小生意気なこの顔はどこのクソガキだ?オラんだ!(笑)
「ぐりとぐら」みたいな端的なタイトルです。この2人、時代もカブるし名前の雰囲気も似ていて、当時はよく間違えました。若いファンの方々は息子達は知っていても、実のところチャンピオンでも優勝経験もない親父さん達はよく知らないことと思います。F1も夏休みに入りましたので、ココはゆるりとあまりフィーチャーされることも無かろういつもガレージで「ドヤ顔」しているフェルスタッペンの父ヨスと逆にF1の舞台であまり姿を現さないマグヌッセンの父ヤンを特集してみます。
ちなみに、このブログではドライバー名を概ね一貫してファミリーネーム(名字)で呼んでいますが、今回はさすがに例外としてファーストネーム(名前)を使用します。でないと分からなくなっちゃいますもんね。

ヤン・マグヌッセン 1973年7月4日生まれ
95年、97~98年 25戦参戦
0勝 PP0回 FL0回 表彰台0回 入賞1回
   95年 マクラーレン   1回出走 予選12位 決勝10位
   97年 スチュワート 17回出走 予選6位  決勝7位
   98年 スチュワート   7回出走 予選16位 決勝6位

ヤン・マグヌッセンはデンマーク国籍の現在44歳です。息子ケビンは今年25歳だから、ヤンが19歳の時に生まれた子ということになります。結構若くして父になりました。
ヤンは少年時代からカートに乗り、1987年の14歳で世界カート選手権のチャンピオンになっています。そこからイギリスF3にステップアップ、1994年にチャンピオンを獲得するとイギリスのマクラーレンからF1テストのチャンスを得ています。1995年はM・シューマッハ同様にメルセデスの養成プログラムからDTMに参戦していましたが、メルセデスを積みテストを経験しているマクラーレンから、病欠となったハッキネンに代わって第15戦パシフィックGPでF1デビューとなります。この時ケビンは3歳、ということは「F1デビューより父親デビューが先」ということですね。
F1フル参戦はデビュー戦から1シーズン空く1997年となります。ただし見初められたマクラーレンからではなく、J・スチュワートが立ち上げた「スチュワート・グランプリ」の初代ドライバーでした。1997年シーズンは全17戦参戦で12戦リタイヤ。そして当時は入賞にならなかったモナコGPでの7位が最高位でした。翌1998年も引き続きスチュワートから参戦し、第6戦カナダGPで初の6位入賞を果たすものの、ヨス・フェルスタッペンにシートを奪われてF1から離れる形となりました。ヤンとヨスのニアミスです(笑)
25歳にしてF1を離れたヤンはその後アメリカに渡ってレースをしています。昨年2016年もしっかり優勝を飾る「現役レーシングドライバー」です。

ヨス・フェルスタッペン 1972年3月4日生まれ
94年~98年、00年~01年、03年 102戦参戦
0勝 PP0回 FL0回 表彰台2回 入賞7回
   94年 ベネトン     10回出走 予選6位   決勝3位
   95年 シムテック    5回出走 予選14位 決勝12位
   96年 アロウズ      16回出走 予選7位   決勝6位
   97年 ティレル      17回出走 予選14位 決勝8位
   98年 スチュワート 9回出走 予選12位 決勝12位
   00年 アロウズ      17回出走 予選8位   決勝4位
   01年 アロウズ      17回出走 予選15位 決勝6位
   03年 ミナルディ  16回出走 予選15位 決勝9位

ヨス・フェルスタッペンはオランダ国籍の現在45歳。似たような名前の2人はヨスの方が1歳年上です。現役時代から思っていたのですが、ヨスってレーシングドライバーというよりかはロックミュージシャンや格闘家に見えてしまうのは私だけでしょうか?!レーシングスーツより革ジャン着てギター持ってる方が似合う気がする。
ヨスも幼少時代からモータースポーツに関わりを持ち、1993年からこちらはドイツF3に参戦しています。同世代のヤンがイギリスでヨスがドイツ、少し前のハッキネンとM・シューマッハの関係に近いものを感じます。ヨスはF1のフットワークのテストを経験して現役ドライバーを食う走りを披露、M・シューマッハや後のアロンソも看てきたフラビオ・ブリアトーレの目にとまり、1994年に早くもトップチームであるベネトンのテストドライバーを得ます。
F1デビュー戦はレギュラードライバーであったJ・J・レートがシーズン前テストの負傷で欠場となり、いきなり開幕戦ブラジルGPから本戦出場を果たしました。予選は2番手のM・シューマッハに対して9番手、決勝はリタイヤでした。
短命に終わったヤンに対してヨスはチームを替え浪人して比較的息の長いF1ドライバー人生を過ごしています。ベネトンから翌年はシムテック、ティレル(この頃にマックスが誕生)と毎年渡り歩き、1998年はヤンに代わってスチュワートのシートを得るも1999年に喪失。1年の浪人を経て2000年にアロウズ、そして2002年はまた浪人して2003年にミナルディをドライブしました。昨シーズンに息子のマックスがライコネンをブロックして初優勝した際にしたコメント「パパとも走っているドライバーに競り勝って優勝した」はこの末期時代の話です。スポットや浪人も含め100戦を越えてくると、このような現象も起きるんでしょうね。最高位は初年のベネトン代走時代の3位表彰台が2回。あとヨスといえば給油再開後のピット大火災1回は有名な話ですね。

2人のキャリアを折れ線グラフではなく、分布図で示してみました。丸が予選順位、四角が決勝順位で青や水色の寒色がヤン、赤やオレンジの暖色はヨスとだいぶ見辛いですが感覚として捉えてみてください。ヤンのキャリアは長くないのでグラフ中央に紛れています。ヨスの初年1994年の3位2回が燦然と輝き、あとは両者似たり寄ったりな結果です。この時代の参戦人数は26人と今より多く、入賞は6位まで(グラフ緑帯)なので今より入賞するのも激戦でした。グラフの下面27位にかたまってプロットされているのはリタイヤを示しています。両者とも下位チームに在籍したこともあって、リタイヤ率は少なくありません(裏を返せば、実力が下位チームに留まっていた、とも言えなくもない)


今回はパパの回。でもせっかくなので子同士、親子でも戦績比較してみましょう。
ケビン・マグヌッセン 1992年10月5日生まれ
14年~ 52戦参戦中
0勝 PP0回 FL0回 表彰台1回 入賞17回
   14年 マクラーレン 19回出走 予選4位  決勝2位
   15年 マクラーレン   1回出走 予選18位 決勝 - 位
   16年 ルノー            21回出走 予選12位 決勝7位
   17年 ハース            11回出走 予選11位 決勝7位

父同様の「苦そうな様相」を初めて見た時「あ、なかなか似てる!」と思いました。決して「親の七光り」だけのF1ステップアップではない、ケビンもちゃんと幼少時代からフォーミュラ・ルノーにドイツF3、そして父と同じイギリスF3で上位の成績をおさめ、父と同様に2010年からマクラーレンの育成ドライバーに加わっています。
興味深いのはケビンは父と同じマクラーレンからのデビュー、そして最終戦が最高位の父に対してデビュー戦となる2014年の開幕戦でいきなり予選3番手(2番手スタート)から2位表彰台を獲得してしまったこと。衝撃的でした。あと彼のイメージは「契約更新に泣かされる」ことでしょうか。来シーズンは引き続きハースからドライブすることが決まっていますが、マクラーレン時代もルノー時代もいつも危ういラインにいてヒヤヒヤしたものです。実力はあれどマシンの信頼性に悩まされたり、ストーブリーグでギリギリを演じるあたりが、もう1人の二世とは少し異なる点かもしれません。

マックス・フェルスタッペン 1997年9月30日生まれ
15年~ 51戦参戦中
1勝 PP0回 FL1回 表彰台8回 入賞33回
   15年 トロ・ロッソ 19回出走 予選6位  決勝4位
   16年 レッドブル     21回出走 予選2位 決勝1位
   17年 レッドブル     11回出走 予選4位 決勝3位

で、もう1人です。近年稀にみる期待の大型新人で、チャンピオン争いとは別に彼の走りに期待や「ある意味不安視」しているファンも多いのではないでしょうか。このブログでも度々クローズアップしてきているので、細かなことは書きませんが、レッドブルに昇格して以降、メキメキと頭角を示し、ポールポジションは取れずともスタートダッシュと先輩に怖気付かない攻めや守りは眼を見張るものがあります。
今回の4人の中では若めの4歳からレースを行い、父親からの手厚いバックアップの期待以上の結果で次世代のトップドライバーの資質を開花できています。

まだまだ現役まっしぐらの2人を比較してみます。デビュー年だけみたら、ケビンもさすがトップチーム在籍だけあってマックスと比べて遜色はありませんでした。しかしケビンはルノー、ハースと中位チームにおさまり、一方でレッドブルの進学コースを進むマックスに完全に株を奪われていて、赤系のプロットより青系のプロットの大半が上をいきます。ご存知の通り、今シーズンのマックスはトラブルにミスと予想より結果が芳しくありません。本来決勝のプロットはもう一段階上にあってもいいと思います。

次は親子比較です。まずはマグヌッセン親子から。赤系が父ヤン、青系が息子ケビンです。レース数でも戦績でも一応父超えはしています。来シーズンも契約は続くし、この結果に甘んじてもらっては困ってしまいますが。
続いてフェルスタッペン親子。レース数が意外に多い父ですが、内容は完全に父は超えています。この次はマシン云々もありつつポールポジションをはじめとした予選の好位置を期待したいです。こちらもこの先が長いですから、当然ながらまだまだ成績の上昇は見込めます。

最後にドライバーズポイントランキングをみてみます。この手のグラフは今まで何回かやっていますが、上の方がスカスカですね(笑)今までの内容からの察しの通り、両者とも無事父よりは上位の結果となっています。2017年はまだシーズン半ばなので、より上位を目指してもらいたいものです。

2人の父親を使って比較してきました。ケビンやマックスしか知らない若いファンの方にも父2人を少しでも知ってもらえたら幸いです。
F1の歴史も60年を超えて、近年はこの2人以外も多くの二世ドライバーが登場してきています。やってみてちょっと面白かったので、また別の二世ドライバーで親子対決やってみようと思いました。もしかしたら「今シーズンが見納め」となりそうな方もいますしね(笑)