先日ジョーダングランプリを追っかけていたら、久々にジョーダンのマシンについて思い出したくなりました。第一弾はグリーンの人気車191でした。次ぐ第二弾に選んだのは、チーム最高位の成績を収めた黄色い1999年型「ジョーダン199」です。

《設計》
マイク・ガスコイン
マーク・スミス

《外見》
ジョーダンといえばやっぱりイエローです。グリーンからブルーと変貌を遂げた後、1996年からタバコブランド「ベンソン&ヘッジズ」によるゴールドを経て、お馴染みのイエローがチーム終焉の2005年まで採用されました。ちなみに1991年の191から始まった数字による型式はこの199が最後となり、翌2000年からはチーム代表エディ・ジョーダンのイニシャルであるEJを冠した付番のEJ10に切り替わります。

設計はマーク・スミスとマクラーレンやザウバーに在籍したマイク・ガスコインの手が新たに加わえて、今までのゲイリー・アンダーソン色の変更を行いました。とは言いつつ、素人目からみたら、外見から手に取るようにわかるほどではありませんが(笑)
実は車高が低めで、低重心化に力が注がれています。攻撃的な蜂が描かれたノーズコーンは低位置に始まり、サスペンション付近に達すると運転視線あたりまで上昇してコクピットでまた低くなる。緩やかな弧を描くフロントセクションです。サスペンションのショックアブソーバーの部分が2つコブのように隆起していますから、ただでさえ視界がよくないF1マシンでドライバーからどのように前方が見えていたのかすごく興味があります。
日本ブランドの無限ホンダ。本家ホンダはHONDAとアルファベットのみの表記のところ、無限ホンダの「無限」は毛筆で書いたような力強い漢字で記されています。F1マシンにある漢字、いいですね!エンジンサプライヤーの中で最強とは言えませんでしたが数々のアップデートが結果として反映されていました。

メインスポンサーのベンソン&ヘッジズ、イギリスのタバコブランドです。たまに街で海外のタバコや葉巻を扱うショーケースを見かけて覗いたりしますが、見たことがありません。それか見てるけど気付いていないだけなのか。ネットでパッケージを見ると、黄色より1996年型の196に採用されたものが近い気がします。

また、少し前にも書いたホンダもそうでしたが、このジョーダンのユニークなのはタバコ広告禁止国での対応です。通常はBENSON & HEDGESと書くアルファベットをところどころ削って「BE    ON   EDGE  」(緊張している  ハラハラする)という別の熟語にして置き換えたり、時には「BUZZIN HORNETS」(ブンブン飛ぶスズメバチ)など、もはや原形がよくわからないけど同じ書体で表現していました。ペイントやスポンサーロゴで遊んだりと、今では見かけなくなった工夫がありました。このご時世はヘルメットの絵柄をコロコロ変えることすら許されなくなってしまいましたよね。
他の有名どころスポンサーはマスターカード、ヒューレッドパッカード、そしてソニーのPlayStationやavexなどの日本にお馴染みなものも多くあります。


《エンジンほか》
無限ホンダMF301HD
V型10気筒・バンク角72度
排気量:2,998cc(推定)
最高回転数:- rpm(非公開)
最大馬力: - 馬力(非公開)
燃料・潤滑油:エルフ

《シャシー》
全長:- mm
全幅:- mm
全高:- mm
最低車体重量:- kg
ホイール:OZ
タイヤ:ブリヂストン
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リア    プッシュロッド


《ドライバー》
No.7 デイモン・ヒル(全戦)
No.8 ハインツ・ハラルド・フレンツェン(全戦)

《戦績》
61ポイント コンストラクター3位
(1位2回、2位1回、3位3回ほか)
ポールポジション1回

1999年からR・シューマッハと入れ替わる形でウィリアムズからH・H・フレンツェンが移籍し、なかなかベテランコンビとなりました。戦績上位となる表彰台通算6回は全てフレンツェンによるものです。チャンピオン経験者のヒルは前年1998年に荒れたベルギーGPのチーム初優勝に貢献しましたが、1999年は下降線を辿り、このマシンをもってしても4位1回が精一杯。この年をもってF1を引退することになります。
またメルセデス塾で共にしたM・シューマッハはベネトンで早々に花を咲かせる一方、フレンツェンはウィリアムズでヴィルヌーブの陰に隠れる存在でした。ジョーダンに移籍して開幕戦、第2戦と連続表彰台を獲得し、第7戦のフランスGPでチーム2回目、自身2回目の優勝でチャンピオン争いに名乗りを上げます。第13戦イタリアGPでも優勝し、M・シューマッハの怪我による離脱も絶好のチャンスでしたが、結果ドライバーズランキング3位に終わります。チームはフェラーリ、マクラーレンから大きく離れた3位となり、この年がチームとしての最上位、無限ホンダとしてもこのマシンがF1最上位の戦績となっています。


黄色と黒を組み合わせたカラーリングはルノーにもありました。ウィングやノーズにサイドポンツーン、塗り分け方はジョーダンの鮮やかな黄色が好きです。

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