えっと、今更グチャグチャだと気付いた英語からは離れまして〜、、
日本を筆頭にこの20年弱の間でアジアのF1開催が一時期増えましたよね。ただそんな流れもマレーシアGPが今シーズン限り、そして次戦シンガポールGPも開催終了の可能性がチラつくなど、徐々に減少傾向にあります。アジアでの開催は日本GPの鈴鹿を除くと全てヘルマン・ティルケが監修してきたものというのも特徴的です。コースレイアウトに賛否両論はありますが、秀逸な一つと評されたのが2011年が最後となったイスタンブール・パークによるトルコGPでした。人工的に設計された中にちゃんと高低差もあり、サーキット少数派の反時計回り、そしてライン採りがカギとなる複合エイペックスを擁する「ターン8」など、クラシックサーキットに負けない難易度で人気を博しました。今回は開催2年目となる2006年トルコGPを振り返ります。
2.4ℓV8エンジン初年となる2006年は第13戦終了時でまだチャンピオン争いの真っ只中でした。ルノーの最大の武器である「マスダンパー」をこのトルコGPで禁止されたチャンピオンのアロンソに対して、前年は屈辱的な大敗を喫したフェラーリのM・シューマッハが猛追をかける形で迎えています。禁止を食らったルノーの最中、フェラーリは248F1にタイヤの整流効果を期待したホイールキャップ(ホイールカバー)を装着してきました。ちゃんとこれにはBBSと律儀にプリント。
また、最近度々成長を取り上げてるベッテルちゃんはレンタル先のBMWザウバーから初めてフリー走行でデビューを飾ります。憧れのシューマッハ師匠と同じ舞台に立てた19歳は感無量。同じく息子のように幼き頃から面倒をみてきたシューマッハも誇らしげ。カッコ悪い姿は見せられませんね!自身をトレースするかのようなベッテルの今シーズンの活躍もきっとテレビで見守ってることでしょう。

予選はアロンソが一旦トップに立つも、シューマッハがすぐに上回るタイムを記録します。フェラーリの勢いは止まらず、ポールは何とこの年から子分につけた若手、マッサが初ポールを獲得しました。
嬉しさを抑えつつ、チャンピオン争いに重要な立ち位置を理解するマッサ。本当にこの方は人がいい。後ろでマネージャー?だかも目を光らせてますし「長いお付き合い」をしたいならば発言には気をつけなければなりません。

《予選結果》
   1 F・マッサ  (フェラーリ・F・BS)
   2 M・シューマッハ  (フェラーリ・F・BS)
   3 F・アロンソ(ルノー・R・MI)
     ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン

決勝スタート前のフォーメーションラップではチームから無線でマッサに対し「ブレーキとタイヤを温めろ」と細やかに指示が伝えられます。この決勝はフェラーリ2台ともライバルのアロンソより前です。初ポールがチャンピオン争いに大きく関わってくるので、マッサも慎重かつ賢いライン採りが要求されます。
スタートは偶数のシューマッハが鈍って3番手のアロンソのいい蹴り出しに並ばれてしまいます。同い年のチャンピオンと初ポールの一騎打ちか?!
4番手のルノー、フィジケラは4台がカスケード状に並んでからスピンし、BMWザウバーのハイドフェルドと接触。さらに中団でもタイヤスモークを上げて荒れています。
レッドブルのクルサードは冴えたスタートダッシュを止めきれずタイヤスモークを上げて、マクラーレンのライコネン以下を混乱させてしまいます。同じくレッドブルグループのトロ・ロッソ、スピードに追突され、ライコネンの左リヤタイヤは派手にバースト。
タイヤ交換してもマシン自体のバランスも崩してすぐさまリタイヤへ。この年から始めたこのカラーリングはクラッシュすると金属片がバラバラになったようにみえます。マクラーレンは前年の10勝チームから未勝利チームへ転落する不作でしたね。

レースには関係ない余談ですが、イスタンブール・パークのスタート直後のセクションって、ブラジルGPの舞台であるインテルラゴスに似ていませんか?先ほどの画像のアングルからもわかるように、下りながらの左に右に切り返したり、反時計回りといい、ティルケ真似したのかな?!

何とか2位を死守したシューマッハはマッサから2秒離されています。12周目にトロ・ロッソのリウッツィがスピンから本線上にマシンを止めてしまい、セーフティカーが早くも発動します。
ここでフェラーリはマッサとシューマッハの連続ピットを敢行。ケースバイケースですが、下手に一周見送るよりかは、こちらの方が有効な場合もあります。このオイシいタイミングは当然3番手のアロンソも倣います。
あれ?ピットアウトはアロンソが前に?!シューマッハはマッサとのギャップがさほど大きくなかったことが仇となって普段はあまり無い待ちぼうけ。シューマッハがもし一周分見送れば、アロンソとはもっと離れることになったため、こればかりは致し方がない結果だと思います。シチュエーションがアロンソ陣営には有利に働きました。

マッサは2位に上がったアロンソを5.6秒離して逃げる逃げる!一方でさっきの穴埋めをしたいシューマッハは
ターン8ではらむ。シューマッハのみならず、ココの入りで崩れると続くラインにはなかなか戻れません。
ウィリアムズのウェバーもコースアウト、そして前でもBMWザウバーのクビカも地味にやらかしています。これこそが難関かつ肝となってくる「ターン8」

残り9周でやっとアロンソを捉えるも、やっぱりここでついていけず、シューマッハのフェラーリはぐんぐん離されてしまいます。この日のシューマッハはピットタイミングに泣き、ターン8で精彩を欠いて終了です。3位のままついてこれなければ、結果は?!

《決勝結果》
   1 F・マッサ  (フェラーリ・F・BS)
   2 F・アロンソ(ルノー・R・MI)
   3 M・シューマッハ  (フェラーリ・F・BS)

マッサが初ポールから初優勝!レース前は「オトナな発言」で我慢を強いられたものの、当時はチームオーダーも禁止、目下のライバルを間に挟んでしまっては、何の操作の仕様もありません。この日ばかりは危なげない走りをしたマッサの日でした。パパも大喜びですね!
以降のマッサはご存知の通り2008年の絶好のチャンスをモノにできないまま、現在も大ベテランとしてF1シートに君臨しています。お人好しで今一つ「主役にはなれない」タイプではありますが、ハミルトンのモントリオールをはじめシルバーストンや上海にCOTA、ベッテルの鈴鹿、アロンソのバーレーン、ライコネンのスパがあるように、イスタンブールにはマッサあり!この年をスタートに3年連続、歴代最多の3回優勝を挙げ、F1トルコ史で勝るものはいません。

浮かぬ顔。惨敗から再び返り咲きを図るも、若手の台頭を一人で受け止めているシューマッハの落日も印象的です。