたら最速タイムは更新できなかった可能性が高いです。モンツァでタイムが削れそうなのは序盤のグランデ、中間のアスカリシケイン、最終のパラボリカの3箇所の処理によるもので、他はほとんど直線、最高速度が落ちていますから、なおさらキツそうです。
この先はどんな形でタイム更新ができるでしょうか。エンジンパワーを上げて速度を高くすればいいというものでもないし、ブレーキ性能を上げたり、コーナー立ち上がりのトラクションをよくするか、さらにコーナー通過速度を上げるとか?!いよいよ首が本当に取れちゃいますね(笑)

《予選の各チームのスピードトラップ速度差》
この前で止めようと言ったチーム毎の予選時最速のスピードトラップ通過速度。作っちゃったので今回最後にします。
こちらの平均はイタリアを除いた各チームのトップとビリの差の平均のシーズン平均です。14.2km/hでした。同じルールでメーカー4社、10チームしかないのにこれだけバラツキがあります。ということでこれはこのくらいで置いておいて、、エンジン別にするとこうなります。
年間を通じてみてもメルセデスM08 EQ Power+が14サーキットで最多最速エンジン。4サーキットでフェラーリTipo 062(2017)、1サーキットでフェラーリTipo 061(2016)とルノーR.E.17という内訳です。ホンダRA617Hは15サーキットで最低速エンジンとなります。低速ハンガリーのコントロールライン先を走るメルセデスエンジンと長い2本目ストレートエンドにあるマレーシアのホンダエンジンが同じくらいということ。もちろん出力の全てがスピードに還元されるわけではありません。シャシーやドライビングスタイル、もっといえば、サーキットの最高速地点が必ずしもスピードトラップというわけでもありません。ただ同じ場所で抽出した速度にはこんな差があったんだよ、という事実でした(笑)

第1戦  オーストラリアGP     -1.7km/h / 99.5%
第2戦  中国GP                       -4.8km/h / 98.6%
第3戦  バーレーンGP            -2.2km/h / 99.3%
第4戦  ロシアGP                   -1.8km/h / 99.5%
第5戦  スペインGP             -15.0km/h / 95.6%
第6戦  モナコGP                   -8.6km/h / 97.1%
第7戦  カナダGP                   -1.7km/h / 99.5%
第8戦  アゼルバイジャンGP -4.5km/h / 98.7%
第9戦  オーストリアGP        -4.5km/h / 98.6%
第10戦 イギリスGP              -3.9km/h / 98.8%
第11戦 ハンガリーGP           -8.4km/h / 97.4%
第12戦 ベルギーGP              -3.6km/h / 98.9%
第13戦 イタリアGP            -30.5km/h / 91.5%
第14戦 シンガポールGP       -6.3km/h / 98.0%
第15戦 マレーシアGP           -5.9km/h / 98.2%
第16戦 日本GP                      -3.9km/h / 98.8%
第17戦 アメリカGP               -7.0km/h / 97.9%
第18戦 メキシコGP             -16.9km/h / 95.5%
第19戦 ブラジルGP               -0.4km/h / 99.9%
第20戦 アブダビGP             -15.4km/h / 95.6%

イタリアを除く平均速度        -6.1km/h / 98.2%
昨シーズンとの最高速度比較をします。全戦でみるとこんな感じになります。タイムはマイナスが好ましいけど、こちらのマイナスはちょっぴり残念というか、あれだけワイドで巨大なウィングとタイヤになれば仕方がないこと。それでも最速はやはりダントツでメキシコです。昨シーズンとの違いは中国とバーレーンの開催順が逆、ドイツがない、イタリアが雨、という点です。それを勘案すれば、大体同じ。大きく違うとしたら、先に示した「速度自体」です。まずは単純に最高速同士の比較です。新生の速度自慢メキシコが17km/h近くの低下です。続いてアブダビが15.4km/h、スペインが15.0km/hとなりました。F1は速さを競うスポーツではなく、いかにサーキット一周を早く走るかのレースです。

《パワーユニット交換数》
こちらは近年のF1を悩ます「足かせ」なレギュレーションですよね。一応調べて作りましたが、自信がありません。間違えていたらご指摘下さい。
以前に「ベッテル」の時に作ったグラフの更新版です。いやぁ東の方に高層ビル群が集結してますなぁ。マンハッタンみたいだ。このビルは当然低くなければダメなやつです。赤線の建築限界を大幅に超えているオレンジチームがありますぞ!年間20戦で4基まで、1基5戦でこなすのが目的です。12基入れているということは、2戦に1基保たないという計算です。一昔前は1戦1基、いやもっと前は予選用なんてあった時代もあるのに、エコロジー、省力化、低予算がこのような苦難を招き、さらにはゲンナリしてしまう「あって無いような懲罰」が今のF1にはあります。どうにかならんのでしょうか。これがあるから予選もそこそこにピットスタートを選択、とか本当はスポーツマンシップに欠けると思うのですが、、。褒めてばかりになりますが、メルセデスエンジン勢はココでも優れています。フェラーリ勢も何とか限界ギリギリで「使い回し」を駆使して避けてきました。ルノーも終盤戦はグチャグチャしてましたね。ハートレイはやっとの思いでF1ドライブにこぎつけたのに、まともなスタートを切れないのも可哀想でした。

3回に渡って2017年シーズンをグラフと数字で振り返りました。これをやっておけば、気持ちよく年を越せる気がします。グラフペタペタで毎回似たようなことをズラズラと書いてしまいましたが、データ整理が意外と大変です。誤りがないといいのですが、間違いの箇所やもっと伝わりやすい表現がありましたら教えて下さい。以上で終わり!