チュゴクノF1ハ2ネンメネ。2005ネンノチュゴクGPデス。
2005年は何回か取り上げてますが、この最終戦を待たずして2戦前のブラジルGPでルノーのアロンソがM・シューマッハからチャンピオン奪取に成功、コンストラクターズのチャンピオンをマクラーレンと競う形で迎えています。日本GPを終えてポイントランキングはルノーが176、マクラーレンが174で2ポイント差です。同点では10勝しているマクラーレンが優位なので、ルノーとしては安心はできません。
今まで10年近くF1ファンを甲高いエキゾーストノートで魅了してきた3.0ℓV10エンジンのラストレースとなります。さらにはチャンピオンの切り替わりだけでなく、参戦して古いプライベーターのミナルディ、P・ザウバー率いるザウバーもラストレース。アメリカGPで非難が集まるミシュランの代表P・デュパスキエも退陣となり、何かとメモリアルです。おまけで翌2006年からこのお坊っちゃまもフル参戦が決まり、中国GPでクローズアップされました。


チャンピオンを決めた最年少アロンソは前に書いた日本GPに続き堅実な走りからフルパワーのドライビングに切り替えています。勝利数で1つ負けているマクラーレンのライコネンの7勝に並び、コンストラクターズでもチャンピオンを獲得すれば、ルノーとアロンソは完璧なシーズンが完成します。
予選からルノー2台がガンガン攻めています。アロンソだけでなくフィジケラも一丸となってパワーとスピードで秀でるマクラーレンより前のスタートが欲しいところ。休んでいる暇はない、まだまた消化試合ではありません。

《予選結果》
1 F・アロンソ(ルノー・R・MI)
2 G・フィジケラ(ルノー・R・MI)
3 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
   ※MIはミシュラン


決勝前にチャンピオンから陥落したM・シューマッハとラストレースのミナルディを駆るC・アルバースがクラッシュ。早い時期から消化試合となったM・シューマッハは完全にどこかうわの空。
チャンピオンのスタートは完璧!補佐はやっぱりセカンドロウのマクラーレンに挟まれてしまいます。ココが「もってる人とない人」の大きな差なんでしょうね。

アロンソはいつも誰かと争い、追いかけているイメージが強いのですが、この日のアロンソは「もってない人」をも大きく引き離してぶっ飛んでます。もってない人も決して仕事を放棄したわけではない、最大のライバル2台に対して「青い壁」としてしっかりと意味をなしています。

ラップタイムも落ち着き、3位にライコネン、4位モントーヤの順列でこう着状態となってきた17周目に珍事が起きます。ライコネンの右横、外側にあたる縁石に何かがあります。
モントーヤが通過すると、あれ?無くなってる。踏んだ?!
実は水はけ用のマンホールの蓋が走行中の風圧だか衝撃で外れて立ち上がってしまっていました。普通の道路でも蓋が外れていて、落ちたり衝突したら非常に危険なのに、速くて脆いF1マシンがそんなモンにぶつかったら凶器です。即座にセーフティカー発動、ピットを引っ張っていたアロンソはいいタイミングでピットも済ませます。
みっともない。。GP期間前の整備でなく、これがF1の本番真っ只中です。
セーフティカーランの最中でもう1人、、
元チャンピオンです。完全に投げやりだなこのシーズン(笑)気持ちは重々お察しします。
セーフティカーが退去するまでは何とか走行を続けたモントーヤですが、ラジエーターを傷めたようでやはりリタイヤ。
「自分もチームもミスしていない。バカな排水溝のせいでチャンピオンの機会を潰した」
モントーヤらしい口調。でも間違ってません。あのままの順位で終えても逆転にはならなかったものの、ドライバーズチャンピオンを取り損ねたマクラーレンに許された最後のチャンスを「サーキットの不備」で失いました。

30周目にジョーダンのカーティケヤンがスピンをしてコース上に破片が散乱。2回目のセーフティカーです。2回目も上手くそのタイミングでピットを終えたアロンソ。完全勝利のダブルタイトルを確実にします。
フィジケラも2度目は3位のライコネンと同時です。でも後続のライコネンやバリチェロが左右に揺さぶって渋滞。
ピットアウトするとフィジケラにドライブスルーペナルティが下ります。さっきのピットインを故意に低速走行したためです。さっき誉めたのにフィジケラは〜!!いくらアロンソとライコネンの間合いを取る「壁」とはいえ、モントーヤが残っていたらコンストラクターズタイトルを失う可能性もあり得ました。やっぱりこの方「もってない」


《決勝結果》
1 F・アロンソ(ルノー・R・MI)
2 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
3 R・シューマッハ(トヨタ・T・MI)

フィニッシュはアロンソお得意の勝利数を両手で。5+2で7勝、2005年の最多優勝タイに。アロンソにとってもルノーにとっても初のダブルタイトルとなりました。一方、中盤から飛躍的にスピードを増し、後方から逆転優勝も可能な戦闘力を誇った最速マクラーレンはシーズン最多勝にも関わらず、最後はマンホールの蓋でノンタイトル。

アロンソは2年連続でチャンピオンを獲得しつつも、マクラーレンやフェラーリに移籍して惜しいところでチャンピオンを逃しています。アロンソは「ルノーの人」かも。