フェルナンド・アロンソ(2015年終了時)
   2001年 ミナルディからデビュー
   14年在籍(2002年はサードドライバー)
   優勝32回               歴代6位   現役3位
   表彰台97回            歴代3位   現役1位
   参戦数254戦          歴代6位   現役2位
   ポール22回            歴代12位 現役4位
   ファステスト21回 歴代12位 現役4位
   チャンピオン2回(2005,06年)

これが昨シーズンまでのアロンソの戦績です。貴重なスペイン出身のチャンピオン経験者です。ミナルディから一年の浪人を経てルノー、マクラーレン、再びルノー、フェラーリ、そして再びマクラーレンと渡り歩き、輝かしい経歴を残してベテランの領域に達しました。
歴代記録でも上位に君臨し、現役ではいずれも1位~4位の中に入っています。ちなみに現役で上位を占めているのはいずれもハミルトン、ベッテル、ライコネンの3人で、その4人が入り乱れている状況となっています。
先日の「2008年日本GP」の時に「アロンソに意外と多いもらい勝ち」を書きました。アロンソは近年優勝から遠ざかってはいるものの、現役最強ドライバーの名を保持し続けています。アロンソの得てきた優勝、勝ちパターンのうち、前車のトラブルによって得た「ごっつぁん優勝」を挙げてみます。


《前車のトラブルによって優勝したレース》
2005年 第4戦サンマリノGP 62周レース
予選2番手スタート
ライコネン9周目 ドライブシャフト

2005年 第7戦ヨーロッパGP 59周レース
予選6番手スタート
ライコネン59周目 サスペンション

2005年 第12戦ドイツGP 67周レース
予選2番手スタート
ライコネン36周目 油圧トラブル


2006年 第17戦日本GP 53周レース
予選5番手スタート
M・シューマッハ36周目 エンジンブロー


2010年 第1戦バーレーンGP 49周レース
予選3番手スタート
ベッテル34周目 エキゾースト

2010年 第11戦ドイツGP 67周レース
予選2番手スタート
マッサ49周目 チームオーダー

2010年 第17戦韓国GP 55周レース
予選3番手スタート
ベッテル46周目 エンジンブロー


2012年 第8戦ヨーロッパGP 57周レース
予選11番手スタート
ベッテル34周目 オルターネーター


アロンソが2位を走行中に前車がリタイヤや後退して優勝したのは、過去の32勝中8戦に及びます。1/4が「ごっつぁん優勝」ということです。個人的には多い印象です。それがなければアロンソの勝利数は24にまで減ってしまいます。それでも多く勝ててはいますが。

レースにはトラブルが付き物です。ましてやドライビングミスでなく、マシン自体の信頼性や特性によるものも多く、ドライバーではどうしようもできない面も多々あります。

年毎に見ていくと、急成長し、チャンピオンを獲得した2005年は3戦全てがマクラーレンのライコネンの取りこぼしを確実に獲得しています。先日の「MP4-20」でも書いた通り、マクラーレンは速さはあれど、信頼性不足、脆弱な面も多く、勝利数はライコネンと同じ7勝で並べることができ、アロンソからみたらそこを確実に取ったことが初チャンピオンに繋がったといえます。
タラレバですが、もしライコネンに3回のトラブルが起きなければ、アロンソ4勝で127。一方ライコネン10勝で142となり軍配は圧倒的にライコネンでした。非常に運がいい。

続く2006年は1回、対シューマッハでした。同様にチャンピオンを獲得した年です。この年の2位シューマッハとのポイント差は13でしたので、もし日本GPを2位で終えても、次戦最終戦のブラジルGPの順位であればチャンピオンは獲得できたはずです。ただ、アロンソ132ポイントでシューマッハが131ポイントとなるためギリギリの1ポイント差になった可能性が高いです。ファンとしてはその方が盛り上がりますが(笑)

2010年はドイツGPでチームメイトのマッサに譲られるものが一度あります。これはマッサがタイヤとの相性が悪くペースが上がらなかった、と話しています。真相はわかりません。ただ当時禁止されているチームオーダーとされ、チームは罰金を支払い、翌年チームオーダー禁止を撤廃するきっかけにもなりました。
この年はベッテルが開花し両者5勝で並ぶ形になりましたが、マッサに譲られたにも関わらず、結果わずか4ポイント差でチャンピオンはベッテルが手にします。最終戦のブラジルでセーフティカーの影響もあって7位に終わったアロンソ。1位から3位までの回数が全く同じで4位の回数を考えると、最終戦も1位が必要でした。
最近では2012年にも対ベッテルで勝ちを一つ得ています。それをもってベッテルに3点差で惜敗してしまいます。アロンソはライバルをとことん、ギリギリまで追い立てます。いかに「取りこぼさないこと」「諦めず2位からトップのミスを誘うこと」が大切なことか証明してくれるドライバーです。
もちろんアロンソにもポールポジションから一人も前に出ることなくぶっちぎりで勝つものもいくつかありますが、予選や決勝でマシンの性能以上に速さを絞り出し、重箱の隅をつつくかの様にあらゆるチャンスや方法を完遂させる。かつ無理せず労わりクレバーに勝つのにアロンソらしさを感じます。そう考えると、今在籍するマクラーレン・ホンダはアロンソの様なキャラクターで勝利をもぎ取るに適しているはずです。色々言われて風当たりの良くないチームの立て直しを期待したいと思います。


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