F1は参戦するだけではダメ!スポンサーの助けを借りながら莫大な資金を投入し、技術力と競争力を持ってよりよい成績をあげ、対価や名誉を得て成り立ちます。そのためにはまずは規定周回数をリタイヤすることなく完走し、その先にはポイントを得られる入賞があって、さらに先に表彰台、優勝、チャンピオンへの道が開けてきます。それを積み重ね、連続的に継続していけることが名ドライバー、名チーム(コンストラクター)への一歩です。今回はF1でよく聞くチャンピオンや優勝などのタイトルホルダーや記録からみたらランクが低く、目も届きにくくて地味。でも基本中の基本ではある「連続完走記録、連続入賞記録」をみていきます。

データは2017年第16戦まで
◯は現役ドライバー、※は現在継続中
★はチャンピオン獲得に絡むもの

《ドライバー連続完走記録上位ベスト10》
1  41戦 N・ハイドフェルド
            2007年第8戦~2009年第13戦
2  37戦 S・ペレス ◯
            2015年第11戦~2017年第7戦
3  36戦 J・バトン
            2012年第17戦~2014年第13戦
4  30戦 K・ライコネン ◯
            2012年第1戦~2013年第10戦
5  29戦 F・アロンソ ◯
            2013年第3戦~2014年第12戦
    29戦 D・リカルド ◯
            2015年第12戦~2016年第21戦
7  27戦 N・ロズベルグ
            2008年第7戦~2009年第15戦
    27戦 S・ベッテル ◯
            2014年第9戦~2015年第16戦
9  25戦 M・チルトン
            2013年第1戦~2014年第6戦
    25戦 E・オコン ◯ ※(参戦期間全て)
            2016年第13戦~

完走はラップダウンしても、リタイヤや失格とならなかったもの、入賞しなかったものも含みます。
前に特集したこともありますが、映えある第1位は無冠のハイドフェルドが未だに一つ抜け出た41戦連続完走記録を維持し続けています。2シーズン以上リタイヤ無しは立派です。ただ、彼はそれに尽きる。本当は速いドライバーの1人でしたが、今も似たような決勝イマイチな同郷の後輩がいますね(笑)ちなみに先輩は複数の表彰台経験まではあります。
個人記録の中で特筆すべきは歴代2位の37戦連続を持っていたペレスです。デビュー時はクラッシャーで名を馳せた彼が、近年はマシンを壊さず、タイヤを労わる走りを武器としている点が面白いですよね!記録は惜しくも今シーズンの第8戦アゼルバイジャンGPで途絶えました。まだ記憶に新しい話で、リタイヤのキッカケは何でしたっけ?!そう、現在も自己記録更新中で歴代9位に君臨する相方オコンです。驚くのは、彼はまだF1ドライブ2年目で、デビューして一度もリタイヤを経験していません。これは歴代の全F1ドライバーでみて1位タイ記録、並ぶチルトンは26戦目でリタイヤして記録が止まりましたから、次のアメリカGPも完走すると、歴代単独1位となります。オコンの素晴らしいところは、フォース・インディアに移籍した今シーズンはそのアゼルバイジャンGPも図太く生き延び、モナコGP以外の全てで入賞している点にもあります。先輩だろうがクラッシャーだろうが2年目だろうが関係ない、確実にマシンをフィニッシュまで導ける彼の成長が楽しみですね。くれぐれも名前の通り怒んないで冷静にね!
現役ドライバーには◯マークを付けています。全時代のデータから調べているのに、近代ドライバーが大半を占めます。昔と今とでは年間レース数も異なり、同じマシンでこなせるレース数に違いがあったり、いかに近年のマシンは壊れず、かつ壊さず走れているかを物語っています。裏を返すと、ぶつけ合って壊し合うようなレースが減っているとみて取れます。オールドファンからしたら、お利口さん過ぎで退屈でしょうか。よくスポンサーのためにも、ガレージに戻してからラップダウンしてもコース復帰しろ、なんて時代もありましたよね。そうです、F1はスポーツでもあり、走る広告塔でもあるのです。

《コンストラクター連続完走記録上位ベスト10》
1 179戦 フェラーリ
              2006年第4戦~2015年第16戦
2 113戦 マクラーレン
              2009年第2戦~2015年第1戦
3   99戦 メルセデス
              2011年第2戦~2016年第4戦
4   74戦 レッドブル ※
              2014年第2戦~
5   72戦 フェラーリ
              1998年第14戦~2003年第2戦
6   60戦 レッドブル
              2010年第18戦~2013年第19戦
7   53戦 マクラーレン
              1971年第8戦~1975年第7戦
     53戦 ウィリアムズ
              2013年第1戦~2015年第15戦
9   52戦 フェラーリ
              2003年第4戦~2006年第2戦
     52戦 BMWザウバー(参戦期間全て)
              2007年第1戦~2009年第17戦

コンストラクターでみると、さすがのフェラーリが10シーズン以上連続完走の179戦になります。この記録を止めることになったのは、今の仲良しコンビ2人による久々のメキシコGP復活戦でした。コンストラクターでみた場合にズルいのは、出走の2台のうちのどちらかが完走すれば連続にカウントできる点です。今回はみていませんが「2台どちらも」すると、だいぶ厳選されてしまいます。2位にランクインする名門マクラーレンも2015年に入った途端に記録が途切れてしまいました。きっと何かがあったのでしょう。3位のメルセデスは100戦連続の大台の前となる2016年第5戦スペインGPで途切れています。そう、あのクルンからのズババーのやつです。
コンストラクターで継続中なのはレッドブルでまだまだ数の浅い74戦となります。この前のハンガリーでフェルスタッペンもリカルドと共倒れしていたら止まっていますから危うかったですね。52戦止まりのBMWザウバーは参戦期間3年全てで完走を経験しています。優勝も経験した速いチームだけに撤退が惜しい!

《ドライバー連続入賞記録上位ベスト10》
1   27戦 K・ライコネン ◯
             2012年第4戦~2013年第10戦
2   24戦 M・シューマッハ
             2001年第13戦★~2003年第2戦★
3   23戦 F・アロンソ ◯
             2012年第17戦~2014年第13戦
4   21戦 S・ベッテル ◯
             2014年第9戦~2015年第10戦
     21戦 L・ハミルトン ◯ ※
             2016年第17戦~
6   19戦 S・ベッテル ◯
             2010年第18戦★~2011年第17戦★
     19戦 L・ハミルトン ◯
             2014年第13戦★~2015年第12戦★
8   18戦 M・シューマッハ
             2003年第4戦★~2004年第5戦★
     18戦 F・アロンソ ◯
             2005年第14戦★~2006年第12戦★
     18戦 S・ベッテル ◯
             2016年第1戦~2017年第13戦

次は完走より照準をあげた「連続入賞」をみてみます。こちらになるとポイント獲得が絡んでくるため、チャンピオンを獲得する強みに繋がってきます。しっかり★マークが付きますね。
1位は1シーズン半弱入賞を積み重ねたF1復帰直後の「黒いコネン」が記録した27回です。2012年は3年振りのF1で予選18番手(17番手スタート)から7位でフィニッシュしたオーストラリアGPを皮切りに、第18戦アブダビGPは4番手スタートからの優勝、翌2013年オーストラリアGPは予選7番手から優勝するなど、ライコネンらしいレース運びとラリー経験からスキルをより磨いたのか「タイヤを保たせる戦略」も相まって入賞を連ねました。しかし、黒のロータスで勝利した以降、赤の2回目では優勝から遠ざかること4年。
現在進行形は21戦連続入賞のハミルトンが4回チャンピオンに向けて真っしぐらで★が付くのももう間も無くか?!対するベッテルも今シーズンで続けていましたが、先日のポールスタートから悪夢のような0周リタイヤとなったシンガポールGPで途絶えています。

《コンストラクター連続入賞記録上位ベスト11》
1   81戦 フェラーリ
              2010年第11戦~2014年第14戦
2   64戦 マクラーレン
              2010年第1戦~2013年第6戦
3   62戦 メルセデス
              2012年第20戦~2016年第4戦
4   55戦 フェラーリ
              1999年第16戦~2003年第2戦
5   46戦 フェラーリ
              2006年第4戦~2008年第14戦
6   38戦 ロータス(新)
              2012年第1戦~2013年第18戦
7   36戦 フェラーリ
              2015年第18戦~2017年第13戦
8   34戦 BMWザウバー
              2007年第1戦~2008年第17戦
9   33戦 フェラーリ
              2003年第4戦~2005年第2戦
     33戦 レッドブル
              2010年第18戦~2012年第12戦
     33戦 レッドブル ※
              2016年第5戦~

最後はコンストラクターの連続入賞記録です。意外にも無敵フェラーリ時代ではなく、アロンソ時代に81戦連続しているのが1位となっています。この時代は本当に惜しかったですよね。一方でガチのライバルだったレッドブルもベスト10に入ってはいますが、そのフェラーリほど連続入賞を果たしていませんでした。それに並ぶのが現在に続く数で33回の壁を越えようとしています。スロースターターがイタかったけど、今のレッドブルの2人は若く、勢いもあって賢いです。
3位のメルセデスは先程のロズベルグ&ハミルトンの同士討ちで記録が途絶え、今現在は32戦連続のランク外11位にまで回復してボッタスを相方に再チャレンジです。今シーズンのフェラーリは36回まで数を重ねてきてのシンガポールリセットに伴い、今は2回連続まで戻る形となっています。

ドライバーでみてもコンストラクターでみても、この手の記録は近代で飛躍的に継続、更新されています。強いチームあれば弱いチームありと、記録を重ねるのは強い名門チームに限るところが玉に瑕ですが、自身の実力を磨き運を味方にして継続していけることが、結果的に強いチームの目に止まり、また強いチームへと貢献していける。優勝やチャンピオンを狙うために重要なファクターの一つとなってきます。