シーズン開幕前の1回目のテストがスペインのカタロニアサーキットで4日間行われ、その結果をまとめてみました。グラフの色はマシンカラーに近付けています。また、各最速タイムにタイヤ別を付けました。USがウルトラソフト、SSがスーパーソフト、Sがソフト、Mがミディアム、念のためHがハード、IMがインターミディエイト、Wがウエットタイヤとします。
タイムは各ドライバーがその日に出した最速タイムのみを抽出して比較しています。

《1日目 2月27日》ドライ
  1.ハミルトン(メルセデス) 1分21秒765 S
  2.ベッテル(フェラーリ)     1分21秒878 M
  3.マッサ(ウィリアムズ)     1分22秒076 S
  4.マグヌッセン(ハース)     1分22秒894 S
  5.リカルド(レッドブル)     1分22秒926 S
  6.ボッタス(メルセデス)     1分23秒169 S
  7.ペレス(F・インディア)   1分23秒709 S
  8.サインツ(トロ・ロッソ)  1分24秒494 M
  9.ヒュルケン(ルノー)         1分24秒784 M
10.アロンソ(マクラーレン)  1分24秒852 S
11.エリクソン(ザウバー)      1分26秒841 M

《2日目 2月28日》ドライ
  1.ライコネン(フェラーリ)  1分20秒960 S
  2.ハミルトン(メルセデス)  1分20秒983 SS
  3.フェルスタ(レッドブル)  1分22秒220 S
  4.マグヌッセン(ハース)      1分22秒204 SS
  5.オコン(F・インディア)    1分22秒509 SS
  6.クビアト(トロ・ロッソ)   1分22秒956 S
  7.ボッタス(メルセデス)       1分22秒986 S
  8.パーマー(ルノー)              1分24秒139 S
  9.ジョビナッツィ(ザウバー)1分24秒617 S
10.バンドーン(マクラーレン)1分25秒600 S
11.ストロール(ウィリアムズ)1分26秒040 M

《3日目 3月1日》ドライ
  1.ボッタス(メルセデス)       1分19秒705 US
  2.ベッテル(フェラーリ)       1分19秒952 S
  3.リカルド(レッドブル)       1分21秒153 S
  4.パーマー(ルノー)               1分21秒396 S
  5.ヒュルケン(ルノー)           1分21秒791 S
  6.エリクソン(ザウバー)       1分21秒824 SS
  7.ハミルトン(メルセデス)   1分22秒090 S
  8.グロージャン(ハース)       1分22秒118 SS
  9.ストロール(ウィリアムズ)1分22秒351 S
10.アロンソ(マクラーレン)    1分22秒598 US
11.サインツ(トロ・ロッソ)    1分23秒540 M
12.セリス(F・インディア)     1分23秒568 US
13.クビアト(トロ・ロッソ)    1分23秒952 M

《4日目 3月2日》人工ウエット→ドライ
  1.ライコネン(フェラーリ)    1分20秒872 S
  2.フェルスタ(レッドブル)    1分21秒769 S
  3.パーマー(ルノー)               1分21秒778 S
  4.グロージャン(ハース)        1分22秒309 M
  5.ジョビナッツィ(ザウバー)1分25秒393 US
  6.ペレス(F・インディア)     1分22秒534 SS
  7.バンドーン(マクラーレン)1分22秒576 US
  8.ボッタス(メルセデス)       1分23秒443 S
  9.ヒュルケン(ルノー)           1分24秒974 S
10.クビアト(トロ・ロッソ)            -            -

《第1回テスト4日間最速ラップ》
   1分19秒705 US ボッタス   (メルセデス)
   1分20秒983 SS ハミルトン(メルセデス)
   1分19秒952 S   ベッテル    (フェラーリ)
   1分21秒878 M  ベッテル    (フェラーリ)

《参考》
2010年 予選時コースレコード
   1分19秒995       ウェバー    (レッドブル)
2008年 決勝でのファステストラップ
   1分21秒670       ライコネン(フェラーリ)
2016年 合同テスト最速タイム
   1分22秒765 US ライコネン(フェラーリ)
   1分23秒022 S    ロズベルグ(メルセデス)
   1分24秒867 M    ロズベルグ(メルセデス)
2016年 ポールポジション
   1分22秒000 S     ハミルトン(メルセデス)
2016年 ファステストラップ
   1分26秒948 S     クビアト    (トロ・ロッソ)

今シーズンのレギュレーション変更は「ラップタイム3~5秒短縮」が可能と見込まれていました。確かに昨シーズンと比較するとウルトラソフトタイヤで3秒早く、ソフトタイヤもミディアムタイヤでも3秒です。また、予選比較ではソフトタイヤは2秒早くなっていることから、タイム短縮になったことは間違いなさそうです。
タイムをみるとやはりメルセデス、ウルトラソフトタイヤで移籍まもないボッタスが2010年のウェバーによる予選タイムを0.3秒上回りました。また昨年に続いてフェラーリが好調でメルセデスより1つ硬めのコンパウンドで早いラップを築きました。
最終日の4日目は散水車による人工的なウェット路面で行われたものの、常時ウェット環境を作ることができず、走行を重ねるにつれて路面が乾いて結果的にはドライのラップが最速として記録されました。
あくまでもテストですので、各チームの目的やパラメーターも異なり、これがマシン最大のポテンシャルを示すものではありません。

《総周回数・距離》1周は4.655km
  1.メルセデス                  558周 2,597.5km
  2.フェラーリ                  468周 2,178.5km
  3.ザウバー                      349周 1,624.6km
  4.ハース                          343周 1,596.7km
  5.レッドブル                   294周 1,368.6km
  6.ルノー                          293周 1,363.9km
  7.フォース・インディア 278周 1,294.1km
  8.ウィリアムズ               213周    991.5km
  9.マクラーレン               208周    968.2km
10.トロ・ロッソ               183周    851.9km

昨年に比べて周回数は全体的に減っています。下位3チームとなるウィリアムズ、マクラーレン、トロ・ロッソは特にトラブルやクラッシュによって充分な距離を稼げないまま終えています。ストロールは早くもF1の洗礼を受けたかな?!マクラーレンはやっぱりホンダが、、。
安定感があるのはメルセデス。4日目を除き、昨年と同様に2人体制で臨んでおり、ルノーも3日目と4日目は走り込んで距離を稼ぐことができました。1日1人体制で最も走ったのはフェラーリでした。昨シーズンのスペインGPで採用されているソフトとミディアムタイヤで最速タイムを築き、メルセデスより硬めのタイヤで上回る日も見受けられます。昨シーズンもテストは好調でシーズンが進むにつれてレッドブルに食われてしまったフェラーリ。テストのタイムだけで期待するのは早いですが、信頼性はあるのかなと思いたいです。
スペインGPの決勝は66周レースです。参考までにボーダーラインを入れてみました。レースシミュレーションを考えたら、この周回は超えていきたいですね。

合同テスト2回目は明日3月7日からまた4日間に予定されています。それが終わると開幕戦オーストラリアGPまで走行テストはありません。この残り4日間でできる限り多く、様々なテストが無事に行われ、フィードバックされるといいですね!