今週末にあるアメリカGPは、近年テキサス州オースティンにある「サーキット・オブ・ジ・アメリカズ」で行われていますが、以前にはラスベガスやダラス、東と西で年に二回行われていたりと、各地でありました。アメリカにはCART、インディカー(現IRL)などがあるため、ヨーロッパ発祥のF1のアメリカ進出に対する力の入れようが伺えます。
今まで印象の強い好レースを書いてきましたが、今回は個人的に「最悪な」レースを挙げます。2005年アメリカGPです。ある意味印象があります。記憶にある方も多いのではないでしょうか?この年はインディ500でお馴染みのインディアナポリスが舞台でした。
2005年シーズンは「タイヤ交換禁止」が肝であり、タイヤをいかにもたせるか、優しく走れるかがドライバー側に求められ、タイヤメーカーは300km/hを超える速度のF1マシンを300km以上の距離のレースを走りきれるものを供給してあげなければなりません。このレースはその弱点が露呈されたものでもあります。
事件はフリー走行2回目の左リアタイヤのバーストによるトヨタのR・シューマッハのクラッシュに始まりました。同じくトヨタのサードドライバーのR・ゾンダもバーストによりスピンし、トヨタのマシンが履いたミシュランが「インディアナポリスのターン13に耐えうるものではない」というものでした。
まだタイヤへの不安が解消されぬままの予選はクラッシュした相方に代わり、予選だけは大得意のトヨタのJ・トゥルーリが制し、続いて7/100秒差でマクラーレンのK・ライコネンが2位、3位はB・A・RホンダのJ・バトンと、走れば当時好調なミシュラン勢が占め、肝心なブリヂストン勢は5年連続を狙うフェラーリのM・シューマッハの5位が最上位でした。日本ブランドが上位です。
予選結果
1 J・トゥルーリ(トヨタ・T・MI)
2 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
3 J・バトン(BAR・H・MI)
※Tはトヨタ、Mはメルセデス、Hはホンダ
まずミシュラン代表のピエール・デュパスキエがレースディレクターのチャーリー・ホワイティングに対し「予選で使用したタイヤを決勝では使用できない」旨を伝えたところ、
スターティンググリッドには少数派のブリヂストン勢である3チーム6台のみ。まあ寂しいスタートです。
状況がわからないファン達は怒り、ブーイングやコース上に物を投げ入れる騒ぎに。F1に馴染みの薄いアメリカの観客が楽しみにしていた決勝がこれでは、怒らないわけがありません。
今まで印象の強い好レースを書いてきましたが、今回は個人的に「最悪な」レースを挙げます。2005年アメリカGPです。ある意味印象があります。記憶にある方も多いのではないでしょうか?この年はインディ500でお馴染みのインディアナポリスが舞台でした。
2005年シーズンは「タイヤ交換禁止」が肝であり、タイヤをいかにもたせるか、優しく走れるかがドライバー側に求められ、タイヤメーカーは300km/hを超える速度のF1マシンを300km以上の距離のレースを走りきれるものを供給してあげなければなりません。このレースはその弱点が露呈されたものでもあります。
事件はフリー走行2回目の左リアタイヤのバーストによるトヨタのR・シューマッハのクラッシュに始まりました。同じくトヨタのサードドライバーのR・ゾンダもバーストによりスピンし、トヨタのマシンが履いたミシュランが「インディアナポリスのターン13に耐えうるものではない」というものでした。
原因は近年のF1には珍しいバンク付きの高速右カーブが長時間続くこと。またこの年からグリップ力を高める目的で、路面に細かい溝を施しているため、タイヤに悪影響を及ぼしていることでした。ミシュランの作るタイヤはそれに対応できず、タイヤのサイドウォール(ロゴが入っている部分)がたわんでバーストしてしまうことが明らかになりました。空気圧を低めにするとよりその現象がより顕著に進みます。
まだタイヤへの不安が解消されぬままの予選はクラッシュした相方に代わり、予選だけは大得意のトヨタのJ・トゥルーリが制し、続いて7/100秒差でマクラーレンのK・ライコネンが2位、3位はB・A・RホンダのJ・バトンと、走れば当時好調なミシュラン勢が占め、肝心なブリヂストン勢は5年連続を狙うフェラーリのM・シューマッハの5位が最上位でした。日本ブランドが上位です。
予選結果
1 J・トゥルーリ(トヨタ・T・MI)
2 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
3 J・バトン(BAR・H・MI)
※Tはトヨタ、Mはメルセデス、Hはホンダ
まずミシュラン代表のピエール・デュパスキエがレースディレクターのチャーリー・ホワイティングに対し「予選で使用したタイヤを決勝では使用できない」旨を伝えたところ、
・タイヤを替えることはペナルティになる
・シケイン設置はFIAの認可が下りない
・ブリヂストンユーザーからみたら不公平
と回答していました。確かに不公平、ごもっともです。そもそも耐えうるタイヤを作れないミシュランが良くなく、一方で難なくターン13をフルスロットルで走行できるブリヂストンの完成度の高さを知ることになります。インディアナポリスの経験もありますし、日本ブランドとしては誇らしいところです。
その後ミシュランはフェラーリを除くブリヂストンユーザーであるミナルディのポール・ストッダートとジョーダンのコリン・コレスに対して、
・ノーポイントレースとする
・シケイン設置はFIAの認可が下りない
・ブリヂストンユーザーからみたら不公平
と回答していました。確かに不公平、ごもっともです。そもそも耐えうるタイヤを作れないミシュランが良くなく、一方で難なくターン13をフルスロットルで走行できるブリヂストンの完成度の高さを知ることになります。インディアナポリスの経験もありますし、日本ブランドとしては誇らしいところです。
その後ミシュランはフェラーリを除くブリヂストンユーザーであるミナルディのポール・ストッダートとジョーダンのコリン・コレスに対して、
・ノーポイントレースとする
・ターン13通過速度を抑える
・10周ごとにタイヤ交換する
・10周ごとにタイヤ交換する
・ターン13にシケインを設ける
などを提案し、シケインを設けたノーポイントレースで話はまとまっていたものの、、、FIA会長のマックス・モズレーとFIAのアメリカ代表に拒否されてしまいます。
解決しないまま迎えた決勝は予定通り開始され、各車フォーメーションラップに入りました。しかし、ちょうど問題のターン13手前にあるピットロードが近づくと、、ミシュラン勢はスターティンググリッドに向かわずピットインしてしまいます。本線を走るフェラーリに対し、ピットレーンを走る各車、ミシュラン勢の採った行動はボイコットでした。
などを提案し、シケインを設けたノーポイントレースで話はまとまっていたものの、、、FIA会長のマックス・モズレーとFIAのアメリカ代表に拒否されてしまいます。
解決しないまま迎えた決勝は予定通り開始され、各車フォーメーションラップに入りました。しかし、ちょうど問題のターン13手前にあるピットロードが近づくと、、ミシュラン勢はスターティンググリッドに向かわずピットインしてしまいます。本線を走るフェラーリに対し、ピットレーンを走る各車、ミシュラン勢の採った行動はボイコットでした。
スターティンググリッドには少数派のブリヂストン勢である3チーム6台のみ。まあ寂しいスタートです。
状況がわからないファン達は怒り、ブーイングやコース上に物を投げ入れる騒ぎに。F1に馴染みの薄いアメリカの観客が楽しみにしていた決勝がこれでは、怒らないわけがありません。
実際のレースは想像の通り退屈なもので、フェラーリ2台がピットアウトで絡み、バリチェロの怒りが浸透したくらい。派手なバトルもなく出走6台全てが完走し、全てにポイントが与えられました(当時は1~8位までにポイント付与)表彰台はシラけて、優勝のM・シューマッハ、2位のバリチェロに笑顔はなく、唯一喜んだのはジョーダンから参戦して初表彰台となったモンテイロただ一人でした。フェラーリ2人ももう少しモンテイロに付き合ってあげたらいいのに。。
決勝結果
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
2 R・バリチェロ(フェラーリ・F・BS)
3 T・モンテイロ(ジョーダン・T・BS)
※BSはブリヂストン
モンテイロには申し訳ないですが、1990年からちゃんとテレビ観戦してきたF1レースで最もひどいレースでした。レースの内容以前に「レースになっていない」
結局、それが直接のチャンピオンシップ争いに影響が出たかは定かではありませんが、コンストラクターズの方は0点で終わったトヨタは最終的に4位の88点、一方18点を稼いだフェラーリは3位の100点でその差は12点です。せっかくのポールポジションを獲得したトゥルーリがそのまま走り続けたら、どうだったのだろうと考えてしまいます。
ミシュランは2005年のチケットを持っている観客に対し、2006年のチケットを20,000枚先行購入して配布したそうです。また、調べて後から知りましたが、日本では放映権を持つフジテレビがいつも通り表彰式まで放映していましたが、アメリカ、イギリス、ドイツの4か国以外は放送を取りやめたそうです。ミシュランが映らない、贔屓のチームやドライバーが走らない、だから、映さない。その辺かなり徹底しています(笑)
近年はタイヤがワンメイク化したこともあり、このような失態レースはありません。長い歴史があると、色んな出来事がありますね。今年はピレリのパンク騒動があり色々物議はあるものの、今後もつまらない理由でレースが台無しにならないといいなと思っています。
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
2 R・バリチェロ(フェラーリ・F・BS)
3 T・モンテイロ(ジョーダン・T・BS)
※BSはブリヂストン
モンテイロには申し訳ないですが、1990年からちゃんとテレビ観戦してきたF1レースで最もひどいレースでした。レースの内容以前に「レースになっていない」
結局、それが直接のチャンピオンシップ争いに影響が出たかは定かではありませんが、コンストラクターズの方は0点で終わったトヨタは最終的に4位の88点、一方18点を稼いだフェラーリは3位の100点でその差は12点です。せっかくのポールポジションを獲得したトゥルーリがそのまま走り続けたら、どうだったのだろうと考えてしまいます。
ミシュランは2005年のチケットを持っている観客に対し、2006年のチケットを20,000枚先行購入して配布したそうです。また、調べて後から知りましたが、日本では放映権を持つフジテレビがいつも通り表彰式まで放映していましたが、アメリカ、イギリス、ドイツの4か国以外は放送を取りやめたそうです。ミシュランが映らない、贔屓のチームやドライバーが走らない、だから、映さない。その辺かなり徹底しています(笑)
近年はタイヤがワンメイク化したこともあり、このような失態レースはありません。長い歴史があると、色んな出来事がありますね。今年はピレリのパンク騒動があり色々物議はあるものの、今後もつまらない理由でレースが台無しにならないといいなと思っています。
コメント
コメント一覧 (2)
実はこのレギュレーションが施工された年はサーキットでのデータ収集のための走行が禁止されていてタイヤメーカーはシュミレーターのデータだけで作ったといわれてます。
ブリヂストン側は「安全・安心」というスローガンの下、強度過剰気味のタイヤを作ったのに対して、ミシュラン側は当時タイヤはパーツのひとつに過ぎないというやや自信過剰気味な態度が裏目に出てしまい結果あのコースでのタイヤバーストにつながったとか・・・(前年?もベルギーでバトンの車が突如バーストしてリタイアしたこともあった)
結局このGPはミハエルの05年唯一の勝利に加えて翌年もミハエルが制したことによる同一GP4連勝を作ってしまった出来事にもなってしまいましたね(近年ではハミルトンがイギリスGPで4連勝(14・15・16・17)しましたが)
ブリヂストンの浜島さんもこの勝利は価値のある1勝と言うことを2010年暮れのドキュメンタリー番組で語ってました
こんにちは。2005年アメリカGPは類い稀なレース
になりましたよね。シーズンを圧倒してきた
ミシュランがまさかバンクに耐えられないという
参戦している以上インディアナポリスの走行が
わかっているのに甘んじて、参戦タイヤメーカー
として失格でした。
走行実績あるブリヂストンは誇らしいところです。
今のピレリでやったらどうなんでしょうね。
タイヤ交換があるし、硬めのトレッドと聞くので
耐えられそうですかね。