引き続き名車シリーズを。今回はちゃんとチャンピオンにもなった1996年「ウィリアムズFW18」です。ウィリアムズはやっぱりFW14Bという方も多いとは思うのですが、その名車は後日にとっておいて、ウィリアムズ史上最多勝利を挙げたこのマシンに焦点を当てます。

《設計》
パトリック・ヘッド
エイドリアン・ニューウェイ

《外見》
ベネトンが1991年から早くも導入したペンシル型の吊り下げハイノーズをウィリアムズも導入した2年目です。今のF1マシンはこのノーズありきでデザインされていますね。1994年のA・セナの件で裁判沙汰にはなったものの、マシンは引き続きパトリック・ヘッドとエイドリアン・ニューウェイのコンビで仕立て上げられました。細かくは比較していませんが、前作FW17とディテールがあまり変わってない気もします。
カラーリングはロスマンズブルー。白との稜線には赤と金の帯で個人的には真横からより真上から見る方が好きです。
主なスポンサーはロスマンズにオイル供給のエルフ。またカーワックスを扱うソナックスに日本企業である三洋電機もスポンサードしています。


《エンジン》
ルノーRS8
V型10気筒・バンク角67度
排気量:2,998cc(推定)
最高回転数:− rpm(非公開)
最大馬力:− 馬力(非公開)
燃料・潤滑油:エルフ

《シャシー》
全長:4,150mm
全幅:− mm
全高:− mm
最低車体重量:− kg
燃料タンク容量:−ℓ
クラッチ:AP
ホイール:OZ
タイヤ:グッドイヤー

《ドライバー》
No.5 デイモン・ヒル(全戦)
No.6 ジャック・ヴィルヌーブ(全戦)

《戦績》
175ポイント コンストラクター1位
(1位12回、2位7回、3位2回ほか)
ポールポジション12回

1993年のプロストによるチャンピオンから翌1994年のセナの死。そしてセナ亡き後はベネトンの若手、M・シューマッハによる2年連続のチャンピオンでウィリアムズとしてはこのマシンまでチャンピオンをお預けになってしまいました。セナの後は二世のD・ヒルが受け継ぎ、そして1996年からはクルサードに変わって二世のJ・ヴィルヌーブがアメリカのCARTチャンピオンを引っさげて登場します。
結果ウィリアムズ史上最多勝利の12回を獲得します。さらにはデビューしたばかりのヴィルヌーブがいきなりエースを上回るポールポジションを獲得し、結果的にワンツーフィニッシュを飾るなど、インパクトも抜群のシーズンで始まりました。フランク・ウィリアムズもさぞかしテンションが上がる思いだったと思います(笑)何回か書きましたが、ヴィルヌーブは近年のハミルトン並みのインパクトある鮮烈デビューでした。
ヒルも遅咲きながら頭角を表したチャンピオン候補であり、結果的にヴィルヌーブも翌年にはチャンピオンを獲得し「ウィリアムズの『今のところの』最後の黄金期」を迎えました。しかし、このマシンの出来の良さもさることながら最多勝利、連続チャンピオンは「シューマッハの移籍」が大きく助けたのは言うまでもありません。
プロストもマンセルもセナもいない。将来のチャンピオン候補と言われた若きハッキネンは経験不足と戦闘力のないマクラーレンにヤキモキし、早く頭角を表したシューマッハがセナ亡き後うまくチャンピオンの座を獲得しました。そのシューマッハがうまい具合に当時落ち目のフェラーリ再建のため「移籍してくれた」ことが助けになったことがこのマシンの大成に関わっていると思います。
もし、シューマッハがベネトンのままだったら、、、1996年のこのFW18の勝利数を三分し混戦していたかもしれません。少なくても、マクラーレン・メルセデスが台頭する1998年までは。

名車と掲げつつ揚げ足を取ってしまいました(笑)運も実力のうち!ウィリアムズ、次の日の目はいつになるやら。


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